公開日 2006/06/22 19:52

RD-A1を「HD DVDレコーダー」と呼ばない理由

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

東芝が7月14日に発売する「RD-A1」
別項でお伝えしているように、(株)東芝は、HD DVDドライブを搭載したデジタルレコーダー「RD-A1」を7月14日に発売する。

同社では、本機を「HD DVD搭載ハードディスクレコーダー」と表記している。HD DVDを前面に打ち出すには「HDD内蔵HD DVDレコーダー」とした方が良いはずで、事実、同社はこれまでHDD内蔵DVDドライブを「HDD&DVDレコーダー」と表記していた。ネーミングの上では主従が逆転したことになるわけだが、東芝のねらいはどこにあるのだろう。

この理由について、記者会見の席上、同社上席常務の藤井氏は、「プレーヤーとレコーダーはコンセプトが全く異なる。レコーダーで求められるのは大容量記録で、これを実現するのはHDDだ。今回多くの方は『HD DVD』と名付けると考えていたと思うが、あえて本質をついたネーミングにした。実際のHDD+DVDレコーダーの使われ方でも、99%の方はまず初めに HDDに録画しており、レコーダーの本質はHDDだ」と説明。その上で、RD-A1について「1TBのHDDを搭載し、ハイビジョン映像を最大約130時間録画できる」とアピールした。

「録画の主役はHDDだ」という藤井氏の指摘は、ユーザーの実際の使用状況に即したもので納得できる。だが、HD DVDディスクのコンセプトや仕様を思い起こすと、別の理由も浮かんでくる。

この記事で波瀬氏が指摘しているように、HD DVDはもともと再生専用の規格を中心に決められている。HD DVDの片面1層の記録容量は15GBで、パッケージソフトならば映像コーデックにH.264やVC-1を用いることで2時間程度の記録が可能だが、デジタル放送で用いられるMPEG2では、より多くのデータ量が必要になる。転送レートが最大17Mbpsの地上デジタルならば約2時間の記録が可能だが、同24MbpsのBSデジタルでは、1時間20分程度の記録しかできない。

片面2層のディスクを使えば容量は倍に増え、30GBになるので記録容量の問題は解決するが、今度は価格がネックになる。三菱化学メディアを例に取ると、片面2層のHD DVD-Rディスクは4,500円前後での販売が予想され、日常的に用いるにはかなりハードルが高いと言わざるを得ない。

このように、HD DVDは、デジタル放送の録画という観点から見ると、記録容量でBDに対して明らかに不利な状況にある。この点をBD陣営に改めて指摘されること、あるいはユーザーの不興を買うことを避けるため、論点をHDDの容量に移し、あえてHD DVDを補助的な役割として設定したのではないか。あくまで推測に過ぎないが、こんな考えも浮かんでくる。

また、HDD容量の大きさを前面に打ち出すのであれば、1TB HDDを搭載したDVDレコーダーは既に複数存在する。40万円という価格設定を考えると、さらに大容量のHDDの搭載を望む声も上がってきそうだ。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「第53回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」9/25から3日間の放送・配信予定
2 「Amazonプライム感謝祭」10月16日開始。10月13日から先行セール/HANA特設ページも開設
3 『ゴジラ-0.0』IMAX劇場31館にて11月3日0時より最速上映
4 自作のヴィンテージスピーカーがLINNのシステムで蘇る!カント哲学者・黒崎政男氏のオーディオ道楽
5 YouTube、新機能を多数発表。ショート動画もシリーズ化/テレビでの視聴時にコメント音声投稿など
6 【インタビュー】磨きあげられた映像で「黒のビエラ」をアピール。パナソニックがZ95Cで追求する本物の感動
7 Meta、IMAX Enhanced認定のVRグラス「Meta VR Glasses」。約100gの軽さ実現
8 Razer、コンパクトな球形デスクトップゲーミングスピーカー「Mako」。サブウーファー付モデルも展開
9 ロジクールG、ボイス近接センサーやディスプレイを搭載した多機能USBマイク「YETI 2」
10 ゼンハイザー「ACCENTUM Clip」をSaucy Dog 石原慎也が体験。スペシャルインタビュー公開
9/25 10:59 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 202号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.202
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
ケーブル大全2026
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.34 2026 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.34(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix