HOME > レビュー > NCF素材の投入で一層の再現性向上を狙う。フルテック「Speakerflux NCF-05」クロスレビュー!

PRオーディオアクセサリー銘機賞2026【グランプリ】受賞モデル

NCF素材の投入で一層の再現性向上を狙う。フルテック「Speakerflux NCF-05」クロスレビュー!

公開日 2026/03/05 06:35 福田雅光/林 正儀/井上千岳/鈴木 裕/炭山アキラ/生形三郎/園田洋世
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

フルテックのトップラインとなるスピーカーケーブル「Speakerflux NCF-05」が、オーディオアクセサリー銘機賞2026の〈グランプリ〉を獲得した。導体には高密度のα-OCCを採用、プラグはNCF処理がほどこされたステンレス合金の削り出しに、カーボンファイバー仕上げとするなど高音質化が図られている。審査委員7人の評価をお送りしよう。

FURUTECH スピーカーケーブル「Speakerflux NCF-05」(437,800円/2.5mペア/税込)

NCF素材を適用することで再現性が向上/井上千岳

Speakerflux NCF-05は、ハイエンド・グレードのモデルとして知られてきたSpeakerfluxにNCF素材を適用することで、一層の再現性向上を図った製品である。

NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)は独自の静電除去素材で、これを使用したコネクターのYラグ「CF-201 NCF Plus(R)」とバナナプラグ「CF-202 NCF Plus(R)」で端末処理を行っている。

ハウジングは非磁性ステンレスの本体に二層のコートを施した構造で、外装は特殊クリア硬質コート塗装。その下側にNCFと銀メッキを加えたカーボンファイバー層を持つ。またこのコーティングの先の制振材固定リングにも、ナノサイズのセラミックパウダーとカーボンパウダー、それに耐熱性NCF液晶ポリマー樹脂が調合されている。このマルチマテリアル・ハイブリッド構造が、今回の大きな特徴である。

ケーブル本体はα-OCC導体による撚線2芯構造で、絶縁はポリエチレン。コットン介在の上にPETとアルミテープのシールドを施し、ドレイン線も装備する。またプラス/マイナスの分岐部には、ケーブルダンピングリングも装着されている。

エネルギー・バランスをやや下寄りに設定して安定したレスポンスを作り出しているが、高域方向にも抜けがよく細かな余韻がさらさらとした感触でたっぷりと乗っている。バロックは弦楽器が厚手に描かれて、肉質感に富んだ音調がずっしりと引き出される。

ピアノは重量感のあるタッチが厚手の芯を持ち、暖色的な音色で肉付きのいい質感を作り上げる。低域のエネルギーが強力で、音楽の構成をベースから支えている印象がある。骨太と言っていい。

オーケストラも切れがよく、それが腰の落ちたバランスで疾走する感覚だ。このため低音弦もティンパニーや大太鼓も力強さに豊かな響きが乗り、陰影の濃い再現が引き出されている。楽器どうしの分離もよく、歪みや刺々しさを感じさせない円やかな厚みが静かな背景の中で丁寧に描かれている。密度の高い再現性である。

ノイズフロアが下がり見晴らしが清々しい/林 正儀

フルテックのハイエンドグレードらしい、圧倒的にリアルな再現力を持つスピーカーケーブルだ。使い慣れたα‐OCC導体に加え、同社最上位のYラグとバナナプラグの採用がサウンドに効いている。さらに劇的なのは、NCFシリーズ採用のコネクターであることだ。

ノイズフロアがぐんと下がり、ヴォーカルやギターなどローレベルの見晴らしが清々しい。ノイズの劇的な低減はいうまでもなく、カラーレーションや濁りを抑えて伝送力を強化。広々と立体的なサウンドステージが約束される。ここまで音源そのものを生々しく聴かせるのかと感嘆するほどだ。

