注目のマランツ新AVアンプ「CINEMA 50」「CINEMA 70s」実力チェック！ 評論家が自宅でテスト

ラックにCINEMA 50を設置。「うわ！デザインがかっこいいぞ」と思わず口に出る。愛機AV8805のデザインもAV機器としてはまったく悪くない。だけどCINEMA 50のフロントフェイスはより品位が高い。

ケーブル類を繋げたのちに初期設定を行ったのだが、画面はデザインも含めGUI（グラフィカル・ユーザー・インターフェイス）が一新されている！その後4本のスピーカーをアサインしてAudysseyを設定した。

設定画面のGUIやフロントパネルのデザイン、リモコンのデザインセンスも上がっており感心したが、Apple TV 4Kから最近人気の『トップガン マーヴェリック』を再生した瞬間、CINEMA 50がまさに次世代AVアンプへ進化したことを確信した。

音が出た瞬間に「ああ、なんとクセのない音だ」と感じ入った。トム・クルーズ演じるマーヴェリックのセリフがやけにリアルなのだ。オーディオジャンルと違って、ビジュアルジャンルはある厳しさが存在する。「音楽性」だけでごまかせない、各シーンをしっかりと表現するためのリアルさと音の明瞭度、そして圧倒的な静寂感からSNの高さが聞き取れる。

薄型ボディのCINEMA 70sはリビングシアター構築の強い味方

CINEMA 50の音調とノイズフロアの低さは、まるで高品位なオーディオシステムで聴くようなクオリティ。しかも聴感上のダイナミックレンジが広く、爆発音やジェットエンジンの音には迫力以上の腰の強さを感じる。

僕はジェット飛行機のマニアだからエンジン音にはうるさいのだが、CINEMA 50と702 S3/S2から聞こえてくるF/A-18スーパーホーネットの音はリアルかつ迫力満点。その後、ホラー映画からアクション映画まで様々な作品を見たが、DSPの処理能力が向上しているのが理由だろうか、バランスの整った音場感や前後左右の移動間もシームレスでおおいに感心した次第だ。

また、CINEMA 50はネットワーク上のNASからのファイル再生のほか、Amazon Music HDやSpotifyに対応するネットワークソリューション「HEOS」を搭載している。つまりAVアンプを買えば本格的な音楽リスニングにも対応できるというわけだ。

ここではAmazon Music HDからアデルのアルバム「30」より『To Be Loved』『Easy on me』を再生した。音が出た瞬間に確信したのは、2チャンネルの音楽再生の質がかなり良いこと。帯域バランスは整っており、適度な音の色艶と分解能を感じるサウンド。最近のマランツのAVアンプは、2チャンネルの音楽再生における品質も追求していると聞くが、そのことを改めて認識した。

次にCINEMA 70sをラックに設置した。全高が低く設置も容易だ。音質についてはCINEMA 50を踏襲しており、不自然さがなく分解能や密度も高いサウンドに大満足であった。薄型ボディとは思えない、Dレンジのワイドな表現も秀逸だ。

55インチの4Kテレビとも組み合わせてみたが、ここで薄型ボディが威力を発揮する。全高が109mmと、人気のNR1200やMODEL 40n同様にシャーシ高が低くTVラックへの収まりが良い。リビングでより手軽にサラウンドシステムを組むにはたいへん都合が良いと感じる。

CINEMA 70sはCINEMA 50ほどのアンプの数はないが、内容的には十分すぎるほどでコストパフォーマンスの高さを感じた。

マランツ新世代AVアンプに要注目

いかがだったろうか、HDMI端子の充実や最新オーディオフォーマットへの対応ということに関して、CINEMA 50とCINEMA 70sは、最新モデルだけあり、どんな映像信号が入力されても対応できる懐の深さがある。今回は試せなかったが、CINEMA 50は360 Reality Audioなどの最新音声フォーマットに対応できることも優位点だ。2台とも今回のテストでは大きな弱点も見つけられなかったことを紹介したい。

サラウンド再生や大画面再生は自身や家族のライフスタイルを一変させるほどのインパクトがある。もちろんテレビと組み合わせてリビングの視聴環境を充実させてもいいだろう。

マランツのAVアンプが新世代になりいよいよ本格展開を開始する。そのイントロダクションを担うCINEMA 50とCINEMA 70sに、ぜひ注目していただきたい。

（提供：ディーアンドエムホールディングス）