公開日 2021/06/17 06:30

小さいのに多機能、そしてハイスペック。4in1の折りたたみ3軸ジンバル「PowerVision S1」レビュー

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風間雄介
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マグネットでスマホを固定。ジンバル以外での活用も

さて、ジンバル状態にしたら、スマートフォンを固定する。この固定の仕方も通常のジンバルとは異なり、磁力で行う。iPhone 12 Pro Maxの場合、専用ケースが用意されており、そのケースの背面中央のマグネット部とジンバルの先端が、ピタっとくっつくようになっている。

iPhone 12 Pro Maxには専用ケースを用意

マグネットで固定する仕組みだ

なお、この専用ケースにはスタンド機能も備わっている。スタンド部を引き出すと、すぐにiPhoneを固定できる。スタンド部はスライドする仕組みを備えており、横置きにも縦置きにもどちらも対応している。

iPhone 12 Pro Max専用ケースにはスタンド機能も搭載

ご存じの通りiPhone 12 Pro Maxには、MagSafeというアップル独自のマグネット機構が内蔵されているが、本機はMagSafeを使用しない。本機の磁力はもっと強力で、ジンバルからiPhoneが落ちないよう、同社は4kgの重さにも耐えられると謳っている。実際に使ってみても、iPhoneが落ちるかも、と不安に感じた瞬間は一度もなかった。

マグネットにした利点はほかにもある。固定するパーツがアクセサリーとして用意されているので、たとえばクルマのエアコンの吹き出し口や、キッチンの見やすい場所など、気軽に本体を固定可能だ。ジンバルを使わないときでも、MagSafeより強力な磁気で本体を固定して活用できる。

マグネット式車載ホルダーで車内への取り付けが可能

iPhone 12 Pro Maxのように専用ケースが用意されていない機種では使えないかというと、もちろんそんなことはない。スマホの背面に貼り付けるタイプと、スマホを挟み込むタイプの、2種類のアタッチメントを用意している。iPhoneのほかの機種はもちろん、Androidでも便利に使える。

iPhone 12 Pro Max専用ケースのほか、貼り付けるタイプと挟みこむタイプを用意

iPhoneだけでなくAndroidでも使える

ジンバルならではの “なめらかな映像” をかんたんに撮れる

さて、それではいよいよ、ジンバルを使って撮影を行おう。

本機は3軸のジンバルである。つまり、パン(水平)、チルト(垂直)、そしてロール(回転)の3軸の動きを補正してくれる。今回試したiPhone 12 Pro Maxのように、手ブレ補正を搭載したスマホも増えているが、それでも動きを検知し、スマホ自体をがっちり安定させるジンバルの安心感、そしてそこから得られる画質にはかなわない。

シンバルを使うことで、手ブレ補正ではかなわない安定感を得られる

まず撮影の前に、iPhoneに専用アプリ「Vision+S1」を入れておく。アプリを立ち上げ、ジンバルの電源を入れると、Bluetoothでペアリングが行われ、PowerVision S1のボタンからスマートフォンを制御できるようになる。

上述のように、スマートフォンはマグネットでジンバルに固定する。ジンバルによってはバランスが取りにくいモデルも多いのだが、特に工夫しなくてもセッティングできた。スマートフォンとしてはトップクラスに重いiPhone 12 Pro Maxでも問題なく使えるので、コンパクトであっても、モーターのパワーは十分なのだろう。これなら手軽に利用できる。

実際にPowerVision S1を手に持って走ってみた。実際にはかなり手元が揺れていたのだが、あとから動画を確認すると、その揺れがほとんど感じられないほどなめらかな映像が撮影できた。コンパクトな本体ながら、もっと大きなジンバルに比べて、性能が劣るなどということはないので安心して頂きたい。



また、専用ボタンやジョイスティックで、手元で自由自在にiPhoneの向きや、撮影をコントロールできるのは快適だ。そして、この操作もよく考えられている。

録画の開始・停止、シャッター、ズーム操作などが可能。また、動画と静止画の切り替えや、撮影モードの切り替えも、電源ボタンを押すとアプリ上にメニューが表示され、ジョイスティックで選べる。一通りの操作が、PowerVision S1のボタンから行えてしまうのだ。

ジョイスティックとズームスライダー、スイッチボタン(電源ボタン)、カメラボタンを搭載

手元からスマホを制御できるので便利

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