記者発表会を実施

OTOTEN 2017 概要発表。「リスニングジャーニー」表現、OTOTEN大使にT-SQUAREなど

2017/02/21 編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
本日21日、一般社団法人日本オーディオ協会は、5月13日・14日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催される「OTOTEN AUDIO・VISUAL FESTIVAL 2017」の記者発表会を行った。

OTOTEN 2014のキービジュアル

これまでの「オーディオ・ホームシアター展(音展)」を「OTOTEN AUDIO・VISUAL FESTIVAL 2017」へとリニューアル。会場を東京・有楽町の東京国際フォーラム(ガラス棟4F〜7F、B1Fロビー、ホール5)へと移して開催されることも既報の通りだ。開催日時は13日(土)が10:00〜19:00、14日(日)が10:00〜17:00となる。入場は無料。

日本オーディオ協会 校條亮治会長

出展社数は本日時点で82社・団体(前回実績91社・団体)。目標来場者数は20,000人/2日間合計(前回実績19,300人/3日間合計)を目指す。ロゴも刷新され、今回のメインビジュアルも改めて発表された。

開催テーマは「自分好みのリスニングスタイルとの出会い」。リスニングスタイルや音楽ソースが多様化する中で、マニアはもちろん、普通に音楽を楽しむ方々が自分にフィットしたリスニングスタイルに出会える場を提供することを目指すという。

「自分好みのリスニングスタイルとの出会い」がテーマ

具体的にはストリーミングやハイレゾ配信サービスに焦点を当てた体験の場を強化し、スマートフォンからカーオーディオ、据え置きオーディオに至るまでの全ての製品を一堂に展示していく。また、わかりやすい展示カテゴリー構成とゾーニングを構築して、コンシェルジュセンターの設置など、来場者と出展社のマッチングを強化していくという。

校條会長は新しいOTOTENを「市場創造型の展示会にする」と抱負をコメント。従来のマニア層に加えて、音楽を楽しむ一般層、特に若者や女性をイベントに呼び込むための仕掛けを多数設けて、ユーザーが自分に合ったリスニングスタイルと出会うことができる「顧客参加型リスニングジャーニー」を実現していくとした。

こうしたコンセプトを踏まえたキャッチコピーとして「スマホ、カー/ホームオーディオ、ハイレゾも大集合!」「音楽ファン大集合 “アニソン、ジャズ、クラシックのライブもあるよ”」を掲げる。ミュージシャンや音楽ソフト分野とも積極的にコラボを行っていく。

その代表例となるのが初の試みとなる「OTOTEN大使」。伊東たけし(T-SQUARE)、大橋祐子トリオ、MAYA、村上紗由理、Mia REGINA、SCREEN mode、堀沙也香(敬称略)をOTOTEN大使に任命して、OTOTEN内で各種イベントやライブを行っていく。ちなみにMia REGINAとSCREEN modeはランティスに所属するアーティストで、アニソンにも力を入れていくという。

OTOTEN大使を務めるアーティストによるライブイベントも実施

会場を移して展示・イベント内容を一新することで、既存の来場者のコアであるマニア層も維持しつつ、若年層・女性層を重点的に、幅広く顧客層の開拓を推進していく。具体的には「20代〜40代で日常生活の中で普通に音楽を聴かれる方」を特に狙って集客を行っていくという。

従来のマニア層に加えて、新規顧客の開拓を目指す

会場の構成についても紹介された。まず、東京国際フォーラムのB1Fフロアに特設会場を用意。合計700平米にもなるB1Fフロアの有楽町駅側のスペースには、音楽配信紹介ブースおよび総合インフォメーション、コンシェルジュカウンターを配置。東京駅側には、ハイレゾ対応カーオーディオを搭載した自動車8台を展示するコーナーを設ける。

こちらはB1Fフロアの有楽町駅側のイメージ。音楽配信関連の展示を行う予定

東京駅側には、ハイレゾ対応カーオーディオを一堂に集結させる

ガラス棟の全スペース(4〜7階)も会場となる。4階は、ヘッドホンをはじめとするポータブルオーディオ、ハイレゾ対応ミニコンポ、ポータブルスピーカーを扱う企業の出展スペース。試聴メインというよりはドアを開放して、ライトユーザーも入りやすいスペースを展開していくという。

