日本向けに1000組を用意

B&W、“日本のユーザーのために”誕生したプレミアムブックシェルフ「707 Prestige Edition」。ペア33万円

公開日 2025/09/12 16:30 筑井真奈
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ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うイギリス・Bowers & Wilkins(以下B&W)より、日本のオーディオファン向けに誕生したプレミアム・コンパクトブックシェルフスピーカー「707 Prestige Edition」を9月末に発売する。仕上げはサントス・グロス、価格は330,000円(ペア・税込)。日本国内向けに1000組を用意する。

Bowers&Wilkins 2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー「707 Prestige Edition」

2006年に発売となったB&Wのブックシェルフ型スピーカー「CM1」は日本市場でも大ヒットを記録、“コンパクトかつ高性能”な特別な存在としていまも語り継がれている。現在に続く “600シリーズ” “700シリーズ” のブックシェルフモデルの源流とも言える存在であり、現在のB&Wの音質責任者であるスティーブ・ピアース氏が、初めて単独で仕上げたものが「CM1」であったという背景もある。

2006年に発売された、コンパクト&高性能の源流とも言える「CM1」

「707 Prestige Edition」は、B&Wの“コンパクトかつ高性能”の理念を受け継ぐブックシェルフの最新モデルとなる。

改めてB&Wのスピーカーのラインナップを整理すると、上位から800シリーズ/700シリーズ/600シリーズとあり、上位グレードの技術を下位に展開することでラインナップを拡充してきた。既発売の「707 S3」は、中核グレードのなかの一番小さいブックシェル型フスピーカーとなる。

その707 S3をベースに、この「Prestigeモデル」には最新のSignatureラインで得られた知見も盛り込まれている。これまでB&Wの特別なモデルは、トゥイーター・オン・トップのモデルのみが展開されてきたが、今回はトゥイーターをキャビネット内に収めた特別な位置づけのモデルとなっている。

なお、707 Prestige Editionのユニット構成は707 S3と同様で、130mmコンティニュアムコーン バス/ミッドレンジと、25mmデカップリング。カーボンドーム・トゥイーターという組み合わせだ。

ボックスタイプとしては初の特別モデル。キャビネットのサイズや形状は既存モデルと共通だが、より手間のかかった仕上げが施されている

同社のマランツ試聴室にて、説明会と試聴会が開催された。シニアサウンドマネージャーの澤田氏によると、通常モデルとの違いについて、仕上げのほか、トゥイーターのグリルメッシュや、ターミナルに変更が加えられているという。

トゥイーターのグリルメッシュは25%開口率を高めるとともに、グリルの網の目の方向を縦方向とすることで「奥行き方向の再現性を高めています」と解説。またターミナルも、レギュラーモデルは真鍮だが、今作では「702 S3 Signature」などでも採用される、より純度の高いものが使われているという。

「707 Prestige Edition」の背面端子

日本市場で人気の高い深い赤をベースとしたサントス・グロス仕上げ。美しい木目の突板が貼られた高密度なMDFに、12回に及ぶクリアラッカー塗装を施す。通常モデルでは9回に対してより手のかかった仕上げとなっており、「より響きが豊かにきれいになっています」と澤田氏も称賛する。

マランツ試聴室にて、通常モデルの707 S3と707 Prestige Editionの聴き比べを行った。通常モデルの707 S3においても、やはりB&Wの空間再現力や情報量の多さはひときわ光るものがあるが、707 Prestige Editionではさらに、空間すべてを音の粒子で満たすようなリッチな響きを感じさせる。

通常モデルの「707 S3」との聴き比べも実施

特にジャズトリオのピアノ、その精緻さと煌めきの両立には思わずため息が漏れ、ベースの奥行き感や安定感に、音楽のグルーヴが繰り出される生の息吹を感じさせてくれる。フィドル&バンジョーの楽器の質感の生々しさや、アデルの声の抑揚表現なども深く、特別モデルならではの音の練り上げをしっかりと感じさせてくれた。

707 Prestige Editionの年内出荷はおおよそ400台程度を想定しているという。限定生産モデルとなるため、気になる方はぜひ近隣のオーディオショップなどにご相談を。

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