創立70周年記念、2000万円超の弩級モデル

NAGRA、初アナログプレーヤー「REFERENCE ANNIVERSARY TURNTABLE」。全世界70台限定

公開日 2022/01/26 11:38 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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太陽インターナショナルが取り扱うスイス・NAGRAは、2021年に創立70周年を迎えたことを記念し、初のレコードプレーヤーシステム「REFERENCE ANNIVERSARY TURNTABLE」を発売する。全世界70台限定で、国内販売価格は22,990,000円(税込)。

NAGRA「REFERENCE ANNIVERSARY TURNTABLE」

モータードライブには、スイス製の高精度デカップルドブラシレスDCモーターを2基搭載。それらを180度対向させて配置することで、プラッターの回転速度安定性を高め、トルクと速度の両方の精度が最適化されるという。

ターンテーブルの絶対速度キャリブレーションには高度な技術を応用したとのこと。高精度のクォーツによってリファレンススピードと比較し、その偏差を修正することで正確にキャリブレーションされるという。約20秒のサイクルで実行され、フロントコントロールパネルに搭載される「ナグラ モジュロメーター」によってキャリブレーションとピッチ制御を読み取ることができるという。

フロントに搭載される「ナグラ モジュロメーター」

円形のベルトは、NAGRAのテープレコーダー「IV-S」からインスピレーションを受けたもので、ベルト組成の化学分析を行い忠実に再現したとしている。

テープレコーダーからインスパイアされた円形のベルト

プラッターは、22mm厚のメタクリレート製の透明プラッターと、外周部に取り付けられた円筒状の金属のリムで構成される。リムの素材には、高密度で高いダンピング特性を持つ特殊合金ExiumAMを採用。プラッターの自重は6.5kgとなる。また、スイスの高級時計から着想を得て、スケルトン時計のようにモータードライブシステムが見えるようになっている。

プラッターの構成。スケルトン時計のように中が見えるようになっている

プラッターの下にはサブプラッターとシャフト/ベアリングシステムを配置。サブプラッターは高強度アルミニウムから機械加工されたもので、上部は共振を隔離するフェノール中間層で覆われ、真鍮製のアダプターを介してシャフト/ベアリングシステムへと伝達される。またディスクスタビライザーには純銅を採用する。

ディスクスタビライザーは純銅製

シャーシは、航空機グレードのアルミニウムでフェノールの大型プレートを挟み込む3層構造となっており、低共振と高剛性を実現。さらに、HD PREAMPとHD DAC Xで搭載された構造を取り入れた独自のサスペンションシステムを構築しているという。

シャーシはアルミニウムとフェノールの3層構造

電源部にはスーパーキャップを多用することで、バッテリー電源より高速に充電でき、高い電流負荷とサイクル安定性を提供するとのこと。

別筐体の電源部を持つ

トーンアームは10.5インチ長のシェル一体型を採用。パイプ部の中間層に木質系の部材を入れ、カーボンファイバーを二重にして剛性と防振性を高めているという。このトーンアーム部を含む、アナログプレーヤーを構成するすべてのコンポーネントは、最高水準の精度でスイス国内において製造されているという。

トーンアームも自社で設計

ターンテーブル部のサイズは662W×267 - 281H×452Dmm、電源部は438W×121 - 130H×414Dmm、質量は80kg。

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