5階はオーディオおよびAV/ホームシアターを展示・デモするブースを展開。6階はハイエンドオーディオがメイン。数々のイベントが行われる「音のサロン」の部屋も6階に用意される。

7階にはオーディオ専門誌や出展社によるセミナーが行われる試聴スペースを用意。ラウンジではミュージックバードの公開収録なども行われる。

ガラス棟の向かいのD棟のホールでは、基調講演やOTOTEN大使によるイベント、各種セミナーなどが行われる。D棟の各部屋ではNHKの8Kデモなど、出展社の展示やデモが実施される。

OTOTEN 2017の概要について説明を行った日本オーディオ協会 事務局次長 土橋裕氏

5月13日に行われる基調講演では、音楽ストリーミングサービス「Spotify」を運営するスポティファイジャパン(株)の代表取締役社長 玉木一郎氏が「ストリーミングで広がる、オーディオの新たな可能性」をテーマに講演を行う。

また同じく13日には協会セミナーとして、パネルディスカッション「ストリーミングってなんだ!」が行われる。

前述のように協賛する専門誌によるセミナー、人気オーディオ評論家らが注目製品や音源など集めて試聴イベントを行う「音のサロン」も実施される。

専門誌によるセミナーイベントも開催

今回も「音のサロン」を実施。人気オーディオ評論家によるイベントも多数行われる

なお、公式ホームページは明日22日より公開される予定だ。

OTOTENを“市場創造型”の展示会にする

記者発表会の冒頭では、日本オーディオ協会の会長を務める校條亮治氏が挨拶。今回のOTOTENのコンセプトについて説明した。

OTOTENの新コンセプトについて説明を行う校條氏

校條氏はまず昨年のオーディオ業界の市場動向に言及。据え置きオーディオについては堅調に動いてはいるものの、昨年の一時期の落ち込みをなかなか埋め合わせられない状況と説明した。その一方で、ヘッドホンやイヤホンなどポータブルオーディオの市場は順調に成長しており、JEITAによる市場調査では前年比107.8%を記録したと紹介した。

市場動向を分析。ハイレゾやポータブルカテゴリーが大きく成長

カーオーディオについては、自動車メーカーが市場最高益を記録したことに後押しされて復調傾向にあるものの、CDメディアによるシステムは転換期を迎えていると分析した。テレビについては、2016年は台数が前年92.7%と前年割れしたものの、4Kテレビの構成比は大きく伸び大画面化も加速しているという。

オーディオ協会によるハイレゾロゴの取り組みについても報告。正会員参加企業が3.1倍に増加し、関連会員や非会員の使用も含めると合計で120社がハイレゾロゴを使用していると述べた。

ハイレゾロゴの普及も進んでいる

こうしたAV/オーディオ市場の動向を分析しつつ、国内の経済状況に言及。15歳〜64歳の生産年齢が大きく減りつつある中で、国内のオーディオ市場規模は、イノベーションを起こさない限り、このまま大きく減少していくと懸念を示した。

人口減少の実体を紹介しつつ、オーディオのおけるイノベーションの必要性を説いた

こうした状況を受けて、新たに刷新されたOTOTENは「市場創造のできる顧客接点の場に変革していく」と表明。前述のように「市場創造型の展示会」を目指すとした。また、アーティストとコンテンツ、そしてハードの3点のコラボレーションさせる「今までにないOTOTEN」になると成功への自信をアピールしていた。

生産人口から見たオーディオ市場予測を示した

OTOTENを市場創造型展示会にすることをアピール

また、従来の秋開催から春開催に変更になったことについても言及。「2008年まではオーディオ市場は秋商戦より春商戦のほうが規模が大きかった。それが秋に一本化される流れになってからは、それまでの春・秋の規模を足したものより小さくなってしまった」とコメント。5月のOTOTEN開催によって、春のオーディオ商戦も改めて盛り上げていきたいとした。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック