公開日 2011/04/11 10:30

シャープ “AQUOS” Z5レビュー − 画質から機能、節電性能、使い勝手まで徹底ハンドリング

総合バランスに優れた注目モデル
編集部:風間雄介
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本機を視聴室に設置して、まずは3Dの映像をチェックしようと、Blu-ray 3D「アリス・イン・ワンダーランド」の再生を開始した。クロストークの抑えこみは相当に高いレベルにある。

これまでのLV3ラインもかなり高いクオリティの3D映像を実現していたが、本機はハイスピードUV²Aによるものだろう、その品位は確実に向上している。

■明るく鮮明な3D映像を実現

本機はシャープとして初めての「3Dレディー」機であり、オプションの3Dメガネを購入することで、初めて3D映像の視聴が可能になる。3D映像について「今はあまり見ないけど、そのうち必要になるだろう」という人にはぴったりだし、コストダウンのメリットもある。

しかも前述したように、本機の3D映像のレベルは決して低くない。クロストークは皆無とは言えないまでも、字幕を仔細に観察するなど積極的に探そうとしない限り、それほど気にはならない。シャープは「○倍速」や「○Hz」などと表記していないが、このような数値と表示品位とが、常に比例するわけではないと知っているからだろう。

3D映像が明るいのも、とても好印象だ。通常のリビングと同じ程度の明るさで視聴しても、明るさ不足を感じることはなかった。これは前回紹介した、ハイスピードUV²A技術とクアトロンパネルのメリットによるものだ。開口率が高いUV²Aと、明るさを稼ぎやすいクアトロンパネルによって、明るい映像が実現できる。3Dメガネなどを通しても十分な明るさを確保できるのだ。

さらに本機は明るさアップ機能を装備し、弱/標準/強で調整できる。この効果はてきめんだ。「強」の状態では、AVポジションを「映画(3D)」にしていても、暗めの部屋では十分なほどの明るさになる。また強にしたまま「標準(3D)」にポジションを変えると、少し眩しさを感じるほどになる。節電の観点からは、あまり画面を明るくしすぎることは好ましくないが、いざというときにしっかり輝度を確保できる、余裕のある設計は頼もしい。

3D映像視聴時のAVポジションは3モードから選択できる

リモコンには3Dの機能操作ボタンと「明るさアップ」ボタンを装備する

■3D映像視聴時の安全性にも配慮

シャープの3Dメガネには、他社にない特徴として、「2Dモード」が用意されていることも強調しておきたい。3Dメガネを装着しながらでも、シャッター開閉タイミングを工夫することで2D映像を視聴できる機能だ。このモードを使えば、家族で3D映画などを視聴する際、大人は3D映像、子供は2D映像を見るといった使い方が可能になる。

また本体設定では、3D視聴時間を1時間ごとに知らせる機能も用意され、これによって長時間の3D映像視聴を避けることができる。こういった細かな配慮にも好感が持てる。

なお3Dメガネの装着感は良好で、頭を多少振ってもびくともしない、高いホールド性能を備えている。電源はボタン電池だが、電池が無くなってしまったときはUSBケーブルで給電することもできる。

■クアトロンの高いポテンシャルを自然な画作りに反映

2D映像についてはBlu-ray「アバター」でチェックした。感心したのは、色の表現能力がとても高いが、それを“これ見よがし”には使っていないことだ。

次ページクアトロンの使いこなしが進んだ2Dの画作り

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