<TIAS>B&W「804 D5」「805 D5」を前世代と真っ向比較。マランツ「MODEL 10」2台で駆動
本日10月23日(金)から25日(日)まで東京国際フォーラムで開催されているハイエンドオーディオの祭典「2026 東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS2026)」。
ディーアンドエムホールディングスは、ガラス棟5階「G510」と7階「G701」に出展し、デノン、マランツ、Bowers & Wilkins(B&W)、DALI、AudioQuestなどの製品を展示している。本稿では、Hi-FiオーディオをテーマにしたG510の様子をレポートする。
G510の中心となるのは、B&Wの最新スピーカー“800 Series Diamond D5”。初日23日の11時からは「804&805新旧比較試聴」と題し、前世代“800 Series Diamond D4”との比較再生を実施。ブックシェルフ型の「805 D4」と「805 D5」、フロアスタンディング型の「804 D4」と「804 D5」を、同一楽曲・同一ボリューム設定で比較していた。記者もこの回に参加し、新旧モデルの違いを確かめた。
「805 D5」はキャビネットの補強とドライバー支持構造を刷新
最初に比較したのは、ブックシェルフ型の805 D4と805 D5。ピアノ演奏などの音源を使い、再生機器や音量設定を変えずにスピーカーを切り替え、世代間の違いを確認した。
説明では “800シリーズ”の進化も振り返られた。2005年にダイヤモンド・トゥイーターを初採用したスピーカーとして登場し、2010年には磁気回路の強化などを行った“800 Series Diamond”へ更新。2015年の“D3”世代ではケブラー・コーンからコンティニュアム・コーンへと刷新され、“D4”世代ではミッドレンジへのバイオミメティック・サスペンション導入など、ドライバーの動作を支える構造にも改良を重ねてきた。
最新の“D5”世代では、こうした技術に加え、キャビネットの不要振動をさらに抑えることが重要なテーマとなったという。
805 D5は、馬蹄形のキャビネット後部にアルミ製の補強部材を追加し、変形しやすい部分を機械的に強化。さらに、ミッド/バスドライバーを支持する金属フレームをキャビネット内部まで延長し、背面側のアルミプレートに固定する構造を採用した。ドライバーの支持剛性を高め、不要振動の抑制を図っている。
磁気回路にもコンピューター解析を活用し、不要な金属部分を削減。約100gの軽量化とともに、歪みの低減やクリアな再生を追求したという。
聴き比べると、D5ではピアノや弦の立ち上がりがより明瞭に感じられ、音の合間の静けさも含め、楽器の輪郭を追いやすい。高域が強調されたというよりも、演奏を取り巻く響きが整理され、音そのものが浮かび上がってくるような変化が印象に残った。
「804 D5」はミッドレンジの独立チャンバーと台座の制振に注目
後半は、フロア型の804 D4と804 D5を比較。アカペラ音源などで、声の分離や空間表現の違いを聴いた。804 D5もキャビネット後部にアルミ補強を採用するが、特に大きな変更点がミッドレンジ周辺の構造だ。上位の801/802/803が独立したタービン・ヘッドを備えるのに対し、804はミッドレンジをメインキャビネット内に収めている。
D5では、ミッドレンジの背後にアルミ製の独立した内部チャンバーを設置。上位モデルのタービン・ヘッドに通じる考え方を取り入れ、ウーファー側からの影響や不要振動を抑える設計としたという。台座にも改良を施し、コンピューターによるモーダル解析をもとに、特定の周波数で生じる共振を抑える「チューンド・マス・ダンパー」を配置。アルミダイキャスト製の台座にダンピング材や付加質量を組み合わせ、振動対策を図っている。
こうした構造変更に伴い、本体質量もD4から増加。試聴では、複数人の声が重なる場面でも一人ひとりの声を追いやすく、奥行きを含めた空間の描き分けが明確になる印象だった。説明員も、S/N感や情報量、音の抜けの向上を聴きどころとして挙げていた。
また、スピーカーターミナルの配置も変更。従来モデルに寄せられたユーザーの声を反映し、ケーブルを接続しやすいレイアウトへ見直したという。
マランツ「MODEL 10」2台によるコンプリート・バイアンプ構成
スピーカーを駆動したのは、マランツのフラグシップ・プリメインアンプ「MODEL 10」2台。左右それぞれの高域側/低域側を分担する、コンプリート・バイアンプ構成を採用していた。音源ソースには、ネットワークオーディオプレーヤー/プリアンプ「LINK 10n」とSACDプレーヤー「SACD 10」を用意。スピーカーケーブルをはじめ、ケーブル類にはAudioQuest製品を使用した。
アナログ再生には、デノンのレコードプレーヤー「DP-3000NE」と、フェーズメーションのカートリッジ「PP-5000」を投入。ダイヤモンド・カンチレバーで拾った信号を、ダイヤモンド・トゥイーターを備えたB&Wのスピーカーで再生する組み合わせも紹介された。
60周年記念盤『The Reference』の収録音源も披露
デモ終盤には、ともに60周年を迎えるB&Wとステレオサウンド誌が共同制作中のSACD/CDハイブリッド盤『The Reference – Bowers & Wilkins × Stereo Sound 60th Anniversary』も紹介された。
同作は、システムのセッティングに活用できる音源やテスト信号、評論家による選曲、SACD層限定のボーナストラックからなる3部構成。ステレオサウンド誌で活躍する評論家7名が、選曲理由や聴きどころを語る音声コメントもSACD層に収録する。会場では収録予定曲の一部を先行再生しており、新旧スピーカーの比較に加え、記念盤の内容に触れる機会にもなっていた。
一体型Hi-Fiコンポ「MCR 60n」など、身近なシステムも展示
G510では、マランツの一体型Hi-Fiコンポ「MCR 60n」にもスポットを当てている。CD再生とネットワークオーディオ機能をコンパクトな筐体にまとめ、生活空間へ導入しやすいシステムとして紹介。同製品の試聴も、会期中に実施する予定だ。
HDMI入力を備えたプリメインアンプ「MODEL 70」も展示。800 D5シリーズと10シリーズを組み合わせたハイエンドシステムから、コンパクトな構成まで、幅広いHi-Fiオーディオの楽しみ方を提案している。
10月24日(土)には、Bowers & Wilkinsとステレオサウンドの60周年記念特別トークイベントなども予定する。イベントは会期中の各時間で随時開催。新世代スピーカーの音を、さまざまなプログラムで確かめられるブースとなっていた。











































