様々な入力系統や機能をテスト

ティアック「NT-503」レビュー。“Reference”に加わったネットオーディオ対応の多機能機

土方 久明

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2015年10月27日
Bluetooth再生機能を試す

本機にはBluetooth再生機能が備わっている。ピュアオーディオとしてBluetoothをどう捉えるかは、いろいろな意見があると思うが、この機能を実装した事は今後大きな意味を持つだろう。なぜならば、近い将来はApple MusicやAWAを始めとするストリーミングサービスが、音楽鑑賞の大きな軸となる可能性が高いからだ。

そしてそのプラットフォームの主役は、iPhoneやAndroidを始めとするモバイル端末。Bluetoothはそのようなモバイル端末とピュアオーディオ機器を“ワイヤレスで手軽”に接続できる規格だ。

iPhoneなどからBluetoothで本機に音声を入力することもできる

嬉しいことに、NT-503はBluetooth標準コーデックとなるSBCのほか、aptXとAACという2つの高音質伝送コーデックにも対応している。aptXは主にAndroid端末、AACはiPhoneやiPadに使われている。本機一台で、どちらにも対応できるのは嬉しいところだ。

今回は手持ちのiPhoneで使用しているApple Musicから、いろいろなジャンルの音源を再生してみた。再生が始まるとフロントディスプレイにAACと表示が出て、高音質規格で接続されているのが視覚的にわかるのが良い。

聴く前はかなりの音質差を覚悟していたのだが、実用的にはソコソコ聞ける印象。同席していた編集部・小澤氏と二人で感心してしまった。

もちろんオーディオマニアの耳で聞けば、上下方向のレンジ感、解像度などは、デジタルファイルをダイレクトに再生した音質には遠く及ばないが、後述するアップコンバート機能と組み合わせることにより、実用的なレベルでは十分使えそうだ。遊びに来た友達や家族の音源を簡単に再生してあげれば喜ばれると思う。

かなり使える「アップコンバート機能」と「デジタルフィルター機能」

今回のレビューで予想以上に好結果だったのが、本機に備わるアップコンバート機能とデジタルフィルター機能だ。本機のアップコンバート機能は、PCMデジタル信号を2倍、4倍、8倍できることに加え、DSDアップコンバートも可能。デジタルフィルター機能は、オーディオ帯域外の信号をカットするロールオフ特性を変更することにより、音調を変化させることができる。

DSDアップコンバートも可能

今回はハイレゾ音源に加えて、44.1KHz/16bit音源をBluetoothで再生し、音質や音色を確認してみた。結論から話すと、この2つの機能はかなり「使い物になる」印象だ。特にBluetoothの音源に対してDSDアップコンバートをかけると、スピーカー周りの空間表現が広がり、音に艶が出る。魅力的な音楽性の高い音に変化するのだ。

またデジタルフィルターを使用すると、エッジを立てて音が浮き出るような表現や、逆にマイルドな表現に楽曲の聴感特性を変化させることも可能であった。今までであれば、機材を買い換えることでしかできなかった、こういった音の違いを楽しむことが一台で実現できる。これはかなり嬉しい。

ヘッドホンアンプやプリアンプとしての実力は?

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