【HIGH END】YGアコースティクス、1億円超のスピーカー「GEMINI」ワールドプレミアにて発表
本日5月15日(木)より、ドイツ・ミュンヘンで開催されている世界最大規模のオーディオショウ「ミュンヘン・ハイエンド」。ショウレポートの1発目は、アメリカのYG Acoustics(YGアコースティクス)。ペア・88万USドル(日本円にして約1億2000万円)のフラグシップスピーカー「GEMINI」をワールドプレミアでお披露目した。
YGアコースティクスの過去モデルのデザインを踏襲した、優美な曲線を多用した金属キャビネット。仕上げも鏡のように磨き上げられている。高さはなんと2.5m、5ウェイ8スピーカーとなる堂々たる威容である。中央のトゥイーターを挟んで上下対称のデザインに、最下部にはウーファーが設けられている。デザイン面ではトゥイーターのまわりのウェーブガイドに細い線が刻まれているのが美しい。
現在のYGアコースティクスの開発を率いるドクター・マシュー・ウェブスター氏が挨拶。「YGアコースティクスは、テクノロジーとサイエンスの力をもってスピーカー開発を行っているブランドです」と述べながら、「音楽を再生するための機器として、エンジニアリングが消えて、ただ音だけがある、そんなスピーカーを目指しました」と胸を張る。そして「音楽にはシンプルなものも、複雑なものもありますが、音楽の細かいニュアンスを引き出すことで、音楽の情熱を伝えたいと考えています」と言葉を続けた。
本製品の開発には、構想5年、実際に作り始めてから3年の時間をかけたとマシュー氏。クロスオーバーは外部に設計されており、スピーカーの背後に置かれている。大型のサブウーファーくらいのサイズ感である。クロスオーバーは外部だが、スピーカーとしてはワンボックスタイプ(ソナス・ファベールのようにウーファー別筐体ではない)。デモンストレーションでは、AVMのパワーアンプに、シルテックのケーブルで再生が行われた。
“手触り感のあるパーカッションのサウンド”が印象的というのがファーストインプレッションである。立ち上がりの鋭さや切れ味には確かな制動力の高さも感じる。スピーカーとしての存在を過剰に主張するというよりも、ナチュラルで肩肘張らないサウンドだが、一本筋の通った、細身の美女を思わせる佇まいは近年のマシュー博士の音作りの進化系にあることを思わせる。
ちなみに88万USドルという価格は、マジコの「M9」(75万USドル)の価格を意識した設定であろうと推察される。
10月に開催される東京インターナショナルオーディオショウでのお披露目も検討しているとのこと。「GEMINI」、ハイエンド・スピーカー市場に投入された新たなる挑戦である。
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