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PR人気完全ワイヤレスイヤホン最新機の実力を検証

ソニー新完全ワイヤレス「WF-1000XM5」速攻レビュー! 前機種“M4”との新旧比較で進化点をチェック

公開日 2023/07/25 10:03 山本 敦
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ふたつの高性能プロセッサーに複雑な処理を分散させたことにより、生まれる余裕を複数マイクの精緻な制御に割りふる。ノイズキャンセリング用のマイクは本体内部に格納するフィードバック用マイクを左右1基ずつの計2基追加した。フィードフォワードマイクも含め左右合計6基のマイクにより集めた環境音を、プロセッサーが正確に、速く処理する。

実際に装着したところ

付け加えると、低域から高域まで全帯域の再現力が高まったソニー独自開発の8.4mmドライバーユニットの功績も大きい。特に、低音域のノイズキャンセリング効果の進化につながるからだ。

新旧モデルでその効果を試した。ノイズキャンセリングは低音が一段と低く抑えられる手応えがある。イヤーピースと、本体の形状改良によるフィットが向上したことによる、パッシブな遮音効果が高いことも特筆したい。

カフェのように賑やかな場所で試してみると、人の話し声が聞こえにくくなり、また換気扇の動作音のように、持続的に響く低音のノイズが鮮やかに減衰する。マーク5は、わずかに漏れ聞こえてくるノイズそのものも滑らかな印象を受けた。本機を身に着けるだけでリモートワークに存分に集中できるだろう。

音楽を再生すると完璧な静寂が訪れる。どんな場所も最高のリスニング環境になる。屋外の風切り音の低減効果はマーク4も十分に高いのだが、マーク5では新たに凹凸のない構造にすることで風の抵抗を抑えており、そのおかげで風切り音が発生すること自体が少なくなったように感じる。

反対に、ノイズキャンセリングをオンにしたマーク5は遮音性能がとても高いので屋外で歩きながら、または体を動かすスポーツを屋外やジムなどで楽しみながら音楽を聴く際は、絶対にアンビエントサウンド(外音取り込み)に切り換えて使うべきだ。

マーク5は外音取り込みもまた、再生中のオーディオコンテンツの妨げにならないよう、マイクに由来するノイズ成分をより少なく自然に抑えるチューニングに整っている。コンテンツリスニングの醍醐味が一切阻害されない。

■通話性能も強化。マルチポイント接続対応も魅力



音声通話は“ソニー完全ワイヤレス史上最高通話品質”を誇る(2023年7月25日時点。ソニー調べ)。骨伝導センサーにより、口から発された声と頭蓋骨の振動で伝わる声の両方を捉え、騒音下でも話者の声を正確かつクリアに集音する。

また、高精度ボイスピックアップテクノロジーを搭載。5億を超えるデータサンプルをAIの機械学習に注入することにより、外部の環境音と人の声を正確に分離するアルゴリズムを搭載した。

新旧モデルを同僚に装着してもらい通話品質を比べた。マーク5の方が話者の声が力強く鮮明に聞こえる。マーク4の通話品質もなかなかのものだが、マーク5に比べると話者の周囲の環境音を拾ってしまう傾向が若干ある。一方、マーク5は話し声だけがキリッと浮かび上がる感触だ。また、前述した凹凸のないデザインによる風切り音の低減は、通話においても効果を発揮する。

1台のワイヤレスイヤホンを2台のデバイスと同時に接続するマルチポイント機能をマーク5は発売時から搭載している。

筆者はよくPCとスマホにマルチポイント接続対応ワイヤレスイヤホンを接続して使っている。自宅で原稿を書く仕事が多いため、作業中にインターネットラジオや音楽をPCで聴いているのだが、最中にスマホへかかってくる着信を取り逃したくない。マルチポイント接続に対応しているイヤホンであれば着信にすぐ対応できるので安心だ。

マルチポイント接続は、ビデオ会議などのビジネスシーンはもちろんのこと、日常のPCによるコンテンツ鑑賞の際にも役立つ強みだ。今後ワイヤレスイヤホンを購入する際にはマルチポイント機能の有無は欠かさずにチェックすべきだと思う。

■「使いやすさ」が充実。「最良の選択肢」



ますます充実した専用アプリ「Sony | Headphones Connect」の新しい機能の中で、筆者が注目したものを紹介したい。

ひとつは「ファインド・ユア・イコライザー」だ。音楽コンテンツを再生しながら、画面に表示されるサンプルを数回選んで微調整を繰り返すと、好みの音にフィットするイコライザーが作成される。オーディオの知識がなくても自分好みの音が簡単に見つけられる。

テストトーンを聴きながら好みのものを選んでいくと音質が個人最適化される

顔の向きに対して音像の定位が連動するヘッドトラッキングにも対応。本機とAndriod 13以上の対応スマートフォンとを組み合わせると、YouTubeやNetFlix等のマルチチャンネルコンテンツをAndroidヘッドトラッキングで楽しめる。現状ではまだ対応コンテンツや対応端末などの条件がやや限られるが、エンターテインメントの没入感が引き立つ機能として注目したい。

そしてもうひとつ、イヤホンに内蔵するセンサーを活用したヘッドジェスチャーにも対応する。通話着信があった場合、頭を縦に動かすだけでハンズフリーで応答ができる。筆者も試したが、大げさに首を動かさなくても認識されるので実践的な機能だ。ソニーのワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」で新たに対応した「Auto Play」もマーク5はサポートする。ユーザーが歩き出したタイミングでスマホを操作することなく、自動的に音楽再生を始めたり、毎日の使用に便利な使い方を追加できる。

マーク5の内蔵バッテリーはマーク4の性能を維持したまま、3分で1時間分の高速充電が可能になった。加えて、連続通話時間はノイキャンON時は30分、ノイキャンOFF時は1時間伸びている。また、本体はIPX4相当の防滴性能を備えているので、屋外で楽しむ音楽再生も安心だ。

他にもスマホなど、送信機側との相互対応によりBluetooth LE Audio(※)の低遅延ワイヤレス伝送が使える。高音質を優先したい場面ではLDAC、ゲームなど低遅延性能を効かせたいときにはBluetooth LE Audio(※)のLC3コーデックでつなぐといった使い分けができることを歓迎したい。

ソニーの1000Xシリーズは高品位・多機能なプレミアムモデルとして、敷居の高いワイヤレスイヤホンであるように感じられるかもしれない。だが、見方を変えればいま最も安定感が高く、スマホのOSを問わず「使いやすさ」が充実する完全ワイヤレスイヤホンの「入門機」として、マーク5は最良の選択肢だ。長く楽しめる1000Xシリーズの魅力をすべての音楽ファンに試してもらいたい。

(※)【対応機器について】2023年7月時点は、Xperia 1 IVとXperia 5 IVです(最新のソフトウェアアップデートが必要です)
(※) Xperia 1Vは、イヤホン、スマートフォン双方のソフトウェアアップデートで対応予定です


(提供:ソニーマーケティング株式会社)

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