PR 公開日 2025/01/17 06:30

すべてのレコード愛好家に送る。アース清浄化で音質改善、コード・カンパニー「フォノアレイ」クロスレビュー

【オーディオ銘機賞2025】<グランプリ>受賞モデル
井上千岳/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/園田洋世/林 正儀/福田雅光
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
英国コード・カンパニーが手掛ける“ノイズポンプ”シリーズのラストピースとなる「PhonoARAY」(フォノアレイ)が登場した。その名の通りアナログプレーヤーの本体やトーンアームから侵入する高周波ノイズを吸収するというもので、「オーディオアクセサリー銘機賞2025」でも最高峰のグランプリを獲得。7人の審査委員がその音質改善ポイントをレビューする。

CHORD COMPANY レコードプレーヤー用ノイズポンプ「PhonoARAY」(価格:220,000円/税込)

■フォノ伝送間に設置する前代未聞の画期的アイテム(井上)



空き端子に挿すことでグラウンド上の高周波ノイズを吸収するコード・カンパニーのノイズポンプ。これまでRCA、XLRからUSB、HDMI、そして電源コンセントにいたるまで、あらゆる箇所への対応を図ってきた。ただひとつだけなかったのがアナログプレーヤーである。そもそも一体どこへ挿せばいいのか? 何のノイズを吸収すればいいのか?

最後に残された課題をついに解決したのが、このPhonoARAYである。通常、アナログプレーヤー(ターンテーブル、トーンアーム)は付属のアース線をフォノイコライザー等に直接接続するが、PhonoARAYではその中間に本体を挿入することで、プレーヤー周りの高周波ノイズを吸収する構成である。

本体と50cmの長さのアースケーブルが1本付属する

ノイズポンプの仕組みを振り返ってみると、ケーブルの反射対策に端を発している。信号はインピーダンスが急変する箇所で反射を起こす。主に端子との接続部分である。そして高周波信号ほど反射を起こしやすいという現象を利用して、これをケーブル独自に追加した「アレイ線」へ導き、解消するというのがアレイテクノロジーだ。

このアレイテクノロジーを高周波ノイズ専用にアレンジして、機器の信号グラウンドからノイズを抽出し熱に変換して解消する。これがノイズポンプの原理である。

「PhonoARAY」の接続方法。付属のアースケーブルには方向性も指示されている

■ハムノイズのみならず高周波をも消し去る



アナログプレーヤーの場合このような電気回路があるわけではないので、いったいどこからどういうノイズを吸収すればいいのか、というのがここでの疑問である。しかし実際にPhonoARAYをプレーヤーに接続して音を聴いてみると、想像以上に静かになるのが分かる。ノイズが消えたのである。

そのノイズとは?というと、トーンアームをアンテナとして飛び込んでくる外来の高周波や電磁波である。これらがノイズとなって、普段は気がつかないが音に混入している。アースを取ればハムノイズなどは消えるが、高周波までは流し去ることができない。

PhonoARAYが利くのはこうした高周波ノイズなのである。他にモーターの電源やプレーヤーのシャーシなどからも、ノイズを取り出すことができるという。

最後の課題とされてきただけに、開発は非常に入念に行われたそうだ。時間もかかっているし、試作・試聴も繰り返されたという。だから最終的にでき上がった製品は、RCAやUSBなどのスティック型とは違って意外なサイズになった。これだけの大容量でなければ、本当に確実な効果は得られないのだそうである。

結果はもう誰もが想像するとおりだ。静寂感が違う。アナログプレーヤーにもこんなにノイズがあったのかとびっくりするのである。「ザーザー」「シャーシャー」という聴いてすぐ分かるようなノイズではなく、音の周囲に絡む汚れのような、あるいは空間にこもっている靄のようなものが取り払われて、空が晴れたように明快だ。出てくる音はエッジが際立ち、手触りがいい。新鮮で純粋な響きが、初めて得られたように感じるのである。

グラウンドアレイ、パワーアレイ、パワーアレイ・プロフェッショナルなどノイズポンプの全ラインナップ

次ページ6人のオーディオアクセサリー銘機賞審査員が高評価

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ビックカメラ、実店舗での「2026年新春福箱」は元日10時から。約250万円おトクなホームシアター福箱も
2 レコードプレーヤーが好調持続。デノン「DP-3000NE」が圧倒的存在感<販売店の声・売れ筋ランキング11月>
3 SOUNDPEATS、「福袋2026」販売開始。「ハイエンド機とランダム1機種ずつ」「完全ランダムで2機種」の2タイプ
4 ビクター、最上位完全ワイヤレス「WOOD master」にK2テクノロジー対応アップデート
5 メタリック・レッドのアクセントがクール。AKGの銘ヘッドホン「K240」の日本限定版、プロ機の高性能健在!
6 4K UHD BD『28年後...』、恐怖と静寂のコントラストが際立つ、没入感たっぷりの立体音響
7 Qobuz、ドイツ・グラモフォン/デッカのDSDが最大33%オフの「クラシックDSDホリデーセール」
8 「オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ 2026」、2/14 - 15に開催。名古屋コンベンションホールにて
9 【年末特別企画】ニュース記事アクセスランキングで振り返る2025年<上半期編>
10 j5create、小型のUSB-C to HDMI ワイヤレス送受信機など2機種
12/26 10:53 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
アナログ Vol.90 2025 WINTER
季刊・アナログ
最新号
Vol.90
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX