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JVCケンウッド、スピーカーの原理を利用した環境発電実験に成功。橋を伝う振動を保守点検のエネルギーに
JVCケンウッドグループの(株)JVCケンウッド・公共産業システムは、京都大学の八木知己教授、西野朋季特定研究員を中心とした研究グループ、および(株)建設技術研究所と共同開発している環境発電(エネルギーハーベスト)の実証実験に成功した。
エネルギーハーベストとは、身の回りの微量なエネルギーを電力に変換し、電池や外部電源を使わずに機器を動かすことを可能にする技術。老朽化が進む国内の社会インフラを少コストで保守管理するための、モニタリング用センサーの電力源として注目を集めているという。
このエネルギーハーベストの研究の一環として、JVCケンウッド・公共産業システムと京都大学は、2024年4月から共同で研究開発をスタート。社会インフラの中でも振動があり、損傷が軽微なうちに補修をする予防保全の効果が高い橋梁での実用化を目指し、JVCケンウッドが培ったダイナミック型スピーカーの音響技術原理を応用した低周波振動による発電に取り組んでいた。2025年1月からは建設技術研究所も参画し、3者での開発体制となっている。
今回の実験では、実際に橋梁下部にエネルギーハーベスト装置(エネルギーハーベスター)の試作機を設置し、自動車が通過した際に生じる振動を利用して発電が可能かを検証した。その結果、数十Vの電圧が得られ、従来の技術では困難であった低周波領域での振動発電が実現できることを実証したという。
実証実験の結果をふまえ、今後は発電量の増加、蓄電技術や通信技術、センサーなどと組み合わせた開発に取り組み、エネルギーハーベスト機能付き電磁自立型センサーの開発を推進していく予定。ゆくゆくは、センサーや通信機器の配線工事/電池交換を不要なものとし、インフラの維持/保守管理における省人化やコスト削減に繋げていくとのこと。
さらに将来的には、エネルギーハーベストを活用し、老朽化したインフラ構造物や斜面などの状態を診断可能にすることを目指しているという。JVCケンウッド・公共産業システムは、共同研究を通じてさまざまなインフラの予防保全や劣化予測に貢献し、安心・安全なまちづくりを推進していくとコメントしている。


































