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【読者レポート】マクセル“Vraison”がPCに音楽ツールとしての命を吹き込んだ!

2007年11月21日
「季刊・オーディオアクセサリー」誌との連動企画
本レポートはオーディオアクセサリー127号(11/21発売)にも掲載中!


CD派でもダウンロード派でも、PCに音楽を録りためている方は多いことだろう。ただ、もっと良い音で聴けないものだろうか、と切実な問題を抱えながら音楽はたまっていく一方…、そんな現状なのではないだろうか。圧縮された音声を高音質で聴かせてくれる、マクセル“Vraison(ヴレソン)”のヘッドホンは、そんな悩みから解放してくれる救世主。実際に使ってみた方のモニターレポートを今回もお届けする。

■ ヴレソンのヘッドホンとは
PCの圧縮音源がSACD並みの音質に!

PCに音楽ライブラリーを作ることが一般的になってきたが、音にこだわる方ほどPCで音楽を聴くことに抵抗感を抱いてはいないだろうか。PCに録る時はデジタル圧縮する場合が多いだろうから、どうしても情報量(高域、弱音の部分)が切り捨てられ、音質的に物足りなく感じられてしまう。しかし、PCにつなげて聴くために作られた“Vraison(ヴレソン)”のヘッドホンは、デジタル圧縮された音楽データを補間し、CD並みというレベルを超えてSACDに迫る音質で聴かせてくれるのだ。

Vraison ハイエンドグレード/オーバーヘッドホン型 「HP-U48.OH-BK」¥OPEN(予想実売価格30,000円前後)

本機に付属するコントローラー

圧縮音源に対する従来の改善技術は、高域をCD並みに補間するのが主流であった。ところがヴレソンに採用されている「ビットレボリューション技術」は、48kHzまでの信号帯域の拡大と24bit相当のビット拡張を行うことで、SACDやDVDオーディオに迫る音質に引き上げることができる。

専用ドライバソフトをインストールしたPCで音声を再生し、付属コントローラーでD/A変換したアナログ信号をヘッドホンに伝送するしくみである。コントローラーにはヘッドホン用端子のほかにライン出力も備えられているので、お手持ちのオーディオコンポに接続して聴くこともできる。ドライバソフトはユーザー個人に合わせた聴覚感度補正も行う。加齢や環境によって個人差がある聴覚感度を測定し、保存した補正曲線を適用してフラットな再生を狙うのだ。高い音の聴こえ方が気になる方に特に重宝されている。

ヴレソンのヘッドホンを試すと、まずは驚く。圧縮音源が格段に良い音で聴こえるからだ。そして次の瞬間には、驚きが安心感に変わる。PCで安心して音楽が聴けるようになる、と。

しかし製品の性格上、実際に使ってみなければその魅力、実力はわからない。本モニターレポートを参考にして、興味をもたれた方はぜひ試してみてほしい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

ヴレソンがPCに音楽ツールとしての命を吹き込んだ!

ヘッドホン生活でも良い音で聴きたい気持ちは強かった


神奈川県相模原市在住。高塚正和さん 48歳
私たちの世代は様々なジャンルの音楽にのめり込み、少しでも良い音で聴きたい気持ちが今の若い人たちより強かったと思う。子供の頃から大学生くらいまで、一番音楽に敏感だった時代はずっとアナログレコードを聴いていたから、CDが出始めた頃、果たしてこれが本当にいい音なのかなと疑問さえ持った。レコードはノイズは大きかったけれど、音楽の一番おいしい部分は確かにそこにあったのだ。

CDもだいぶ音が落ち着いてきた頃から再びオーディオに対する興味が湧いてきた。電源からケーブル、インシュレーターそして真空管アンプなどいじるたびに音が変わることを楽しんだ時もあったが、結婚して子供たちが成長してくると様相は一変。かつて会社の社内報でも紹介されたリスニングルームは子供の勉強部屋に変貌し、部屋の隅でヘッドホンで細々と音楽を聴くというスタイルに変わってしまった。

現在妻と高校3年生、高校1年生、中学1年生、小学校2年生の4人の子持ちの私は、毎日なんだ坂こんな坂と働きづめで、満足に音楽に触れる時間もままならない。それでも少しでも良い音でとの思いから、真空管のヘッドホンアンプや静電式のヘッドホンも利用してきた。が、音源が良い場合(SACDプレーヤーなどで聴く場合)はともかく、パソコンに録りためた音楽を聴いてみると……ゲゲ、声も楽器も何だかデフォルメされて本物ぽくなーい音……。高級なヘッドホンを使ってもやはり、圧縮した音源は聴き劣りする。ただ、やはり合理的なので、iTunesやSonicStageには膨大な音楽がたまっていった。不満を感じつつ、それでも自分は音楽を聴いているのであって音を聴いているのでな〜いと自己説得を繰り返していた矢先、ヴレソンの存在を知ったのだ。

ヴレソンで聴くと音に実在感が!アーティストの思いも伝わる


今回、PCに録りこんで試聴したCD
最近はアコースティックな曲を聴くことが多くなり、PCの演算力を利用したヴレソンの24bit変換や高域補正への期待感を胸に秘めつつ実際に聴いてみた。まず最近お気に入りの上岡敏之指揮のブルックナー7番の交響曲から。イントロは弦楽器のトレモロから始まる。ムムム、これは……! 音に非常に実在感があり、ホールに音が染み渡っていく雰囲気が分かるのにビックリ。また音が頭の中にこもらないのもいい。始めは低音が少し薄い感じを受けたが、聴き込むと生演奏に近い印象だ。ズンドコ調の誇張された低音ではなく、ちゃんとコントラバスが歌ってくれるのだ。ジャズの「ワルツ・フォー・デビー」でもラファロのウッドベースが実にリアルで、ビル・エヴァンスのリリカルなピアノや会場のざわめきが細かい部分までハッキリと伝わってくる。

こうなると、片っ端から時間を忘れて音楽に没頭してしまう。特に印象的だったのは、ジャッキーの演奏するエルガーのチェロ協奏曲だ。彼女がどんなに心を込め弾いているのかが手にとるように分かるのだ。また、大好きなハスキルのピアノは古いモノラル録音だが、ヴレソンのイコライジングやサラウンドで広がりが与えられ、音は新鮮になり、かつ誇張感がないのが素晴らしい。古い録音を再び聴く楽しみが増えたのは実にありがたいことだ。これなら相当コアなクラシックやジャズファンにもどんどん聴いてもらいたい気がしてくる。


ネットで音楽をダウンロードするのは家族皆の日常。お子様たちも、やはり良い音で聴く方が好きなようで、いまやヴレソンは順番待ち状態だ
操作も実に簡単で、我が家の末っ子でもまったく問題ないし、ラインアウトからPCのデスクトップスピーカーにも簡単に接続できる。ネットでダウンロードして聴く方が多い我が家では家族全員でいつでも手軽に使えるので順番を決めるのが大変だ。

ネットでダウンロードした徳永英明が歌う「未来予想図II」を聴いていたら、思わず落涙してしまった。アーティストの微妙な心の揺れを伝えてくれるヴレソンは、デジタルオーディオ全盛時代にパソコンに音楽ツールとしての命を与えくれた気がする。

秋の夜長に家族が寝静まった頃、ようやくヴレソンを聴く私の番が回ってきた。アートファーマーの深みのある音が体にしみ込んでくる。ああ今日も癒される……。



【Vraisonに対応するPC】
 <Windows>
 ・対応OS:Windows XP(SP2)日本語版、Windows Vista日本語版
 ・CPU:IntelPentiumIV 1.6GHz以上(Intel Pentium IV・2.4GHz以上を推奨)
 ・ メモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
 ・ 対応USB端子:規格Rev.1.1に準拠したUSBポート標準装備のPC/AT互換機 (Intel製USBホストコントローラ推奨)
 <Macintosh>
 ・対応OS:MacOS X10.4以降日本語版がインストールされたMacintoshコンピューター
 ・ CPU:PowerPC G4(800MHz以上)、G5 またはIntelプロセッサ
 ・ メモリ: 512MB以上
 ・対応USB端子:USB規格Rev.1.1に準拠した電源供給可能なUSBポート(USB規格Rev.2.0でも使用可)


註:Vraisonにはハイエンドグレートとスタンダードグレードの2種がある。ハイエンドグレードは48kHzまでの高域補間、24bitまでのスムージングに対応、一方、スタンダードグレードは24kHzまでの高域補間、16bitまでのスムージングに対応している。今回モニターいただいたのはハイエンドグレード。なお、スタンダードグレードは、ヘッドホンもやや小ぶりのものとなる

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