【HIGH END】JBL、次世代フラグシップ“SUMMITシリーズ”開発意図や特徴を幹部が説明。「計画の続きもあり」
JBLは、現在ドイツにて開催中のミュンヘン・ハイエンドにて、次世代のフラグシップラインとなる “SUMMITシリーズ” を発表。フロア型スピーカーの「SUMMIT Makalu」「SUMMIT Pumori」、それにブックシェルフ型の「SUMMIT Ama」の3モデルをお披露目した。

これまでの数字を用いた型番ではなく、山の名前が製品の正式名称となる。それぞれの型番はいずれもヒマラヤ山脈系に属する山の名前から取られており、Makaluは世界で5番目に高い山の名前となっている。
いずれもJBLスピーカーの象徴的アイコンと言えるコンプレッションドライバーを搭載。さらに、フロア型2機種については、新たに200mm径の「ミッドレンジ」が追加されたことが大きな特徴となる。

トップモデルのMakaluは300mm径ウーファー、Pumoriは250m径ウーファーの搭載となる。またブックシェルフのAmaは200mmウーファーユニットで、専用スタンドも用意される。これまでJBLのフラグシップラインはフロア型のみの展開であったが、今回はじめてブックシェルフ型も用意された。

発表会では、JBLのラグジュアリーオーディオ部門のヴァイス・プレジデントであるデイヴ氏がプレゼンテーションを実施。「80年の技術の成果によるアコースティックなイノベーションを投入した、最新のJBLのラグジュアリーモデルです」とし、SUMMITシリーズという名前については、「高みを求めつづけるJBLの技術への飽くなき挑戦を形にしたものとなります」と明かした。

発表会では、ミュンヘン出身の登山家であるベネディクト・ベーム氏が登壇し、「スピーカー開発」と「登山」の類似性についてコメント。「登山にはフィジカル、メンタル、そしてテクニカルな強さが必要ですが、まさにスピーカー開発にも通じるところがあると思います。恐れることと同時に勇気を持つことも必要ですし、“何を持っていくか” ではなく “何を持っていかないか” ということを決断することも重要です」。搭載技術の詳細な説明はなく、代わりに登山家が登場したことには少々面食らったが、確かに「未踏の地への挑戦」という点は共通しているといえよう。

キャビネットについては、基本の形状は共通で、長方形の角を切り落としたような8角形がベースになっている。角の形状は丸みを帯びた形となっており、艷やかな仕上げで既存モデルと違った柔らかい印象も与える。メインの仕上げはブラックが展示されていたが、木目調のエボニーも用意される。またコンプレッションドライバーの下のところに、それぞれの山の名前を模したアイコンが飾られている

なお、製品開発を率いるジム・ガレット氏によると、「SUMMITシリーズについてはまだ計画の続きがあります」とのこと。80周年に向けた次なる計画についても期待したい。

また、同ブースではマークレビンソンの「600番シリーズ」も初お披露目。ステレオプリアンプの「No.626」、モノラルパワーアンプ「No.631」、そしてステレオパワーアンプ「No.632」の3機種が発表された。「No.626」と「No.632」については、プレスリリースでは “デュアルモノラル” と記載されているが、左右独立構造のアンプであることを強調するためで、実質的な機能はステレオアンプとなる。

いずれも50周年モデルの「ML-50」を彷彿とさせるデザインを採用し、トップパネルの丸い部分は電源をいれると赤く光り、精悍なイメージを抱かせる。こちらについても詳細な技術解説は明かされなかったが、「これまでのオーディオの限界を超える高い性能を実現しました。すべて自社工場で手作業で作られています」とデイヴ氏。
なお、SoundUnitedの買収についてコメントを求めると、「まだお伝えできることはあまりありません」と前置きしつつ、「現時点では、SoundUnitedの買収にまつわる手続きに着手した、という段階で、これから細かい調整を詰めていくところです。これから各国の状況も踏まえて整理していくことになります。たとえば独占禁止法などに引っかかる、といったこともありえますので、破談になる可能性がないわけではありません。ぜひ温かく見守ってください」とのこと。
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