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公開日 2022/03/15 10:00
<山本敦のAV進化論 第209回>

東京・渋谷に「Amazon Music Studio Tokyo」がオープン!代表者に聞く新施設の役割

山本 敦
Amazon Musicが多目的スタジオ「Amazon Music Studio Tokyo」を渋谷に開設した。4つのフロアにより構成されるスタジオにはAmazon Musicのコンテンツを制作したり、音楽ライブやトークなど様々なイベントの配信を行うための設備が充実する。このたび、東京にスタジオをつくったAmazon Musicの狙いを、Amazon Music Japan ディレクターの島田和大氏に聞いた。

Amazon Music Japan ディレクターの島田和大氏に「Amazon Music Studio Tokyo」設立の背景を聞いた

■全4フロアにレコーディング/イベント施設が充実

今回インタビューと取材のために訪れたAmazon Music Studio Tokyoは、JR渋谷駅を出て公園通り沿いに徒歩で10数分ほどの場所にある。目の前にはかつて渋谷公会堂と呼ばれていた、このエリアを代表するイベントスペースのLINE CUBE SHIBUYA、そしてNHK放送センターがある。

地上4階のフロアがすべてアマゾンのスタジオとなっている

スタジオの設計と内装はTORAFU ARCHITECTSが手がけている

Amazon Music Studio Tokyoは建物の地上4フロアにより構成されている。パブリックなスペースではないため、誰もが通りがけに立ち寄れる場所ではないが、1階フロアの公園通りに面している側はガラス張りになっていて中の様子が見られる。ここには本格的な音楽イベントなどが実施できる音響設備も揃っており、今後は時期を見てクリエイターとファンをつなぐイベントの開催も予定されているという。

1階のイベントスペース。壁面には幾何学模様状にスピーカーを配置している

様々なイベントが実施できるようにDJブースや配信用の機材も完備した

建物の2階部分は主にオフィスとカンファレンスルームの機能を担っている。3階にはポッドキャスト等の番組制作とライブ配信のための設備を整えた「Podcast Studio」がある。映像に写真などデジタルイメージングを中心としたコンテンツ制作にも最適なホリゾントスタジオ「Content Capture」もこの階につくられた。

配信コンテンツの制作機材が充実する「Podcast Studio」

3階フロアのホリゾントスタジオ「Content Capture」

そして最上階の4階には100平米の広々としたレコーディングスタジオ「Recording Lodge」を構える。とてもオープンな雰囲気のスタジオだが、防音・調音対策は万全。ハイレベルな録音・配信ができるように機材やネットワーク環境も整えているが、今後も施設を利用するアーティストの声を聞きながら、必要な機材をさらに充実させる考えだという。

スタジオの4階にある100平米のレコーディングスタジオ「Recording Lodge」

レコーディングルーム内のボーカルブース


ベステックスオーディオのMIDASデジタルコンソールを完備

アーティストの控え室としてオープンなスペース「Green Room」を設けた

■東京・渋谷発、最先端デジタルカルチャーの発信基地になる

現在、Amazon Musicでは、世界中で専用スタジオの建設・開業を予定しているが、世界に先駆けてAmazon Music Studio Tokyoが渋谷で運営を開始する。その背景を島田氏に聞いた。

Amazon Musicにとって日本の市場は米国に続く大きな規模を占めているという。さらにJ-POPやアニソンなど、日本独自の音楽カルチャーには世界の音楽ファンから熱い視線が注がれている。アマゾンとして東京・渋谷を最先端のデジタルカルチャーの発信地として位置付けることに大きな価値がある。

東京・渋谷をデジタルカルチャーの発信地に位置づけることに価値があると島田氏

島田氏は新型コロナウイルス感染症の影響が世界的に拡大を始めた2020年以降、Amazon Musicではライブストリーミング配信プラットフォームのTwitchと連携して音楽ライブイベントの配信に力を入れたり、クリエイターとファンをつなぐ新しいコンテンツの開拓を続けてきたと振り返る。その結果、Amazon Musicの試みがクリエイターとユーザーの双方に受け入れられ、リアルのイベント体験に加えて、オンラインのイベントを通じてつながるデジタルカルチャーが定着してきたと手応えを得たという。

島田氏はこの実績を踏まえてAmazon Music Studio Tokyoを立ち上げ、コンテンツの強化とともに、より多くの人々がAmazon Musicの魅力に出会える場所として新しい施設を機能させたいと期待を込めて語った。

■アーティストとファンをつなぐ場所

3月15日にグランドオープンを迎えたAmazon Music Studio Tokyoは、これからどのように機能していくのだろうか。島田氏は「アーティストの皆様のコンテンツクリエーションのハブとして、あるいはアーティストとファンをつなぐ架け橋として、この場所を多くの方々に利用してもらいたい」と呼びかける。

グランドオープンの初日には、アーティストの「いきものがかり」によるファンクラブ会員限定オンラインイベントが4階のRecording Lodgeで開催される。またAmazon Musicで現在独占配信されている「西寺郷太の最高!ファンクラブ」や「英語で雑談!Kevin's English Room Podcast PLUS」など人気のポッドキャスト番組が、今後このスタジオで収録・配信される予定だ。

島田氏は「Amazon Music Studio Tokyoで制作されるコンテンツが、必ずしもAmazon Musicのプラットフォームに載せてコンテンツとして配信されることを目的としていなくてもよいと考えている。アーティストの方々にここで曲づくりをしたり、リハーサルの場所としてスタジオを活用していただいても良いと思う。あるいは新作の発表イベントとして1階のフロアを使っていただいても良い。新しいカルチャーの発信基地として多くの皆様を応援したい」と話す。

Amazon Music Studio Tokyoは、基本的にはアーティストがスタジオの利用料金を負担しなくても使えるクリエイティブスペースとする方針だが、機材を扱うエンジニアが常駐していないことなど課題もある。現在不足している設備等も含めて、アマゾンとしては今後施設を運用しながら、アーティストの声も反映しつつ方向を固めていく考えだ。

いま国内でも最も勢いのあるオンラインコンテンツ配信プラットフォームを運営するアマゾンが、Amazon Musicによるエンターテインメントをリアルに体験できる場所として、独自のスタジオを設けたことはライバルにも大きなインパクトを与えそうだ。島田氏は「今後適切な時期にまたこのスタジオで様々なイベントを企画して、今までになかった新しい音楽体験を皆様と一緒につくっていきたい」と意気込みを語った。今後の展開にも注目したい。

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