PR 公開日 2023/07/25 10:03

ソニー新完全ワイヤレス「WF-1000XM5」速攻レビュー! 前機種“M4”との新旧比較で進化点をチェック

人気完全ワイヤレスイヤホン最新機の実力を検証

イヤホン本体と充電ケースは一段とコンパクトになった。質量はイヤホンが約20%、ケースは5%ダウンを実現。体積はイヤホンが約25%、ケースが約15%も絞りこんだ。

WF-1000XM4(右)とのサイズ比較

イヤホンの形状は曲線を活かし、外装に艶を持たせた。オーディオデバイスというよりもジュエリーに近い艶っぽさがプレミアムモデルである1000Xシリーズらしい。タッチセンサーを内蔵する本体側面をマットフィニッシュとしたことで、精悍に引き締まった印象を受ける。指紋が付いても目立たない。

ケースも小型化され丸みを帯びたデザインに

本体をスリムにしたことによって、耳に装着したときに外側に重心が向かず、安定感のある装着性になった。また、眼鏡やマスクの着脱をする際の干渉も少なそうだ。付属するソニー純正のイヤーピースは音導管まわりの肉を削ることで、音質はそのままに、装着した際耳にかかる圧迫感を少なくした。

イヤーピースは従来のS/M/Lに加えて、最小サイズのSSを新たに加えた4種類が付属する。自分の耳に最適なサイズのイヤーピースを選択することが、イヤホンのサウンドとノイズキャンセリング効果のベストパフォーマンスを引き出すことに直結している。専用アプリから「イヤーピース判定」を適宜行って、正しいポジションにイヤホンを装着できていることを確かめながら使うことをおすすめしたい。

前モデルではイヤーピースは3サイズだったが今回は4サイズに増えた。本体装着済みのMサイズに加えて、交換用にSS/S/Lサイズが付属する

マーク5にはソニーが新しく独自開発したダイナミックドライバーが内蔵されている。口径が6mmから8.4mmに拡大した。

振動板は中央に軽量高剛性のドーム部と、周辺のエッジ部には柔らかい異種素材を組み合わせて、低音から高音まで再現力を高めている。

前モデルより大型化したドライバーを小型な本体へ巧みに収納

メインチップには、ソニーが特別に開発にした統合プロセッサーの最新バージョン「V2」を搭載。マーク4が搭載した「V1」はオーディオからノイズキャンセリング処理まで一括して担っていたが、マーク5では2つのプロセッサーを搭載。「V2」は24bit信号処理と共に、リアルタイムなノイズキャンセリングの最適化を行い、「QN2e」はノイズキャンセリングに必要なマイクの正確な制御も行う。これによりノイズキャンセリング性能を向上させている。

2つのプロセッサーによる処理で高性能化

■新旧音質比較:「すべての帯域で情報量が増して、音のつながりやきめ細かさに磨きをかけた」



Xperiaをリファレンスの音楽プレーヤーとして、新旧1000Xシリーズの音質を比べてみた。BluetoothオーディオコーデックはLDACとして、端末の音設定から「音質優先」を選んでいる。ダウンロード購入したハイレゾ音源やAmazon Music Unlimitedのハイレゾ配信音源を試聴した。

1000Xシリーズの新旧モデル間で最も顕著な変化は、すべての帯域において情報量が増して、音のつながりやきめ細かさに磨きをかけたことだ。

カイリー・ミノーグのアルバム『DISCO』から「Magic」を聴いた。マーク4の明るくダイナミックなサウンドに対して、マーク5ではボーカルの声に深みが加わっている。声の輪郭がより繊細に描かれ、立体感が向上する。低音域はS/Nが改善されたことでビートの迫力とスピード感が増している。リズムのインパクトがにじまない。楽器の演奏も切れ味が鋭い。広々としたステージの緊張感が浮かび上がってくるようだ。

ヒラリー・ハーンのアルバム『ECLIPSE』から「ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53 第3楽章:フィナーレ」では、バイオリンの艶がとても豊かだ。付帯音のないメロディは繊細な表情が浮き立ってくる。低音域は重心が低く、響きに深みが増した。中低域のつながりがとても滑らかだ。オーケストラの一体感がまた一段と極まった。

映画『BLUE GIANT』のサウンドトラックから「First Note」を聴く。サキソフォンの音がとても生々しく、潤いに満ちている。新旧モデルを聴き比べるとメロディの熱量が違う。マーク4の熱い演奏も魅力的だが、マーク5は音楽の足もとが安定しているので、ゆったりと聴ける。楽器の音色、インパクトの強弱がとても自然に再現される。ドラムスの高音域は余韻がふくよかできめ細かい。優しく包まれるような安心感がある。いつまでも聴いていたくなる心地よさだ。

宇多田ヒカルのライブ録音『40代はいろいろ -Live from Metropolis Studios-』から「First Love」を360 Reality Audioバージョンで聴いた。やはり新しいマーク5は再現できる情報量が増えている。リスナーを包み込む球体の音場は解像度が高く、リアリティに富んでいる。ボーカルの消え入り際の、口もとの様子が明快にイメージできるほど生々しい立体音楽体験に、肩の力を抜いて自然に入り込むことができた。

■ノイズキャンセリングも向上。「どんな場所も最高のリスニング環境になる」



マーク5は前モデルとの比較でノイズキャンセリングの効果が約20%向上されている。実現できた背景にはSoCの「V2」と、2019年発売のマーク3に採用されたノイズキャンセリング専用プロセッサーの最新チップ「QN2e」が連携する「デュアルプロセッサー」の働きがある。

次ページ「使いやすさ」が充実。「最良の選択肢」

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