PR 公開日 2023/04/28 06:30

Campfire Audioの“変わり続ける名機”!「Andromeda Emerald Sea」「Solaris Stellar Horizon」ダブルレビュー

最新ドライバーと音響技術で、新世代のサウンドを鳴らす

両機共通で、小型化と形状の最適化による装着感の向上もポイントだ。特にSolaris Stellar Horizonにおいては、シリーズで特徴的だった長めのステムを一般的な短さに変更、耳への挿入の深さにから来る違和感がなくされたことも大きい。

両機ともハウジングのデザインを一新。それぞれ従来モデルよりも小さくなり、装着感の面でも進化したと言える

ルックス面もSolaris Stellar Horizonの方が変化が大きい。ノズルだけでなくハウジングもステンレス製に、部分的なアクセントとして真鍮も使用、フェイスプレートにも金属インレイをはめ込みと、全体に金属の質感を生かした仕上がりとなった。

フェースプレートは黒いアクリルに金PVDコーティングのパーツをはめ込み、抽象化した星図を表現しているとか

ステンレスのハウジングは、研磨跡を残したブラッシュド仕上げ。真鍮パーツがアクセント

逆にAndromeda Emerald Seaは、遠目には従来のAndromedaと変わらぬ雰囲気を維持。でありつつ、面の構成や角の処理を細やかに再調整し、装着感を向上させてある。

従来の「Andromeda」でお馴染みだったネジはなくなり、立体的な形状に

耳側も滑らかな形状になっている

付属ケーブルは、同ブランド最新世代であるフラット形状の「タイムストリームケーブル」を採用。音質に優れるのはもちろん、クリア外装と銀メッキ銅導体の組み合わせによる美しさにも注目。昨今はプラグ交換方式で複数の接続端子に対応するケーブルが多いが、同ブランドはケーブル自体を3.5mmステレオミニ/4.4mmバランス/2.5mmバランスの3本付属とする形で対応。ケーブルブランドALO audioとしての顔も持つ同ブランドならではのこだわりだろうか。

平たいフラット形状の「タイムストリームケーブル」が3本も付属。バランスプラグの2本は布製の収納ポーチにくるまれている

また、。使い勝手にもこだわったプレミアムレザーケース、ディスプレイ台にもなるウッドボックスパッケージなど、単なるおまけではなく確かな付加価値を備える付属アクセサリーも嬉しい。

大きなポケットとマグネットを備えた革製の折りたたみ収納ポーチ、ハウジングを左右それぞれ柔らかく包むメッシュポーチなど、実際に使われることを考慮した豊富なアクセサリーが付属

木製のパッケージは、組み立てるとディスプレイスタンドに早変わり。同ブランドがイベントで使用しているものと同じで、3Dプリンター製の手のミニチュアでイヤホンを支える

■ダイナミックな迫力で魅せる「Andromeda」、シャープな音像の「Solaris」



では試聴しての各モデルの印象を確認しよう。まずAndromeda Emerald Seaは、音楽表現の中心となるミドルレンジにある歌と楽器を大柄に描き出し、それらを主役としての見せ方もダイナミック。しかし細部描写も冴えるおかげで迫力任せの表現に偏ることはない。

「Andromeda Emerald Sea」は、ダイナミックな迫力ある表現を主体に、細部の描写もスキがない

曲調との相性としては、星街すいせい「Stellar Stellar」のように、ボーカルが主役でありつつ情報量も多いJ-POPへのフィットが特に良好。とにかく音数の多い曲だが、クリアな音像と立体的な定位で中高域の情報量を見事に届けつつ、どっしりとした低音の支えによって、音楽の重心を浮かせず安定感も確保してくれる。

低音の描写については、ベースの太さは十分として、力強さや重みはもう少しほしいと感じた。しかしそこはバランス駆動にて解消。バランス駆動には様々な恩恵があるが、Andromeda Emerald Seaにおいては低音の力感や密度感の向上というかたちで特に発揮されたというわけだ。

Solaris Stellar Horizonは、ステンレス筐体の雰囲気とも重なるブライトさが印象的。宇多田ヒカル「BADモード」では声の鈴鳴りの美しさにうっとり。ホセ・ジェイムズ「Bag Lady」ではスネアドラム強打の濁点成分をバシッと強めてのヒップホップらしい荒々しさに納得。星街すいせい「Stellar Stellar」ではエレクトリックサウンドのエッジが際立ち、バーチャル空間的なキラメキがまばゆい。耳障りにもなりがちな帯域を、そうはならないよう絶妙に強めて聴かせてくれる。

「Solaris Stellar Horizon」は、シャープかつ適度な明るさで音楽をすみずみまで描写。初代「Andromeda」の面影があるかも?

また低音はシングルエンド駆動時点から十分な力感や重みを備え、5弦ベースによる現代的な低音表現も明瞭かつ力強く届けてくれる。ダイナミックドライバーとその周辺技術の熟成を感じられるポイントだ。なおこちらはバランス駆動にすると、音質全体がバランスよく底上げされるタイプと言える。



さて妙な話かもしれないが、初代Andromedaのクールな音調やシャープな描写を好む方に合うのは、当世代ではSolaris Stellar Horizonの方に感じた。ということは「Andromeda」「Solaris」の名は、従来のサウンドの継承を意味して付けられた訳ではないのかもしれない。

では、その名は何を意味しているのか。私見となるが、その時点でのCampfire Audio最新の技術と思想を基本的なBAマルチの形式に投入したものが「Andromeda」、同じくハイブリッドの形式に投入したものが「Solaris」、ということなのではないだろうか。故にそれらが提示するサウンドもその世代ごとに移り変わっていく。そう考えるとしっくりくる。

変わらぬ名機ではなく、変わり続ける名機。AndromedaとSolarisの魅力と楽しみはそこにあり、その現在地を示すのがAndromeda Emerald SeaとSolaris Stellar Horizonなのだ。

(協力:ミックスウェーブ)

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