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オーディテクニカ、木曽檜を使った“真の密閉型”フラグシップヘッドホン「ATH-AWX7000」
オーディオテクニカは、密閉型有線ヘッドホンの新たなフラグシップモデル「ATH-AWX7000」を11月6日に発売する。 価格はオープンだが、税込599,500円前後での実売が予想される。
ATH-AWX7000は、同社製ヘッドホンのラインナップにおける密閉型モデルの次世代フラグシップ機。
2022年に限定生産し税込132万円で販売した同社創業60周年記念モデル「ATH-W2022」で採用していた様々な技術と、2025年に発売した開放型モデルのフラグシップ機「ATH-ADX7000」の際に新開発した振動板製造技術HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)とを統合させることで、音源に忠実な再生を追求したという。
ハウジングの素材には木曽檜を採用。木曽檜は木材として成熟するのに300年以上を要する非常に貴重な木材であり、さらに、今回は日本最高位の神を祀る伊勢神宮の御用材として特別に指定されたものを本機に使用している。
そして、その木曽檜ハウジングの仕上げには無着色の高純度漆である透き漆を採用。職人の筆による手塗りで仕上げているため、一台ずつ筆のタッチや塗膜の微妙な差異が生まれることで、一点一点を唯一無二の作品にすると同社は説明している。
透き漆による仕上げは時が経つにつれ透明度を増し、木材本来の色をより鮮やかに引き立てるとのこと。これによって、経年変化による味わい深い変化を楽しめるとアピールしている。
イヤーパッドには和鹿革を採用。鹿革特有のしっとりした触感によって肌触りの良さを実現した。また、汗がついてもにおいが付きにくいなど自浄作用もあり、衛生的に使用できるとも説明している。
さらにこうして肌なじみの良さを実現することで、装着時には適度に前室を密閉するためチューニング上もメリットがあるという。
ドライバーは58mm径のダイナミック型で、前述のとおり、開放型フラグシップ機「ATH-ADX7000」の際に新開発したHXDT技術を投入。
同技術はドライバーユニットを構成するバッフル、磁石、振動板等の部品それぞれの中心をより正確に一致させる製造・生産技術。振動板の成型からドライバーアッセンブリまでを含めた精度向上全体のことを指し、製造誤差を従来比10分の1程度に抑えることに成功している。
こうして精度を高めることで、振動板の柔軟性と強度の向上を実現。軸ズレによるピストン運動のローリングなども抑制され、意図した通りの動きを実現することで全帯域での音質向上につなげているとのこと。
その振動板には、アルミドームと高分子フィルムの接着範囲を外周部まで拡大したHMD(Hybrid Matrix Diaphragm)を採用。
HMDは、中心部と外周部を異なるフィルム材料を組み合わせて成型する異素材複合振動板の改良型。
従来、大きな信号の入力時に異なる素材間のつなぎ目部分で力の集中が発生し振動板が変形してしまう課題があったが、HMDではプラスチックフィルムとアルミドームの接着範囲をボイスコイル周りから外周部まで拡大。
これによって接合部での力の集中を避け、前述のHXDTによる高精度な振動板成型と組み立て技術の組み合わせで形状を完全一致させることで、高い密着力を得た。これにより振動板一体での振動を実現したという。
こうして振動板の強度が向上することで大入力でも変形が少なくなり、音の立ち上がりが向上するとともにダイナミクスも改善したと同社は説明している。
なお、密閉型ヘッドホンはその構造上、外周部が中心部の高速ピストン運動についていけずに波打ってしまう分割振動を避けられず、これによって特に高域でエラーが起きることが課題となっている。
これに対しオーディオテクニカのHMD技術では、外周に接着範囲を拡大して高音域の高速ピストン運動でも部位ごとに異なる振動を抑制し、全体で振幅させることで音源に忠実な再生を実現できるよう配慮している。
同社ではこれをダイナミックドライバーが持つ分割振動の根本原因にアプローチした解決方法だとしており、「これにより、密閉型はHiFiリスニングに向かないという常識を覆し、HiFiリスニング用途にも応える製品になった」とアピールしている。
筐体設計においては、金属フレームとウッドハウジングを工業接着剤で隙間なく接合。柔らかい和鹿革と新ヘッドバンドのジオメトリによって耳周りに隙間を作らないようにもしており、これまでの密閉型よりも密閉される構造にしている。
こうして筐体全体で意図しない空気の“漏れ”を徹底排除することで、小さい音から大きな音まで漏らさず鼓膜に届けられるよう配慮した。
なお、製品のフレーム上部には小さなポートがあり、ハウジング内部の後室につながっている。これは、振動板は完全な密閉空間の中では空気バネが硬すぎて正確に振幅できないため、このポートによって空気バネの硬さ調節を図っている。
ポートで空気バネの硬さをコントロールすることで、低音やダイナミクスを損なわず、かつ振動板がしっかり動ける絶妙なバランスをとっているのだという。
また、同社従来品を始めとする一般的なヘッドホンでは、振動板が空気の塊を持ち上げ切れず入力どおりに動けなかったり、分割振動によって、音が過剰になったり不足する現象が起きやすいとも説明。
これに対し本機では、HMDの振動板強度向上でが空気の塊を押し切れるようになり、また、分割振動も抑制されて出力の斑もなくなるため、過不足なくちょうど100%の出力を行えるに改善されたとしている。
こうして、密閉度合いを上げても理想通りに動作する振動板と、筐体設計により空気ばねによるメリットを最大限得られる密閉型の駆動原理を突き詰めた製品になったとアピール。本機を“真の密閉型”「True Closed-back Acoustic」だと定義している。
そのほか、アームおよびフレーム素材にはマグネシウム合金を採用。着脱コネクターは、 音質劣化やノイズに強いというオーディオテクニカ独自のA2DC端子を採用している。
ケーブルは、タッチノイズに配慮した編み込みケーブルを同社のハイエンド製品として初採用。 6.3mm標準端子のもの(3.0m)と、4ピンXLRバランス端子(2.5m)の2本を同梱する。
生産は国内の同社成瀬工場で行われ、L側の銘板にはシリアルナンバーが刻印される。 また、専用の収納ケースが付属する。
主な仕様として、再生周波数帯域は5 - 50,000Hz、インピーダンスは48Ω。 出力音圧レベルは97dB/mW、最大入力は1,000mW。本体の質量は353g。


























