音楽制作からリスニングまでマルチに活躍。クリエイティブを刺激するteenage engineering「EP-35」
メディア・インテグレーションは、同社が取り扱うスウェーデンの電子楽器ブランド、teenage engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)の新製品「EP-35 K.O.-AMP 35」(以下EP-35)の発表会を、10月8日(木)に東京・渋谷のLUSH HUBにて開催した。
EP-35は、ギターアンプやマイクアンプ、さらにはPCと接続するオーディオインターフェースとしても使用できる多機能な製品。Bluetoothスピーカーとしても活用可能で、音楽リスニング・音楽制作、ライブパフォーマンスとさまざまなシーンを一台でカバーする。価格は69,850円(税込)。
発表会では製品の特徴や多彩なアクセサリーが披露されたほか、EP-35を使って自在に“遊ぶ”3人のアーティストによるパフォーマンスも披露。EP-35のさまざまな使いこなしが紹介された。
「初めて音楽機器を手に入れたときの感動」を再び
ブランド名に“ティーンエイジ”が入っていることからもわかるように、teenage engineeringは、子どもの頃、最初に機械に触れた“ワクワク”を思い出させてくれるブランドである。発表会の冒頭、プレゼンターは「皆さんが初めて音楽を聴く機器や楽器を手に入れたときの気持ちを思い出してほしい」と来場者に呼びかけた。
自身が中学生の頃に初めて購入したMDコンポを例に挙げ、「今思えば決して音が良かったわけではないかもしれないが、毎日部屋にこもって好きな音楽を聴くことが本当に楽しかった」と振り返る。
また、初めてギターアンプを手に入れて大きな音を鳴らしたときや、自分の演奏を初めて録音できたときの感動についても言及。EP-35は、そうした「音楽との出会いに伴う新鮮な喜び」を、一台で体験できる製品だと説明した。
スピーカー、ギターアンプ、オーディオインターフェースを一体化
EP-35の大きな特徴は、音楽に関わるさまざまな機能をコンパクトな筐体に集約していることだ。Bluetoothによるワイヤレス再生に対応するほか、USB入力やライン入力など6種類のオーディオ入力に対応。ギター入力とマイク入力も用意されており、楽器の演奏やボーカルの音声を内蔵スピーカーから出力することが可能だ。
マイク入力はダイナミックマイクとコンデンサーマイクの両方に対応。48Vファンタム電源も備えており、本格的なレコーディング用マイクを接続できる点も特徴となる。
さらに、8チャンネルin/2チャンネルoutのUSBオーディオインターフェース機能を内蔵。ラインやマイク入力からの音声をPCに取り込み、録音することができる。ギターやボーカルに内蔵エフェクトを適用した状態で録音することも可能で、音楽制作の入り口としても活用できる。
また、メインアウトから外部機器に音声を出力することも可能。単体のスピーカーとしてだけでなく、外部のオーディオシステムと組み合わせた運用にも対応する。
直感的な操作性も追求、アウトドアユースにも対応
楽器演奏を楽しむための機能も充実している。ギター用には複数のエフェクトを内蔵し、ギターやベース、アコースティックギター向けのモードやプリセットを用意。ボーカル用にも独立したエフェクト機能を備えており、演奏や歌声にさまざまな音響効果を加えられる。
各種ノブやボタンは、対応する機能ごとに色分けされており、たとえばマイク系は白に統一されている。多機能だが直感的に操作しやすい工夫がなされている。
こうした操作性について、プレゼンターは「初めて手に入れる音楽機器としても楽しめる」と説明。専門的な知識がなくても、実際に触りながら音の変化を体感できることを強調した。
EP-35は、屋内での音楽鑑賞や制作だけでなく、アウトドアでの使用も想定している。本体にはバッテリーを内蔵。背面には「BEER STORAGE」というユニークな名称が付けられた開閉可能な収納スペースがあり、ちょうど缶飲料を収められるサイズとなっている(ただし冷蔵庫機能は持たない!)。音響機器としての機能だけでなく、遊び心を盛り込むteenage engineeringらしい発想がうかがえる。
また、FMラジオを受信するためのアンテナアクセサリーも用意される。ストリーミング再生にとどまらず、さまざまな方法で音楽に触れられる点もEP-35の魅力となっている。
Auracast対応で複数台のスピーカーを連携
ワイヤレス機能としては、Bluetoothの音声共有技術「Auracast」に対応することも紹介された。Auracastを利用することで、複数のEP-35から同じ音声を同時に再生することが可能。複数台を組み合わせることで、より自由なリスニング環境を構築できることもEP-35の特徴といえる。
EP-35には、多彩な専用アクセサリーが用意されている。ギター演奏時のエフェクトをコントロールするペダルや、ルーパー的な操作を可能にするコントローラー、ハンディマイク、USBオーディオ用アクセサリー、FMラジオ用アンテナなど、用途に応じて機能を拡張できる。
なかでもユニークなのが、楽曲データを保存できるUSBアクセサリーだ。「SIDE A」「SIDE B」という2つの面を持ち、本体に挿入する向きによってアクセスする音楽ファイルを切り替えられるという。カセットテープやレコードのA面・B面を思わせる、アナログ的な楽しさをデジタル機器に取り入れた仕組みとなっている。
また、同社のサンプラー「EP-133 KO II」などのEPシリーズと組み合わせるための「KO DOCK」も用意。EPシリーズをドッキングして使用でき、EP-35を中心とした演奏・制作環境を構築できる。
持ち運びのためのバッグ類も充実しており、EP-133などを収納できるポケットバッグや、本体のハンドルに取り付けるストラップなども紹介された。
単体でも多くの機能を備えるEP-35だが、アクセサリーを追加することで、ユーザーの用途や音楽スタイルに合わせて使い方を広げられる設計となっている。
音楽を「聴く」から「つくる」まで。EP-35が提案する新しい楽しみ方
発表会では、COLA REN、STEEEZO “EEE”、MMZKの3名による即興パフォーマンスも披露された。音のミシンで、見えない布を織り上げているようなその場限りの不思議な音響世界に圧倒される。
音楽を初めて聴いたとき、楽器を初めて鳴らしたとき、自分の音を初めて録音したとき。そんな原点にある楽しさを、現代のテクノロジーで一つにつなぐ。EP-35は、まさに自由でクリエイティブな音楽体験を象徴する製品といえそうだ。

























