KEF、FOCALなども登場の後半戦をお届け

ペア10万円以下スピーカー一斉テスト(後編) ベストバイ決定! B&WやJBLなどの実力機が登場

生形三郎

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2019年04月23日
前回に引き続き、オーディオ評論家 生形三郎氏による約10万円以下のブックシェルフ型スピーカーの一斉試聴レポートをお届けする。後半では7モデルのレポートに加え、さらには全体を通じての筆者お薦めモデル、スピーカー選びのコツも紹介する。

今回試聴した13機種のスピーカーシステム(上写真は定点から撮影したものを合成しているので、各モデル同士のサイズ比は実際にほぼ忠実だ)

>>記事前編
買って後悔なしの「ペア10万円以下スピーカー」はこれだ! 本命13機種を一斉レビュー(前編)
※試聴方法や組み合わせた機器の詳細等も前編で紹介している

試聴は(株)音元出版の試聴室にて行った。使用したシステムは前編で紹介している

【試聴モデル】
<前編>
・YAMAHA「NS-B330」 43,000円(税抜)
・ECLIPSE「TD307MK2A」 44,000円(税抜)
・Monitor Audio「BRONZE 1」 44,000円(税抜)
・ELAC「Debut B5.2」 55,000円(税抜)
・DALI「OBERON1」 57,000円(税抜)
・TEAC「S-300HR」 ¥OPEN(予想実売価格62,000円前後)

<後編>
・KEF「Q350」 68,000円(税抜)
・ONKYO「D-212EXT」 71,000円(税抜)
・B&W「607」 90,000円(税抜)
・DYNAUDIO「Emit M10」 ¥OPEN(予想実売価格90,000円前後)
・JBL「4312MII」 94,000円(税抜)
・FYNE AUDIO「F500」 98,000円(税抜)
・FOCAL「Chorus 706」 106,000円(税抜)


<試聴モデル7>
KEF「Q350」 68,000円(税抜)

KEF「Q350」

【主なスペック】 外形寸法:210W×358H×306Dmm、質量:7.6kg、ユニット:25mmベンテッド・アルミニウム・ドーム HF/165mmアルミニウム Uni-Q、カラー:ブラック/ウォールナット/ホワイト、再生周波数帯域:63Hz-28kHz、能率(2.83V/1m):87dB、インピーダンス:8Ω、推奨アンプ出力:15-120W、クロスオーバー周波数:2.5kHz、端子:バナナプラグ対応

■正確なタイムアライメントの実現が成せる技

イギリスの名門スピーカーブランドの一つKEFは、かの伝説的な小型BBCモニター「LS3/5a」スピーカーを世に送り出したことで知られる。コンピューター解析によるスピーカー設計手法をいち早く確立し、音の発音タイミングを揃えるタイムアライメントを最適化したスピーカーシステムを実現。その技術を活かした独自の同軸ユニット“Uni-Qドライバー”を1988年に誕生させ、現在もなお12世代にわたって刷新を繰り返す。

試聴室に設置したQ350(以降、サイズ感をわかりやすくするために各製品を定点で撮影している)

Uni-Qは、ハイエンドスピーカーから本機のような小型のブックシェルフ、そしてBluetoothスピーカーなどまで、同社が展開する幅広いラインアップのすべてに採用されている。本機Qシリーズは、そんな同社製ハイファイスピーカーにおけるスタンダードモデルで、1991年の登場から優に8代目を数えるロングセラーシリーズだ。

そのサウンドは、Uni-Qドライバーならではの明瞭な中高域表現と、同軸型ならではの明晰な定位感を楽しめるものだ。楽器の音像自体や、それらが配置される空間の再現が実に明快で、ピントが合って澄み切った視界を提供するのである。同時に、音域を問わず発音のタイミングやスピード感が整えられており、何とも爽快だ。

背面端子部

この辺りの表現は、同社がこれまで長年培ってきた高度な解析技術に裏打ちされた、正確なタイムアライメントの実現が成せる技だろう。一方で、低域の再現はとにかく量感が豊かで、音楽のボトムサイズが大きく確保されている。どんなソースを再生してもドライにならず、温かみある音で音楽を楽しませるのだ。

【相性のよかった音楽ジャンルとそのポイント】
明瞭な中高域表現は、特にヴォーカルソースをプレゼンス高く再生し、また、低域の量感が豊かなため、小音量再生時でも音が痩せない。低域成分が控えめなソースもリッチな音で楽しむことが出来た。



<試聴モデル8>
ONKYO「D-212EXT」 71,000円(税抜)

オンキヨー「D-212EXT」

【主なスペック】 外形寸法:188W×303H×297Dmm、質量:6.1kg、ユニット:30mmリング型トゥイーター/130mm N-OMFコーン・ウーファー、再生周波数帯域:37Hz-100kHz、能率:84dB/W/m、インピーダンス:4Ω、最大入力:120W、クロスオーバー周波数:2.5kHz、端子:バナナプラグ対応

■リスナーを鼓舞するかのようなパワフルさ

ONKYO(オンキヨー)は、言わずと知れた日本の老舗オーディオメーカーであるが、とりわけミニサイズで良音質が楽しめる、コンパクト・コンポの分野で圧倒的なシェアを築いてきたブランドだ。本スピーカーも、そんなコンポと共に進化してきた小型のブックシェルフ・スピーカーである。自社開発振動板を採用したウーファーと、100kHzまでの再生を可能とするリング状振動板を採用するトゥイーターという、高性能ユニットを組み合わせた2way構成を採る。

試聴室に設置したD-212EXT

同社のブックシェルフ型の中では、15cmウーファーを搭載する「D-412EX」に次いで、2番目の大きさとなる。ユニットには、それぞれ音響特性を改善させるフェイズプラグが組み込まれるほか、ターミナル端子には音質には有利だが加工精度が求められる埋め込み式が採用されるなど、この価格帯ながら、徹底したこだわりが貫かれている。

音が出た瞬間に実感するが、実にパワフルで豪快なサウンドが楽しめるスピーカーなのである。どっしりとした重みと迫力に満ちた低音がダイレクトに胸へと迫ると共に、高域も強いエネルギー感に満ちた輝かしい音でこちらに訴えかけてくる。音楽ソースを派手やかに楽しませてくれるのだ。

サランネットを装着したところ

背面端子部

ロックやジャズでは、バスドラムやベース楽器の支配力が強く、図太いサウンドが快い。ヴォーカルやギターなども実に明瞭で、特にクラシックでは空間描写が極めて鮮明に描き出される。場の空気感が明瞭なのだ。総じて、リスナーを鼓舞するかのようなパワフルさを持っている。

【相性のよかった音楽ジャンルとそのポイント】
全般的にオールジャンルとの相性が良いが、パワフルかつ派手なサウンドを存分に楽しめるので、気分を高揚させてくれる曲調の音楽を再生すると、よりその力が十全に発揮された。

大本命?のB&Wが登場。さらにディナウディオなど強豪ひしめく価格帯をチェック

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