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様々な入力系統や機能をテスト

ティアック「NT-503」レビュー。“Reference”に加わったネットオーディオ対応の多機能機

公開日 2015/10/27 10:19 土方 久明
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USB-DAC再生機能を試す

続いて、USB-DACからの再生を試みる。本機は評価の高いUD-503と共通のUSB-DAC回路を持っているので、音質的にはかなり期待できる。

今回は、MacBook Pro(Early 2015 Core i7 3.1GHz OS X Yosemite)に「TEAC HR Audio Player」をインストール。まずは注目の32bitフロート音源である、浜崎あゆみ「sixxxxxx」(WAV 32bit float /48kHz)を聴く。彼女の楽曲は、avexグループの中でも先進的な試みで製作される事が多く、個人的にも高く評価している。

なお余談だが、32bit音源はすべてWAVファイルを使用する。その理由は、現在のFLAC規格(Ver.1.3.1)が32bitに対応していないためだ。

気になる音質は、イントロのボーカルソロを聞いただけで違いが分かるほど良好だ。眼前にアーティストがいるような音像感、そして実体感は、今までとは少し別の次元にあると言っても過言ではないかもしれない。さらにバックミュージックの音数が増えてくると32bitの本領が発揮され、音がまったく団子にならない、底なしの表現力を見せつける。これにはかなり驚かされた。

次に聞いたμ's(ラブライブ!)「Snow halation」(wav 96kHz/32bit)では、アーティストが一直線に並ぶ定位感や、なによりもボーカルの浸透力が素晴らしい。ファンが聞いたら涙モノだろう。32bit音源は音数の多さとボーカルの表現力に秀でている印象があり、製作環境の都合も考えると、今後はメジャーアーティストの音源リリースも数多く期待できる。オーディオファンにはたまらないフォーマットとなる可能性がある。

続いてDSD 11.2MHzの再生。東京キネマ・ジャズトリオ『ジャズ・シネマ・ファンタジー』は、ネイティヴDSD 11.2MHzでのレコーディング。切り貼りの編集を一切行わない意欲作だ。こちらはDSDらしい空間表現を見せつけ、改めてこのフォーマットの素晴らしさを体験させてくれた。もし本機を導入したら、このようなハイスペックのハイレゾ音源再生にチャレンジして、オーディオの究極を体験して頂きたい。

本機で再生したハイスペックな音源の音が良く、ついつい音源の話が多くなってしまったが、一つ付け加えたい事がある。それは、本機をUSB-DACとして使う場合、大きな付加価値として、ハイレゾに対応した再生ソフト「TEAC HR Audio Player」が付属するということ。

「TEAC HR Audio Player」の画面

このソフトは事前に面倒な設定が全く必要なく、使いやすく優れた再生ソフトだ。このような再生ソフトが用意されていないUSB-DACでは、汎用のソフトを使用しなくてはならない周知の事実だが、今でもDSD周りの設定が面倒で、特にWindowsではこの問題に悩まされる場合も多いのが実情ではないだろうか。

筆者は多くのベテランオーディオファンにPCオーディオやネットワークオーディオを教えてきて、汎用ソフトの設定に困る現場を目撃してきたのだが、NT-503では、Windows/Macいずれにもこのソフトがインストールできる。この大きなアドバンテージは見逃さないで欲しい。

ネットワーク再生とUSB-DAC再生の音を比べてみる

さてここで、NT-503のネットワーク再生とUSB-DAC再生について「どちらの方式が音が良いのか」「音色に差はあるのか」という疑問を解決しようと、両方の再生方式を比較してみた。

結果として、基本的には情報量が豊かでハイスピードな音は変わらないが、ネットワーク再生の音を基準として表現すると、USB入力での音は、さらにガッチリとした密度感の高い音の傾向だ。どちらの再生方式もオーディオ的な表現力は高いので、音質的、音調的な差を楽しんでもらいたい。

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