アンプからスピーカーへと音楽の躍動がピュアに伝わり、機器のグレードまで上がったかのようだ。

レスポンスに優れた躍動力が魅力/福田雅光

α‐OCC導体を採用し、被覆に特殊素材NCFを加えた作用が制振効果を発揮。表現力は、透明度が高く厚みのある中間帯域を構成している。レスポンスに優れた躍動力が魅力となり、低音は引き締まって瞬発力の高い性能がある。安定したSN比の高いトーンバランスはNCFの効果が現れているのだろう。

こうした初期状態がみられるが、24時間程度接続したままにすると、接点のイオン結合でさらに冴えた音を発揮する。それからが本来の解像力の高い性能である。端末はアンプ側にYラグ、スピーカー側にバナナプラグを装着。ロジウムメッキの高級端子が使われている。

情報量が多く分解能の高さが感じられる/鈴木 裕

エリック・クラプトンの「アンプラグド」から聴き始めると、基本的に情報量が多く分解能の高さが感じられるスピーカーケーブルだ。低音感は結構あるが、鮮度感も高く、かなり高いエネルギー感も伝送することができる。

ファビオ・ルイージ指揮、フィルハーモニア・チューリッヒの『リヒャルト・ワーグナー前奏曲と間奏曲集』から「ニュルンベルクのマイスタージンガー:前奏曲」を聴くと、中高域の透明感は高く、音の浸透力も高かった。例えて言うと、オーケストラの中のトライアングルもよく聴こえる。個人的には中域の存在感が高いとさらに良いと思った。

大変な器の大きさと自然さを持つ/炭山アキラ

本ケーブルでレファレンス機器をつなぎ、最初の一音が出た瞬間にその本質がさらけ出される。まず、ノイズフロアがここまで下がると音楽はこれほどディテール表現が豊かになるのか、ということだった。f/Dレンジともに極めて広大で、かつ帯域内に強調感、欠落感が一切ない。音場はどこまでも広く、そしてそれを隅々まで見晴らせる通りの良さがある。

また、その膨大な情報量を何ほどのこともないかのように描き出し、それが一切の引っかかりなく耳へスルリと入っていくことは、まるで何かの魔法にかかったようだ。世界中の綺羅星のようなハイエンド・スピーカーにこそ使ってほしい、大変な器の大きさと自然さを持つスピーカーケーブルである。

心地よいサウンドで厚み豊かな音楽再生/生形三郎

フルテックのハイエンドクラス・スピーカーケーブルとして、同社の上級モデルらしい絢爛豪華なサウンドが楽しめるスピーカーケーブルに仕上がっている。NCFをはじめとするフルテックのノイズ及び振動対策技術がふんだんに盛り込まれた静けさ表現と、豊かな低域量感や滑らかな質感描写で、どのようなソースも心地よいサウンドで厚み豊かな音楽再生を楽しませてくれる。

フルテックの最上位機種Yラグ端子やバナナプラグ、そして、振動対策のスタビライザーを搭載したスピーカーケーブル自体の見た目も、まさにそのサウンドを体現する上質さと高級感に溢れる構成となっており、重厚感を求める向きの所有欲を満たしてくれる仕様と言えるだろう

低域の制御力に優れS/Nや解像度を高める/園田洋世

音像の彫りが深いスピーカーケーブルで、特に低弦は「ゴリッ」と鳴る。他方でチェンバロの鮮度感が非常に高い。プラグ等に入念に施された静電気・振動対策と、導体の高い品質が、低域の制御力とS/Nそして解像度を相当に高めているからであろう。

私がよく聴くタン・ドゥン『交響曲1997「天、地、人」』では冒頭の鐘の音色と質感に「本物感」とでも表現するしかない生々しさが感じられて驚いた。太鼓群の音圧も凄い。録音時の演奏会場の空気が、試聴室の空気と一体化して動いて聴き手を包み揺り動かすこの不思議な感じ……。

安価なスピーカーケーブルではないが、この独特のダイレクト感・迫真の描写力を体験すると割安にすら感じられてしまう。


(提供:フルテック)

※本記事は『季刊・オーディオアクセサリー 199号』からの転載です。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク