主催店代表にインタビュー

「参加者全員が楽しくなる」イベント、『第9回新潟オーディオ&シアターショウ』レポート

公開日 2019/05/14 12:27 オーディオ編集部
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新潟市にあるオーディオ&シアターショップ「フォーミュージック」が主催する恒例のイベント『第9回新潟オーディオ & シアターショウ』が、ゴールデンウィークの前半となる4月27、28日に開催された。

会場になった朱鷺メッセ

会場は新潟市の朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター。本会場は信濃川の河口に隣接する施設で、ガラスが多用された素晴らしい施設である。

受付の様子でも分かるように、会場内は外光がたくさん入り込み、明るい雰囲気に包まれている

この会議棟3Fフロアのホワイエと会議室のA〜Gまでの7ルームを使用し、本イベントは開催された。各ルームは天井が高いのが特徴であり、出展社の共同ブースとなり、スケジュールが決められ、順繰りで試聴デモンストレーションが行われる形式である。

エスカレータ―で3階に上がると各ブランドのフラッグがずらりと並ぶ

そこでは出展したメーカー、商社による国内外のオーディオ/ビジュアルブランドの主力級モデルが数多く持ち込まれ、なかなか体験できないハイエンドシステムを含め多彩なデモが行われていた。

エソテリックでは、フラッグシップGrandiosoシリーズ注目のセパレートプレーヤー「Grandioso P1X/D1X」を核にラインナップ。タンノイのプレステージシリーズの最高峰である「Westminster Royal」も用意された

スペックでは、注目の弩級セパラートパワーアンプ「RPA-MG1」のデモを行い、大いに注目を浴びていた。独自の「ピュアダイレクト接続」も分かりやすく解説され、多くの人が関心を示していた

今回はさらに出展ブランドが増え、オーディオと音楽を楽しめるように工夫を行い、より幅広い層に向けたイベントを目指した。

ホワイエでは、レコードの販売も行われており、人気を博していた。また、ハンル、クラウディオ、カーマスオーディオといった話題のレコードクリーニングマシンも揃い、実演を行っていた

初日は、生憎の冷たい雨が降り続けていたが、熱心な方が多く訪れ、さまざまなオーディオ機器やホームシアター機器で音楽や映像をじっくりと満喫していたのが印象的であった。また2日目は天気が回復し、晴天に恵まれたこともあり、多くのファンが訪れ、盛況のうちにショウは終了した。

フォーミュージックはオーディオルーム、ホームシアターの施工も数多く手がけており、その施工例を紹介すると共に、推薦する日本音響エンジニアリングの調音材やクリエーションバウマンの吸音カーテンの展示も行われていた

推奨する日本音響エンジニアリングの調音材やクリエーションバウマンの吸音カーテンの展示も行われていた

本イベントはオーディオばかりではなく、ホームシアター専用の部屋も用意されているのが大きな特徴。さらに今回はヘッドフォンやコンパクトなオーディオシステムのよる試聴コーナーを充実させたほか、レコードクリーニングコーナー、多数のレコードの販売なども行われ、まさに1日中じっくり時間をかけ、さまざまなオーディオとホームシアターの楽しみを堪能できるイベントとなっていた。

シアタールームはディーアンドエムとJVC、ナスペック、キクチ科学が共同ブースを構成。最新のJVCのハイエンドプロジェクターの解説デモやナスペックが輸入を始めたストームオーディオのAuro-3Dなどのマルチチャネルのデモを連続で行い、常時多くのファンが関心を持って参加していた

開催1日目の夕方、フォーミュージック代表である関本祥一朗氏に今回の方向性などを聞いた。

会場内でのフォーミュージック代表である関本祥一朗氏

関本氏:昨年と比べ、出展社は3社増え、6ブランドほど増えています。今回のコンセプトとしては、ハード機器はもちろんなのですが、音楽を聴くことは楽しいことなので、オーディオと音楽を楽しむということを前提にイメージしました。また、今回2人の講師の方に来ていただきましたが、参加してくださった方が“楽しく、いい時間だったな”と言ってもらえる試聴会の開催してもらうようにお願いをしました。

最近は、こんな景気状況もありますので、どうしても売っていくことがメインになってきて、フェアもそれを前提とした進め方になってしまい、オーディオを楽しむことを忘れてしまっているような気がするのです。楽しいから欲しくなる。そういう流れにしていきたいと思っています。皆さん笑顔で参加してくださって、どんどん質問したり……。それが、さらに年を追うごとに濃くなっていくことを目指しています。

フォーミュージックでは、オーディオルームやシアタールームも設計し作っていますが、部屋の施工件数は結構動いています。さらに元々お持ちだったオーディオシステムを進化・成長させるとか、最終的にはルームチューニングきっちり施すことも重要です。それをやられる方も多いのです。どちらかというと、若い方より、仕事をリタイアされた方のほうが楽しみを探しています。無趣味だから趣味を探すために来てみたとか。日々楽しみたいという意識が高いのは、やはりリタイアされた方が多いですね。

