「Classic Session:Hayato Sumino」も配信開始

ピアニスト“かてぃん”角野隼斗が「Apple Music Classical」アプリの魅力を語る。生演奏も披露

公開日 2024/03/25 12:40 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルが今年1月にサービスをスタートしたクラシック音楽専用のストリーミングサービスアプリ「Apple Music Classical」。そのローンチを記念して、3月22日(金)に表参道のアップルストアにて「Today αt Apple」イベントが開催された。アンバサダーを務めるピアニスト・角野隼斗さんが登場し、生演奏を披露するとともに、Apple Music Classicalの魅力や使いこなし方を語った。

表参道のアップルストアに角野隼斗さんが登場

Apple Music Classicalは、500万曲を超えるクラシック楽曲が毎月定額で楽しめるサブスクリプションサービス。クラシック音楽は作曲家や指揮者、オーケストラ、演奏者、録音場所などさまざまな情報から曲を検索したり聴き比べたりするため、クラシックファンにとって使いやすいよう、Apple Musicからは独立したアプリケーションとして用意されている。

YouTubeでは「かてぃん」名義で活動するなど、新たなクラシックファンを広げる活動を続けてきた角野さん。アンバサダーを引き受けた背景について、「クラシック音楽の楽しさを少しでも広げられる助けになればと思って喜んで引き受けました」と語り、「クラシックの愛好家は年齢層が高いとも言われていますから、それを次世代に繋いでいくのは音楽家の使命と考えています」と自身の役割について改めて強調する。

「クラシックの楽しさを広げたい」と語る

イベントでは、iPhoneのApple Music Classicalアプリを大画面に表示しながら、具体的な使いこなしを紹介。角野さんは、「特に“見つける”が面白いです」とし、「クラシック音楽は同じ曲に対してさまざまな録音があることが大きな特徴です。自分が演奏するときに、世の中にどんな解釈や録音があるか知りたい、と思ったときに、アプリからだととてもやりやすいですね」と自身の使い方を公開する。

「見つける」からは、さまざまな切り口でクラシック音楽を掘り下げることができる

例えば、レナード・バーンスタインといえば指揮者としても広く知られるが、実は映画音楽も多く手掛ける作曲家の顔もある。アプリからはその2面性をすぐに確認できるなど、アーティストの活動を多面的に学ぶことができる。

また、ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲 第2番」では、曲の長さでソートできることも紹介。「曲の長さ、つまり演奏する速さは曲の解釈に置いて非常に重要な要素となります。その聴き比べが簡単にできるのは非常に便利ですね」と賞賛。加えて「リリース日でもソートできるようですが、録音日でソートできるとなお良いですね」と機能アップデートもリクエストする。

「曲の長さ」からソートできるのも特徴

「初めてクラシック音楽を楽しみたい人にはどう使うのがオススメですか?」という質問に対しては、「自分の好きな音楽を聴いていくのが良い」と前置きしながら、「プレイリストの活用もオススメです」と紹介。プレイリストは作曲家ごとの代表曲や時代ごとのベスト、ムード&アクティビティなどさまざまなものが用意されているので、その中から気に入った音源をさらに掘り下げていくことが簡単にできる。

21世紀のクラシック音楽など、知らない音楽に出会えるのもサブスクならではの魅力

さらに、イベント当日より、Apple Music Classical限定で「Classic Session:Hayato Sumino」の配信がスタートした。配信限定の録りおろし音源で、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」とスカルラッティ「鍵盤ソナタ ニ短調K.9」、自身作曲の「追憶」の3曲が配信されている。

ロンドンで空間オーディオで収録したという「Classic Session:Hayato Sumino」。バッハからオリジナル楽曲まで3曲が配信されている

この音源はドルビーアトモスとハイレゾロスレスで配信されている。録音時のエピソードについて、「ピアノ1台だけでの収録ですので、あまり空間オーディオならではの工夫の余地があるわけではないのですが、少しこの音は後ろから聴かせてみよう、などとエンジニアさんと相談しながら曲を仕上げていきました」と振り返る。アプリでは角野さんのコメントとともに楽しむことができるので、彼のメッセージを言葉と音楽の両面から知ることができる。

作曲においてインスピレーションのもとになるものについて尋ねられると、「たくさんありますが、自分が体験したことがないものを体験したときなどにメロディがひらめくこともあります。そういうのをすぐに録音しておくようにしています」と語る。

付け加えて、「唯一無二と言われるものも、過去の誰かが作ったものからの引用で成り立っています。ですから、過去を学ばないと新しいものは生まれません。たくさん知ることが大事ですし、それを自分がどう感じたのかを言語化していくことが大切です。その積み重ねの中からこうしたら面白いんじゃないか、というアイデアが徐々に生まれてくると思います」と自身の作品づくりのノウハウを公開する。

Apple Music Classicalではさまざまな時代の作品に手軽に触れることができるのは大きな魅力

グランドピアノの生演奏では、配信もされているバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」やショパン「子犬のワルツ」、ショパンのエチュードを元にした自作の「胎動」などを披露。透明感高く豊かな音色がアップルストア全体を満たし、来場者の心に強い印象を遺していた。

グランドピアノでの生演奏も披露した

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE