公開日 2006/10/27 19:24

音楽と脳の密接な関係 ― 「モーツァルトで癒される理由」とは?

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モーツァルト生誕から250年を数える今年、キングレコード(株)より、ドン・キャンベル氏が監修したCD「モーツァルト効果」6タイトルが10月25日に発売された。これは昨年9月に発売された「ドン・キャンベルのモーツァルト効果〜キッズ&ファミリーのために〜」の第2弾だ。ラインナップは以下のとおり。


Vol.1

Vol.2
■Vol.1:アタマをよくする〜知性と学習のための音楽 ¥2,000(税込)
■Vol.2:カラダを癒す〜休息とリラクゼーションのための音楽 ¥2,000(税込)
■Vol.3:想像力・創造力 ¥2,000(税込)
■Vol.4:集中力・覚醒力〜仕事や勉強のための音楽 創造力 ¥3,000(2枚組・税込)
■Vol.5:ストレス解消〜深い休息と元気回復のための音楽 ¥2,000(税込)
■Vol.6:ヨガ ¥2,000(税込)

「モーツァルトは癒される」というフレーズはしばしば耳にしたことがあるが、モーツァルトの音楽はどうしてアタマを良くしたり、カラダを癒したり、想像/創造力を高めたりしてくれるのだろうか?このCDのタイトルにもある「モーツァルト効果」とはどのようなものなのか、現在プロモーションのため来日中のキャンベル氏にお話を伺った。

氏はモーツァルトの音楽が人間の健康や脳の働きに与える効果を「モーツァルト効果」として広めた第一人者。3カ月前にウィーンで開催された、モーツァルトの楽曲の質や構成をテクニカルなアプローチから解釈する「モーツァルト&サイエンス」という第1回国際会議にも参加してきたそうだ。

ドン・キャンベル氏

同氏が音楽と脳の関係性に注目したきっかけは、1958年にフランスのアルフレッド・トマティス博士によって発表された研究結果によるのだという。それは、「高周波を右耳から聴くと左脳の発達が促され、活動が活発になる」というものであった。

そこで氏は、さまざまな作曲家の曲を障碍を持つ人などに試聴してもらい、音楽が体にどのような影響を与えるか分析した。その結果、脳を活性化させ、ADHDや自閉症などのリハビリに役立つことが分かったのだという。

氏によれば、音楽の持つ「周波数」「テンポ」「調性」の3つの要素は、耳や肌、骨はもちろんのこと、特に左脳、右脳、感情を統合しハーモニーを受け止めるリンビックシステム(辺縁系)、そしてリズムに反応する後頭部のオートノミック(自律神経系)に強く働きかけるという。そして脳への刺激は、周波数の高−低、テンポの速ー遅、調性の高ー低と比例して高低するのだという。

「今回発売される6枚のCDは主眼をこの3つの要素に置き、目的別に選曲した」と氏は語った。

ここで疑問になるのは、高周波はどの作曲家の曲にも含まれているという点だ。数多の作曲家の中から、特にモーツァルトを選んだ理由について、同氏は2つの理由を挙げた。

ひとつは、モーツァルトは35年という短い生涯の中で200を超える作品を作っており、交響曲、器楽曲、室内楽などありとあらゆるジャンル、ありとあらゆる曲想のバリエーションが揃っていることだ。

ふたつめは、構成がシンプルであることだ。たとえばVol.4に収録されている「二台のピアノのためのソナタ K.448 第1楽章」はソナタ形式である。これは、最初に提示部で主題が提示され、展開部でさまざまに展開し、再現部で主題が再現され終結するという形式。この流れは、脳がものを覚える方法と同じであり、集中して聴くことで脳の機能を鍛えられるという。

同氏は「このCDは聴覚を鍛え、脳の訓練に役立つことはもちろん、BGMとして使用することもできるし、いいオーディオで大きい音を出して楽しめる音質も備えている。言うなれば『周波数のカフェイン』。日常のさまざまなシーンで活用して欲しい」と語った。

【問い合わせ先】
キングレコード
ストラテジックマーケティング本部
TEL/03-3945-2123

(Phile-web編集部)

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