また、各々の意識で何をもってハイエンドというのかは分からないので、コンパクトシステムとか、ヘッドフォンとかの音楽を聴く入口の紹介はこれからも続けていきたいと思っています。来年の会は、さらに新しい考えもありますので、着実に形にしていきたいと考えています。皆さん素晴らしい環境でじっくりと聴いて観て楽しんでいいますよね。

ディアック、ダボンなどによるカジュアルなシステム提案は新しい企画である

ヘッドホンコーナーは昨年より充実し、実際に体験をする方が多くみられた

自分なりのイメージで、こうであったらいいのではないのかとか、来て下さるお客様は、行って帰ってくるまで、どういう経験をするのかな? とかをよく考えています。オーディオって楽しいな、こういう趣味を一生やっていきたいな、と思って頂けるように自分なりにイメージしてフェアを運営しています。

そして、「最終的にはお客様だけでなく、携わるメーカー、商社、営業マン、そして僕ら社員も含めてみんなが楽しくないといけないと思っています。関わる人が楽しくないと、本物の楽しみは伝えられないですから。形だけでなく、本当に心から楽しくできるような、文化的な意味合いも含めてさらに深掘りしていきたいと思っています」と、強い意気込みも語ってくれた。

今回、本ショウに参加した方は、多くの機器を存分にも楽しみながら真剣に音楽や映像に向き合っている方が多かったのが印象的だった。

すでに定番となった日本音響エンジニアリングの調音材の展示とデモも行われた

会期中4回開催された、傅 信幸氏による講演は立ち見が出るほどの盛況ぶりであった

今後も新潟ショウはオーディオやホームシアターのファンを一人でも増やすための重要なイベントとなっていくことだろう。

以下、イベントの模様をフォトレポートでお伝えする。

ラックスマンは、「Grande Utopia EM Evo」などFOCALのラインアップの試聴をメインにデモンストレーション。新しい高級プリアンプ「CL-1000」も注目の的となっていた

フェーズメーションは話題のパッシブアッテネーター「CM-2000」とプリアンプの聴き比べなどの試聴会を開催。アナログレコードファンが熱心に試聴を行っていた


リン/フューレンコーディネートでは、リンの「KATALYST」のやアナログレコードのデモやピエガの話題のニューモデル「Master Line Source3」も持ち込みイベントを開催

ステラ/ゼファンではウイルソンオーディオ、ヴィヴィッドオーディオ、マーテンのハイエンドスピーカーとコンステレーションオーディオ、CHプレシジョンを組み合わせてシステ構築し、テクダスによるアナログレコード再生によるデモンストレーションを展開


アクシスはルーメンホワイトのスピーカーとFMアコースティックを核にしてデモ。新しく取り扱いを始めたGRANDINOTEのプリメインアンプ「SHINAI」もデモされていた

エレクトリでは話題の「A3」をはじめとしたマジコのスピーカーとのマッキントッシュの組み合わせで試聴会を開催


アッカと太陽インターナショナルは共同し、dCSとクレルによるYG ACOUSTICSのスピーカーで試聴会を開催

ディーアンドエムホールディングスはB&Wのスピーカーを核にしてデモ。「Prestige Edition」が注目を浴びていた


ナスペックはロクサンやプレイバッグデザインとモニターオーディオのスピーカー群の組み合わせを中心にデモ

ハーマンインターナショナルは、JBLの人気モデル「L100 Classic」、マークレビンソンのモデルに加え、REVELのスピーカーもデモンストレーションしていた


トライオードは真空管アンプとスペンドールのスピーカーを組み合わせ、カクテルオーディオによるMQA-CDソースによるデモを開催

TADでは昨年発売された「TAD-E1TX」と人気のブックシェルフスピーカー「TAD-ME1」を核にしてデモンストレーションを行った


アキュフェーズは最上位モデルも含め、セパレートアンプ・システムと、プリメインアンプを核としたシステムのデモを行い、多くのファンが試聴をしていた。また過去の修理パーツも展示され、メンテナンス対応の充実度もアピール


DSオーディオは、完実電気と共同し、電源システムをも含めたPSオーディオシステムでデモ。光電式カートリッジの解説・デモに加え、アナログレコードのカートッジやレガなどのターンテーブルの比較試聴も行われた


ノアは話題のソナス・ファベールの「AIDAU」と「ELECTA AMATOR III」をSOULUTIONのアンプでドライブ。アナログレコード再生によるデモンストレーションも人気を呼んでいた

キソアコースティックは最新の注目スピーカー「HB-N1」の展示とデモを行った


CSポートはフルシステムを持ち込み、レコードの魅力を伝える試聴会を開催。すでに大きな人気を呼んでいるレコード除電器「IME1」も使用しながらのデモとなった

ホワイエでは、DELAとスペックのシステムの展示とデモも行われていた

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