フラグシップ「Grandioso」から。来年1月発売

<TIAS>エソテリック、独自ディスクリートDAC採用「D1X」と新ドライブメカ搭載SACDトラポ「P1X」

2018/11/16 編集部:小澤貴信
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本日16日より開幕した東京インターナショナルオーディオショウ 2018(TIAS 2018)。エソテリックは新しいフラグシップとして、自社開発のディスクリートDACを採用したD/Aコンバーター「Grandioso D1X」と、新開発ドライブメカ“VRDS-ATLAS”を搭載したSACDトランスポート「Grandioso P1X」を参考出展した。いずれのモデルも発売時期は2019年1月を予定している。価格は現時点で未定。

「Grandioso D1X」(左)と「Grandioso P1X」(右)

同社は先日、公式Facebookページにティザーを公開(関連ニュース)、「TWO REVOLUTIONS」として2つの大きな発表があることを示唆していた。この“2つの革命”が示唆していたのが、独自ディスクリートDACを搭載したD1Xと、新たな最高峰ドライブメカを搭載したP1Xということになる。

「Grandioso D1X」は、L/Rを別筐体としたモノブロック・2筐体構成のD/Aコンバーター。ESOTERICが初めて自社設計した完全ディスクリートDAC回路「ESOTERIC Master Sound Discrete DAC」を搭載することが最大の特徴だ。

「Grandioso D1X」

従来のGrandioso D1は旭化成製のDACチップを用いて36bit相当の処理を行っていた。D1Xに搭載されたディスクリートDACは、64bit相当の高速処理を実現。ΔΣモジュレーターを含めて全パートを完全自社設計している。1筐体に1ch分が収められているDAC基板は、1ch分でA4サイズにも及ぶ大型のもの。完全ディスクリートということで部品も高精度品を厳選。自社工場で組み上げるため、組み立て精度も追い込むことができるという。

また、フラグシップ・プリアンプ「Grandioso C1」と同等にアップグレードされたという出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を採用する。最新型のGrandioso専用カスタムVCXOクロックも搭載する。

さらに、第5世代の独自デジタル伝送方式「ES-LINK5」を搭載。HDMI接続によって、最大で22.5MHz DSDおよび768kHz/48bit PCMのデジタル伝送を行える。USB入力も搭載しており、こちらは22.5MHz DSDおよび768kHz/32bitのアシンクロナス伝送に対応する。またMQAデコーダーも搭載する。

入出力端子はES-LINK×2、USBに加えて、XLRデジタル×1(デュアル/シングル)、同軸デジタル×2、光デジタル×1を搭載する。アナログ出力は、独自の電流伝送「ES-LINK Analog」にも対応。

電源部も強化。電源レギュレーターをディスクリート回路で設計し、電源安定化のためのフィードバック量を最小限とすることで、開放感溢れるサウンドを実現するという新たな電源回路設計技術「ローフィードバック・DCパワーレギュレーター」を搭載。また、大容量トロイダルトランスを2基備える。シャーシも新規設計された。

SACDトランスポート「Grandioso P1X」もやはり2筐体構成で、メインユニットと電源ユニットで構成される。新開発の独自ドライブメカ「VRDS-ATLAS」を初搭載したことが大きな特徴だ。

「Grandioso P1X」

VRDS-ATLASは、基本構造は従来の「VMK-3.5-20S」をベースとしつつ、振動対策を徹底するべく新規で設計が行われた。ドライブのサイドパネルとブリッジにはSS400スチールを用い、サイズや形状も変更して大幅に剛性を強化。ドライブシャーシは従来のスチールプレス製からアルミ削り出しへと変更された。結果、重量は従来の5.2kgから6.6kgへと約27%アップした。

「VRDS-ATLAS」

構成パーツも展示されていた

制振性を向上させるため、スピンドルモーターも従来のトレイ上の配置から、トレイ下へのカップリングに変更。これにより慣性モーメントをさらに小さくすることができた。トレイの開閉部もさらに改良しており、さらに静粛で厳格な開閉動作、加えてクローズ時の制振性の向上も実現した。

本機もES-LINK5に対応しており、D1Xとの間で超広帯域デジタル伝送を行うことができる。またローフィードバック・DCパワーレギュレーターも採用。さらに大容量トロイダルトランスを4基備える。

デジタル出力はES-LINK×2、USBに加えて、XLRデジタル×2(デュアル/シングル)、同軸デジタル×1を搭載する。

本機にも最新型のGrandioso専用カスタムVCXOクロックを搭載。シャーシコンストラクションも刷新している。

なおいずれのモデルも、発売までに仕様などの変更の可能性があるとのことだ。

ESOTERICが超弩級のフラグシップで、完全自社開発のディスクリートDACを実現したインパクトは大きい。また、このタイミングで最高峰ドライブメカを開発したことにも注目が集まるはずだ。今回は展示のみによる披露となったが、続報に期待したい。

C1とM1をGlandiosoで接続するES-LINKのデモも

同ブースでは、ESOTERIC独自の電流伝送によるアナログオーディオ伝送規格「ES-LINK」で、プリアンプ「Glandioso C1」とモノラル・パワーアンプ「Glandioso M1」を伝送するデモも行われていた。

現時点でC1、M1共にES-LINK Analogには対応しておらず、オプションボードの追加にも対応していない。アンプで対応するのは現状でプリメインのみだが、今回は旗艦セパレートアンプのプリ − パワー間の伝送をES-LINK Analogで行うことで、その有効性をアピールするという。なお、C1とM1のES-LINK Analog対応の時期などは現時点で未定だという。

ES-LINKで「Glandioso C1」と「Glandioso M1」の間を伝送するデモも実施

エソテリックのブースでは、同社の旗艦シリーズ「Grandioso」をはじめ、一体型SACDプレーヤー「Kシリーズ」、プリメインアンプ「Fシリーズ」など同社製品が勢揃いした。また、同社が取り扱うTANNOY、avantgardeのスピーカーが組み合わせてデモンストレーションが行われていた。

ESOTERICのコンポーネントが勢揃いしていた

エソテリックのブース

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