公開日 2004/01/08 16:53

ソニー、1GBの容量を実現したMD新規格『Hi-MD』を発表〜従来MDも容量約2倍に

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容量1GBのディスク「HMD1G」/ソニーマーケティング(株)代表取締役 宮下次衛氏
●ソニー(株)は、現行のMD(ミニディスク)との再生互換を確保し、著作権保護技術を採用した「Hi-MD(ハイエムディー)」規格を策定した。このHi-MDは、大容量化、高音質化、PCとの親和性、著作権保護技術の4点を実現している。

Hi-MD規格では、現行のMDディスクを「Hi-MD」で初期化することで記録方式を効率化し、記録容量を約2倍にすることが可能となる。容量177MBの80分のディスクの場合、容量は305MBとなる。さらに今回、1GBの記録容量を実現したHi-MD規格専用のディスクも開発された。このディスクの開発は、DWDD(Domain Wall Displacement Detection、磁壁移動検出方式)技術を採用することで実現されたもので、音楽の場合、最大約45時間の録音が可能となる。

音楽記録には、新圧縮技術「ATRACT3plus」を採用し、高圧縮率・高音質を実現している(現行MDは「ATRACT3」)。記録時には256、64、48kbpsの中から圧縮率を選択が可能だ。またHi-MDでは、CDと同等の音質である非圧縮記録の「リニアPCM」での記録も実現している。

さらにHi-MDは、PCとの親和性を高めており、ファイルシステムにFAT(File Allocation Table)システムを採用することで音楽データ以外のデータの保存が可能となり、リムーバルディスクとして使用することも可能だ。

著作権保護技術には、メモリースティックやNet MDに採用されている「OpenMG」と「MagicGate」を採用し、デジタルコンテンツの不正コピーを防止する対策をとっている。ディスク上の音楽コンテンツには暗号化を施すとともに、SCMS(Serial Copy Management System)にも対応している。

本日(1月8日)都内で行われた発表会に出席したソニーマーケティング(株)代表取締役の宮下次衛氏は、Hi-MDが持つ大きな可能性を強調するとともに、映像関連製品やデジカメへの応用を模索中であることを明らかにした。

Hi-MD対応製品は今年6月より順次発売予定で、現在4製品がラインナップされている。同時発売予定の1GBディスクは700円前後での販売が見込まれている。

以下に発表会にて行われた質疑応答の内容をご紹介する。

Q.世界的に見て、現状ではMDの市場は日本にかたよっているが、Hi-MDの投入により海外での展開はどうなるのか?
A.これまで12年間にわたりMD製品を販売してきました。合計で約8,000万台販売しており、日本が約60%、欧州が約25%、北米が約10%、その他で約5%となっています。今回のHi-MDにより、北米での市場拡大を期待しています。

Q.Hi-MD規格に対する他メーカーの動向は?
A.MDのライセンスを持っているメーカーは80社近くあります。その中で数社が規格採用を検討しているようです。シャープ、ケンウッド、オンキヨーなどが検討に入っているようです。また、JukeBoxソフトメーカーとしてはジャストシステムが検討に入っているようです。

Q.Hi-MDの販売ターゲットは?
A.明確なターゲットはありません。

Q.対応製品の世界展開はいつごろ?
A.アメリカでは現在行われているCESで発表を行い、製品の発売は4月を予定しています。ヨーロッパでは6月の発売を予定しています。

Q.ポータブルオーディオ製品として、MD、CD、フラッシュメモリーの棲み分けは?
A.それぞれに特長があり、ユーザーの必要に応じて使って頂きたいです。Hi-MDは音楽配信との親和性が強く、ブロードバンド時代に合ったものだと思います。

(Phile-web編集部)

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