ケンウッド「M-EA3」レビュー − 注目機能全部入り＆素直で聴きやすい音質が魅力のミニコンポ

「M-EA3」は、スマートフォンとの組み合わせに便利なBluetoothワイヤレス機能を筆頭に、現代的な要素を満たしたコンポーネントシステム。

…とだけいうと没個性的な製品に思えてしまうかもしれないが、写真を見ていただければわかるように、このシステムには背がとても低い「ローフォルムデザイン」という大きな個性がある。このデザインによって、どこに置いても圧迫感がなく、またディスプレイと操作ボタンを上面に配置したことでそれらが見やすく押しやすいといった特長を得ている。インテリアとの親和性を重視している製品なのでもちろん、カラーバリエーションもホワイト、レッド、ブラウンと揃えている。

さて機能面では前述のBluetoothワイヤレスの他に、 iPodデジタル接続、USBメモリー再生、CD、ラジオとこのクラスこのタイプの製品としてはおおよそ「全部入り」を実現。USBメモリーは再生の他にラジオの録音にも利用できる。また操作性の面では、前述の見やすさ押しやすさの他に、Android用リモコンアプリ「KENWOOD Audio Control BR1」も提供される。

そして音の完成度も高い。基本的には良バランスで、低音を少しだけ絶妙に押し出してある。エレクトリックベースのややウォーム、そして弾力があり抜けもよい音色は実に心地よい。細かなリズムを刻むハイハットシンバルは、金属質の荒さは控えめにして少し和らがせつつ繊細。低音も高音も良い具合に「優しい」と感じさせる音色で聴きやすい。

そういった音調であるので、ボーカルとの相性はとてもよい。まずボーカル自体が優しく、語りかけるような曲ではその伝わり方が特に強まる。全体のバランスが良いので他の楽器が（例えば過剰なベースが）ボーカルの邪魔をすることがないのもポイントだ。

全部入りの機能性＝使える場面の幅広さと操作性、そして大きな癖がない素直で聴きやすい音質。初めてのオーディオシステムを探している方にも安心しておすすめできる製品だ。


KENWOOD　M-EA3　￥OPEN（予想実売価格28,000円前後）
【SPEC】●消費電力：18W（待機時0.5E以下） ●外形寸法：本体→256W×75H×171Dmm、スピーカー部（1本）→ 85W×175H×171Dmm ●質量：本体→1kg、スピーカー部（1本）→1kg

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◆筆者プロフィール　高橋 敦
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。