「宮司式MEMSカートリッジ」4/1より受注開始

世界初のMEMSマイク搭載アナログカートリッジ。「レコード盤に刻まれた音を拾いそのまま取り出せる」

公開日 2022/03/29 16:35 編集部:松永達矢
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沢田工業株式会社は、MEMSマイクを用いたカートリッジ「宮司式MEMSカートリッジ」の受注生産の予約受付を4月1日(金)より開始する。価格は550,000円(税込)。

「宮司式MEMSカートリッジ」

搭載されたMEMSマイクでレコード針が音溝をこする音を拾い、レコード盤に刻まれた音をそのまま取り出すという特許技術を用いた「世界初」を謳うレコードカートリッジ。受注生産の予約申込みはウェブサイト上の「お問合せフォーム」から受け付けるとのこと。

浜松市所在の「38空間」の宮司正之氏が発明した3つの特許(出願中を含む)を活用。ピックアップに極少の高感度コンデンサー型マイクを使用しており、カンチレバーの振動を左右の音導管に導いて、その音圧をマイクで捉え出力電圧250mVの音声信号に変換する。

MEMSマイクでレコード針が音溝をこする音を拾う

内部図解

フォノアンプを通さずにダイレクトにライン入力へ送ることで、「レコード盤に刻まれた音をそのまま音として取り出す」ことができ、従来のカートリッジと比較して、原音に忠実で臨場感のある音を表現できると説明している。

なお、本機に搭載されるMEMSマイクはコンデンサー型マイクのため、給電用の専用のヘッドアンプを用いて駆動を行なう。

専用のヘッドアンプを用いて駆動を行なう

「宮司式MEMSカートリッジ」は、特許技術の発明から部品の製造、製品化にいたるまで、発売元となる沢田工業をはじめ、静岡県浜松市に在る中小企業の連携による「MADE IN HAMAMATSU」であることアピール。カートリッジの組み立て・検査、カートリッジ本体に使用される黒檀の精密切削加工、アンプベースのピアノ鏡面仕上げを、それぞれ浜松市に所在する3社にて分担している。

セット内容

開発は、本業が庭師でオーディオが趣味であったという宮司正之氏が蓄音機にマイクを張り付けたような構造のものから研究をスタートし、5年間ほど試行錯誤を繰り返す中、独学で3Dプリンタを学び、カートリッジのハウジングを設計。スマートフォンのMEMSマイクを使って試作品を作っては試聴を実施。船の中で連絡に使われていたパイプ(音導管)から着想を経て3Dプリンタの精密な成形技術で音導管を設計し、特許取得へ漕ぎ着けたという。

周波数特性は12Hz - 35kHz、出力電圧は250mV(1kHz)、出力インピーダンスは350Ω、チャンネルセパレーションは25dB(1kHz)、針先形状はソリッド・ダイヤモンド/ラインコンタクト、カンチレバーはφ0.28mmボロンを採用する。針圧は1.5g。外形寸法は17W×14H×29Dmm、質量は10g。

また発売を記念して、同社では本製品のモニターを抽選で3名募集。ウェブページの応募フォームへ必要事項を記入することで申し込み可能となっている。なお、応募に際してモニター期間中の使用感や感想などのレポート(200 - 400字程度)の提出が別途必要となる。応募期間は4月1日から6月30日17時まで。

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