公開日 2025/10/02 16:10

TAD、さらなる “深化” を謳うフロア型スピーカー「TAD-E1AX」。ペア約330万円から

グロッシーホワイトもラインナップ
編集部:太田良司
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テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、革新的な技術の導入をコンセプトとする “Evolutionシリーズ” から、フロア型スピーカー「TAD-E1AX」を発売する。

カラーバリエーションはブラック/グロッシーホワイトの2色展開。それぞれ価格/発売時期が異なり、ブラックが1,650,000円で2025年12月下旬、グロッシーホワイトが1,705,000円で2026年1月中旬に発売予定となる(価格はすべて1本ごと/税込表記)。

「TAD-E1AX」(ブラック)

TAD-E1AXは、2018年の発売以来全世界で好評を博したという同シリーズのフロア型スピーカー「TAD-E1TX」の後継機種。25mmトゥイーター/90mmミッドレンジを同軸配置した「CSTドライバー」と、2基の160mmウーファーを搭載した3ウェイ・バスレフ構成となる。

加えて、フロア型スピーカー「TAD-GE1」において採用した、低次の定在波モードを低減する「AFAST(Acoustic Filter Assisted System Tuning)」や、豊かな低域を再生する「Bidirectional ADP(Aero DynamicPort)システム」などの技術も取り入れ、前モデルからさらにサウンドを深化させたと謳っている。

独自のCSTドライバーは、ミッドレンジのコーンで同軸配置されたトゥイーターの指向特性を制御し、トゥイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンを両立。CSTドライバーのみで420Hz - 60kHzという広帯域をカバーする。

トゥイーターには、ブックシェルフ型スピーカー「TAD-ME1TX」と同様、真空蒸着法で製造したベリリウム振動板を採用。コンピューター解析による最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を用いて形状設計し、分割振動とピストンモーションの最適なバランスを導き出すことで、60kHzまでの再生を実現した。

ミッドレンジの振動板には、軽量かつ内部損失の高いマグネシウム合金を導入し、陽極酸化処理と塗装による複合処理を実施。これによって、表面硬度のさらなる向上と損失付加を図るとともに、ボイスコイルからのリード引き出し部のわずかな共振を抑えることで、歪みの少ない澄み切った中音域を再現するという。

また、磁気回路を抱えるフレームバスケットのアーム部の形状を見直すことで、大幅な強度アップとミッドレンジ背面におけるスムーズな音波の伝搬も実現したと説明する。

ウーファーには、アラミド織布と異素材の不織布をラミネートした「MACC(Multi-layered Aramid Composite Cone)振動板」を採用することで、豊かでクリアな低域再生とカラレーションのない中低域再生を追求。

「LDMC(Linear Drive Magnetic Circuit)」を搭載した磁気回路をブラッシュアップすることで駆動力とリニアリティーを高め、発泡ポリカーボネートのコルゲーションエッジにより支持系のリニアリティーも向上。さらに、ウーファーフレームも強力でリニアな駆動力を受け止めるようアーム部の形状を見直し、強度アップとスムーズなエアフローを実現したという。

「TAD-E1AX」(グロッシーホワイト) 

エンクロージャーには、「SILENT(Structurally Inert Laminated ENclosure Technology)エンクロージャー」 を採用。高剛性のバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに使用し、内部損失の高いMDF材と組み合わせることで高い強度と低共振を兼ね備えたとしている。さらに、エンクロージャー内部の低次の定在波モードを低減する「AFAST」により、最適な吸音材を選定し効果的に配置することで、音像・音場に悪影響を及ぼす内部定在波を抑制したとのこと。

底部には「Bidirectional ADPシステム」を導入。エンクロージャーの底部にポートを配置し、開口部を前後へレイアウト。そのポート内部をホーン形状にすることで、ポートノイズの低減と駆動効率の改善を図り、クリアでレスポンスのよい中低音再生を目指した。

ポートフレアにはアルミダイキャストを使用するとともに、ポートを前後の対称レイアウトにすることで、エンクロージャーへの振動伝搬を抑制。さらに、10mm厚の鋼板製ベースプレートを採用することで、安定した設置を可能にし、強力な駆動力を持つウーファーのリアクションをしっかりと低減している。

カラーについては、従来機種のブラックに加え、グロッシーホワイトを新たにラインナップ。熟練の職人による塗装の吹き付け作業や下地塗装の研磨、最終の磨き上げの工程など丁寧に時間をかけ、美しく仕上げたとアピールしている。

周波数特性は29Hz - 60kHz、クロスオーバー周波数は420Hz/2.5kHz、感度は88dB(2.83V・1m)、インピーダンスは4Ω。外形寸法は347W×1,146H×518Dmm、質量は54kg。設置時に使用する滑り止めパッドや、お手入れ用のクリーニングクロス、音質への影響を最小限に抑えたウーファーグリルなどが同梱する。

 

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