• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/08/05 14:53

「完全な点音源」で原音再生を可能に − KEFの技術トップがUni-Qドライバーや最新スピーカーを語る

KEF Music Laboratoryの音響監修も担当
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
KEF JAPANは7月26日、フラグシップスピーカー「MUON」や9.2.4chカスタムインストレーションホームシアターの視聴環境を用意した体験型ショールーム「KEF Music Laboratory」を東京・有明にオープンさせた(関連ニュース)。

KEFの製品を最高の環境で試聴できることをコンセプトとした施設を作るのは、ここ日本が世界初になるとのことだが、これはKEFが日本市場を重要視し、さらには日本のファンが音質に対して高い意識を持っていると考えていることの現れだろう。実際、KEFはこの施設に力を入れており、KEFのアコースティック・エンジニアのトップ自らが監修を務めたほどだ。

KEF Head of Acoustic Jack Oclee-Brown氏

プレオープンセレモニーに合わせて、KEF Music Laboratoryの音響設計の監修を行ったJack Oclee-Brown(ジャック・オクリー・ブラウン)氏が来日。PHILE WEBでは、KEFの技術面を統括する存在であるブラウン氏に、改めてスピーカーブランド KEFの強みについて伺った。また、KEF Music Laboratoryにおける音響設計についてもお話しいただけた。



MUONやBladeなどスピーカー銘機の開発に携わる

ーー まずはMUONによるステレオ再生と、カスタムインストレーション・スピーカーによる9.2.4chサラウンド再生のサウンドを実際に聴かせていただきました。詳細は追って伺うとして、いずれもピンポイントでフォーカスの合った生々しいサウンドで、仕事を忘れて聴き入ってしまいました。

ブラウン氏 ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいです。耳の肥えた日本のファンのみなさんに、KEFの最高のサウンドを楽しんでいただくために、試聴室の設計段階から機器の選定まで、私が監修を行っています。

「KEF Music Laboratory」の視聴ルーム

ーー KEF Music Laboratoryについても追って詳しく説明していただきたいのですが、まずはぜひこの機会に、KEFのエンジニアリングのトップであるブラウンさんに、KEFの技術についてお話を伺えたらと思います。

ブラウンさんは正式には「Head of Acoustics」という肩書きですが、KEFでどのような役割を務められているのか、そこに至るキャリアも含めて教えていただけないでしょうか。


ブラウン氏 現在、KEFには10名のアコースティックエンジニアがいますが、私は彼らを統括する立場です。スピーカーシステムをはじめとするオーディオ製品の開発はもちろん、スピーカーに関わる技術面の全領域にわたる研究・開発に携わっています。

私の経歴ですが、子供の頃からオーディオが好きで、15歳の時には自作スピーカーを作っていました。そして大学では、音響に加え、数学や物理学も学びました。大学時代にはインターンとしていくつかのオーディオメーカーに関わりましたが、大学を卒業するタイミングでKEFから声がかかり就職しました。以来、KEFに15年務めています。

KEF一筋15年、数々の名機の開発にも携わったブラウン氏

開発に携わった製品は多数ありますが、最初に関わったのはサラウンドスピーカーパッケージ「KHT3005G」です。その後、現在でもフラグシップとしてラインナップされている「MUON」にプロトタイプ開発から関わり、Hi-Fi用スピーカーのトップエンド「Blade」については基礎研究から取り組みました。タンジェリン・ウェーブガイドやシャドウフレアなど、近年のKEFのスピーカーに採用されている技術の研究開発も行ってきました。

ーー 数々の製品を手がけられた中で、特に印象に残っているモデルというのはありますでしょうか。

ブラウン氏 ひとつだけ挙げるならば、やはりBladeでしょうか。BladeはKEFが理想とする音を追求するために、制約を設けることなく徹底した研究開発をチームで行いました。レイモンド・クックの時代からKEFはスピーカー技術の最前線を走ってきましたが、Bladeはそのひとつの到達点と言っても過言ではないでしょう。

ブラウン氏が手がけたモデルの中でも特に印象に残っているという「Blade」

次ページ“完全な点音源”を実現するUni-Qドライバー

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Beats、ブランド史上最小の完全ワイヤレス「Solo Buds」。ケースにバッテリー非搭載
2 2023年後期朝ドラ『ブギウギ』の総集編放送。GW期間中にNHK総合とBSプレミアム4Kで
3 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
4 オスカー受賞『ゴジラ-1.0』4K UHDをフラゲ!特典盛りだくさんのパッケージ開封の儀
5 女子プロゴルフ「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、5/2からの放送・配信予定
6 英・コード製プリメインアンプの実力恐るべし!「Ultima Integrated」をB&W「800 D4シリーズ」で徹底検証
7 【moraアニソンTOP10】本当に令和? 「ツバサ」「Get Wild」がまさかのランクイン!
8 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
9 Dolby Vision&Atmosでゴジラの圧倒的迫力と世界屈指のVFXを堪能!4K UHD BD版『ゴジラ-1.0』徹底レビュー
10 (nb)の耳を塞がないイヤホン「Open+」、発売日が5/17に決定。割引キャンペーンも
5/2 10:40 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX