「MQAが業界の利益に貢献し続けることを保証する機会」

BLUESOUNDの親会社Lenbrook、MQAを買収

公開日 2023/09/20 17:36 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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BLUESOUNDやNAD等を展開するカナダの企業Lenbrook社は、ハイレゾオーディオのエンコード技術で知られるMQA社の買収を発表した。

Lenbrook社、MQAを買収

MQAは“ハイレゾ折り紙”とも呼ばれ、データ容量の大きいハイレゾ音源を折りたたんで小さいサイズとする特許技術。TIDALのハイレゾストリーミングに採用されているほか、日本ではダウンロード販売、またCD規格内にハイレゾ音源を収める「MQA-CD」として多くの音源が発売されている。2022年11月にはMQAの技術を応用したBluetoothのコーデック「SCL6」(市場向け名称としては「MQAir」)も発表している。

しかし、2023年4月に海外メディアにてMQAの経営破綻が報じられ、今後の行方に注目が寄せられていた。

今回の買収では、MQAのライセンス責任者であるアンディ・ダウウェル氏を含むエンジニア、開発者、セールス、マーケティング等の中核チームを引き続き維持して事業継続を行うと発表されている。

本買収についてLenbrook社のCEOであるゴードン・シモンズ氏は「Lenbrook社のビジョンは、消費者の選択と最高音質の追求の両方を促進する技術に投資し、HiFi業界をさらに繁栄させることにあります。今回の買収によって、MQAの科学者やエンジニアによって開発された技術が、特定のブランドや企業に限定されることなく、業界の利益に貢献し続けることを保証する機会だと考えています」と述べている。

またグラミー賞を受賞したプロデューサー/レコーディングエンジニアのジョージ・マッセンバーグ氏もこれを受けて「MQAとSCL6はLenbrook社のもとで今後も継続されていくことに安堵しています。ディテールや複雑さ、サウンドステージを忠実に再現するMQAのテクノロジーは、私たちがレコーディングスタジオに戻り、この20年の間に低下してしまったオーディオ伝送のクオリティをふたたび取り戻すことができる理由を与えてくれました」とコメントを寄せている。

2Lのマスターエンジニアであるモーテン・リンドバーグ氏もまた「MQAがLenbrook社に引き継がれることを嬉しく思います」「2Lレーベルにとっては、MQAを使用することは、単に生のデータをそのままキャプチャできることを超えて、音楽の細部にアクセスし、透明度を高め、聴き疲れをなくすといった、私たちのレコーディングの経験をさらに高めることができたのです」とコメントしている。

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