500を超えるブースを設置

【HIGH END】世界最大規模のオーディオショウ、ミュンヘン・ハイエンド本日開幕!

公開日 2025/05/15 21:52 筑井真奈
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ドイツ時間の5月15日(木)朝10時より、世界最大級のオーディオショウ、ミュンヘン・ハイエンドが正式に開幕した。

ミュンヘン・ハイエンドが今年も開幕!

11時からはオープニングのプレスカンファレンスが開催され、主催団体であるハイエンドソサエティのシュテファンさんが挨拶。今年もブースは満室で、全部で501個のブースが用意され、40カ国から503人のジャーナリストが参加。オンラインチケットも22,000人以上が購入したと発表した。

ミュンヘン・ハイエンドを主催するハイエンド・ソサエティの代表シュテファンさん

出展社の内訳を見ると、ドイツからの出展が26%以上を占めてもっとも数が多いが、ついでアジアが19%、そしてアメリカが9%。日本からは19社が出展している。

昨年に引き続き、ヘッドホン・イヤホン再生に特化した「WORLD OF HEADPHONES」を設置。ホール1のほとんどを占めるまでに規模を拡大している。ほかにもスタートアップを応援するエリアや、「音」の重要性が改めてクローズアップされつつある「ゲーミングエリア」も拡大。新しいハイファイファンの獲得に向けた様々な取り組みに力を入れていると強調した。
 
続いて、今年のアンバサダーを担当するノルウェーのシンガーソングライターであるアネッテ・アスクヴィークさんが登壇。彼女の「Liberty」は多くのオーディオショウでも活用されており、その豊かな空気感はオーディオファンの間で評価も高い。今回のイベントでは、スピーカーブランドKiiとコラボレーションを行い、「イマーシブオーディオ」で再ミックスした音楽を体験できるブースも設けられている。
 
今年のアンバサダー、アネッテ・アスクヴィークさん

アネッテさんは「レコード」に対する特別な思いも語ってくれた。今回のショウのために、「Liberty」を含む4曲を収録した45回転のレコードを「ハイエンド・エディション」として作成。「音楽はさまざまなバックボーンを持つ人々を自然に繋ぐことができる素晴らしいものです。音楽のクオリティに関わる人々がこれだけ集まるオーディオショウに参加することができて、とても嬉しく思います」とコメントした。

アネッテさんのレコード販売の特設ブースも

また来年からは、会場がMOCからオーストリア・ウィーンに変更されることが発表されている。MOCはこれまで21年間連続して開催されてきており、「最後のミュンヘン」を惜しむ声も会場で多く聞かれた。カンファレンスには、次回の会場の代表スタッフも登場、「歴史あるショウのバトンを渡されたことを光栄に思います」と展望を語ってくれた。

来年のウィーンの会場スタッフも登場

最後に、アナログレコードの魅力を世界に広げていく「VINYL ALLIANCE」代表のライアンさんが「Z世代におけるレコード需要のあり方」について講演を行なった。

VINYL ALLIANCE代表のライアンさん

1100人以上のZ世代を対象とした彼ら独自の調査によると、「Z世代の25%にレコードの購入経験があり、その中の80%以上がレコードプレーヤーを所有している」という。そしてレコードを購入することが、単にコレクションするためだけではなく、「美的な価値」を持っており、音楽ファンとしてのアイデンティティの確立にも寄与していると説明。

Z世代にとってレコードを買うことが「アイデンティティ」にもつながっている

「Z世代は、もちろんtiktokを最大限活用して音楽を聴いていますが、同時にレコードを買うことはアーティストの応援になると考えています」とフィジカルとデジタルを融合した音楽の楽しみ方について言及。「レコードを買ってきて、袋から出してプレーヤーの上に置き、針をそっと乗せる、その一連の動作があらたな“内面的な儀式”として大切にされています」とレコード再生が持つ「儀式性」が改めて若い世代を惹きつけているのではないか、と分析する。

レコードを通じたコミュニティ形成が今後の課題を表明

今後の課題として、レコードの価格が上がってしまって若い世代が手を出しにくくなってしまっていることも踏まえつつ、「レコードを介した新しいコミュニティづくりが求められてる」とコメント。VINYL ALLIANCEとしても、そういったコミュニティ作りをサポートしていくことを考えていると締めくくた。

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