レコードの探し方や聴き方を基本から解説。「はじめてのアナログプレーヤー」発刊イベント開催!
これからレコードの再生を始めたい方に向けた小冊子「はじめてのアナログプレーヤーvol.2」の発刊記念イベントが、表参道のKEFのMusic Gallery Tokyoにて11月19日に開催された。名古屋のオーディオショップ「オタイオーディオ」とのコラボレーション企画で、レコードの基礎知識を学びながら、お酒とDJも楽しめる新しいスタイルのオーディオイベントとなった。
レコードの取り扱い方を基礎から解説
「はじめてのアナログプレーヤー」(以下はじアナ)は、その名の通りレコード初心者に向けたアナログプレーヤーの選び方やレコードの取り扱い方を解説した無料の小冊子。昨年秋にVol.1を発行したところ、若いレコードファンから大反響を得て、この10月にVol.2を発行。
今回は、小冊子にも紹介しているKEFのアクティブスピーカー「Coda W」とレガのアナログプレーヤー「PLANAR3 RS」を活用しながら、実際にレコードを楽しむために知っておきたいことを実践的に解説する内容となった。
「Coda W」は、Bluetooth接続のほか、アナログRCAやMM対応のフォノ入力を搭載したアクティブスピーカー。さまざまなオーディオ機器との拡張性を持たせたことが大きな特徴で、オタイオーディオの井上揚介さん(以下ようすけさん)は「これめっちゃ売れてます!フォノイコも入ってこの価格はちょっとないですね」と大プッシュする。
イベントの冒頭は、いきなりイベント参加者が買ってきたばかりというサザンオールスターズのデビュー作『SAS』から「いとしのエリー」を再生するという驚きのスタート。「当時買えなかったレコードをやっと手に入れたんです!いい音で聴けたので嬉しいです」と大満足。
持ち込みレコードからスタートするという斬新なプログラムで、ぐっと参加者同志の距離も縮まった。続いてはオーディオファンの「ド定番」とも言える「カンターテ・ドミノ」を再生。教会の響きを生かし切った、アナログ録音ならではの深い音色感に来場者もじっと耳を傾ける。
オタイオーディオでは、これからアナログ再生を始めたい人に向けた「HAKU HTT-1100」というプレーヤーをプロデュースしている。カートリッジ交換や針圧調整など「レコードをより深く楽しむ」ための設定を追い込むことができるもので、中国の工場とも連携しながら作り上げたそう。「はじめて」のアナログファンに向けた井上さんの自信作で、小冊子でもその使いこなしを詳しく解説する。
さらには、「はじアナ」の表紙を飾ってくれたシンガーソングライターの水咲加奈さんが飛び入り参加。水咲さんはYouTubeやSpotifyなどでは音楽をリリースしているが、レコードはまだ発売していない。しかしレコードの音には大変興味があるようで、自宅ではオーディオテクニカのサウンドバーガーを愛用しているとか。イベントではレコードの持ち方から針のおろし方まで、レコードの取り扱いの基本について、来場者と一緒に学びを深めていた。
参加者の関心を一番集めていたのは、意外やアナログ関連アクセサリー。レコードのパチパチ音は静電気が原因となることが多く、レコードの盤面をサッと拭くことで静電気を取り除く「除電ブラシ」や針先クリーナーの紹介には、身を乗り出して話に聞き入っていた。またようすけさんは、「これは中級者向けの内容ですが」と前置きしつつ、振動対策の重要性やターンテーブルシートによって音が変わるメカニズムも熱く解説した。
レコードの買い方・選び方指南
後半は機械の話から離れて、「レコードの買い方」講座。オタイレコードが主催するDJスクールの講師であるMIDORI AOYAMAさんが登場、レコードの「ディグり方」について解説。
Discogのインターネット上の情報から、プロデューサーやエンジニアはもちろん、レコーディングスタジオなどの情報もチェックして、DJプレイに生かしているという。ギニアのアーティストのレコードや、ロスを中心に活躍するカルロス・ニーニョのハウスなど、なかなかオーディオイベントではかからないレコードはとても新鮮。
またDJ同士でレコードを「課題曲」として交換することもあるらしく、そのレコードをどうDJプレイに生かすか研究を重ねるという。「友人から音楽をもらうというのは、DJ冥利に尽きますね」と新しい音楽に出会う楽しみを熱く語ってくれた。
最後は、アルコールと軽食を交えて、ようすけさんとMIDORIさんのDJプレイ。ここでもKEFの「Coda W」に、さらにサブウーファーを追加して、音楽とともに歓談タイム。「レコードプレーヤーを持っていないので、たくさん勉強になった!」「Coda Wの音が気になっていたので聴けてよかった!」「もっとレコードのことを知りたくなった!」と来場者もイベントをたっぷり楽しんでくれた様子。
イベントの最後にようすけさんは、「はじめてのアナログプレーヤーという冊子を出してくれたことが本当に嬉しいです!」とエール。新しいレコードファンの広がりに期待を寄せていた。
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