“PCOCCを超える音響特性”目指した新銅素材「PC-Triple C」、FCMが開発

2014/01/22 ファイル・ウェブ編集部
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FCM(株)は、独自の連続鍛造伸延方法によるオーディオケーブル用銅素材「PC-Triple C(ピーシー トリプルシー)」を開発したことを発表した。同社では、本素材が2013年3月に製造・販売中止が決まったPCOCC(関連ニュース)の代わりとなる新素材になり得ると期待している。

「PC-Triple C」は「Pure Copper-Continuous Crystal Constructions(連結結晶高純度無酸素銅)」の略。PCOCCを超える導通特性と音響特性の実現を目指して開発したという。FCMは古河電工グループに属しており、古河電工で製造したPCOCCの一次加工を行っていた実績があるという。

「PC-Triple C」は、高純度銅素材であるOFCを鍛造製法にて製造するものとのこと。屈曲性や強度が高いこと、結晶粒界の不純物が極小のため微小信号まで伝送が可能なこと、極細線までの伸線が可能な点を特徴としている。

単結晶素材ではない点をカバーすべく、一定角度/方向で70%まで小圧力で数万回連続鍛造(定角連続移送鍛造法)することにより、結晶同士がつながり連続化。これにより導通特性や音響特性を向上させたという。

さらに、定角連続移送鍛造法処理されたPC-Triple Cをケーブル細線に伸延加工したあと、使用される導体の太さ(Sq)により、それぞれ特定の温度/時間管理により焼鈍を実施。銅結晶同士を癒着させ、連続した結晶にするという。

純度は>99.996%、導電力(EC)は101.5 IACS%、抗張力(TS)は250MPa、伸び(E)は35%。

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