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大ヒットモデル上位機の実力を探る

ティアック「UD-503」を山之内 正がレビュー。プリとしての使い勝手やクロック入力まで徹底検証

2015/08/25 山之内 正
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少し前までD/Aコンバーターはオーディオシステムの脇役に過ぎなかったが、いまや主役クラスに昇格したと言っていいだろう。

パソコンをオーディオに組み込むスタイルが広がるなか、USB-DACが急伸し、大きな潮流に成長したのだ。その流れを加速させた重要な製品群の一つが、ティアックが3年前に投入したReferenceシリーズで、なかでも主力モデルのUD-501はデスクトップオーディオの核となる単体D/Aコンバーターとして人気が高い。そして、その上位機種として新たに登場したのがUD-503である。

UD-503(ブラック)

UD-503(シルバー)

進化したポイントは、アナログ入力の追加、プリアンプ機能の内蔵、ヘッドホン出力のバランス接続対応など多岐にわたる。特に、プリアンプ機能があると用途が広がり、組み合わせの自由度が上がることに注目したい。本格的なシステムに組み込んでパワーアンプ直結で使ったり、アクティブスピーカーと組んでミニマムなデスクトップシステムを狙うなど、選択肢は一気に広がる。

UD-503(左)とUD-501(右)。よく見るとかなりデザインに違いがある。高さもインシュレーターのぶん、UD-503の方が高い

クオリティへのこだわりもUD-501を上回る。DACチップをPCM1795からVERITA AK4490に変更してDSD 11.2MHzへの対応を果たしたほか、デュアルモノラル構成のコンセプトを継承したうえでDAC以降のアナログ出力回路をバランス化。

DACチップにはAKM AK4490を採用

バランス出力用のXLR端子を装備した

XLR出力はもちろんのこと、TRS端子を用いたバランス接続のヘッドホンリスニングの音質改善を果たした意味は大きい。電源回路は今回もトロイダルトランスを左右独立で搭載する贅沢な構成を受け継ぐ。そのほか、3点支持のフットを金属製のピンポイント形式に変更したり、読みやすさ抜群の白色OLEDディスプレイを採用するなど、地味ながら実効性のある改良も行われた。マニアックな装備として、10MHzの外部クロック入力に対応した点にも注目したい。

UD-503のピンポイントフット

左がUD-501、右がUD-503の底部


UD-503に搭載されたピンポイントフットの構造

10MHzの外部クロック入力端子を装備

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