KX-3シリーズの5世代目

クリプトン、最新素材と熟練技術を融合した“入魂”の 2ウェイ密閉型スピーカー「KX-3Spirit」

2018/09/14 PHILE WEB編集部
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(株)クリプトンは、2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカーの新製品として「KX-3Spirit」を10月下旬より発売する。価格は385,000円(税抜/ペア)。

「K-3 Spirit」

製品説明のため展示された「K-3 Spirit」(中央)

本製品はウーファー/トゥイーターを1基ずつ搭載する2ウェイ構成のブックシェルフ密閉型スピーカーで、同社がスピーカーシステムの “エースモデル” として位置づけている「KX-3シリーズ」の第5世代モデルとなる。

同社の製品戦略の中心に位置する “エースモデル” の最新機種

熟練したコア技術に加え最新の素材とテクノロジーを融合させて作り込んだとのことで、プレスリリースに先駆けた発表会では、同社のオーディオ事業部長、渡辺 勝氏が、モデル名に付けた通り「魂を込めたモデル」だと紹介した。

開発に携わった渡辺 勝氏

170mm径のウーファーにはクルトミューラーコーンを採用。また三菱電線工業が開発したワイヤー「MEXCEL」をエッジワイズ巻きすることで密度を高めた4層巻ロングトラベルボイスコイルと、ハイコンプライアンス設計を採用している。これにより、35Hzまでの低域再生限界を達成し、熟成した魅力的な中低域再生を実現するという。

35mm径のトゥイーターにはピュアシルク・リングダイアフラムを採用。ハイレゾに対応するため超高域再生用の砲弾型イコライザーを搭載し、また無酸素銅線を用いたエッジワイズ・2層巻ショートトラベルボイスコイルにより高能率・低歪で豊富な情報量の再生を目指した。

また、ウーファー/トゥイーターともに、高価で貴重という「オールアルニコ・マグネット磁気回路」を採用し、味わいがあり密度感の高い深みのある音質を実現したとする。

エンクロージャーは密閉型で、素材には木目の美しさから高級家具でも用いられる「スモークユーカリ」を採用し、ピアノ塗料にも使われるポリエステル塗料で仕上げている。渡辺氏はスモークユーカリ採用の理由について、「従来モデルで採用してきたピアノ仕上げに対応できる製作所が減少していること」「スモークユーカリは薬品処理により黒く硬い素材として仕上げることができ、音響的にも優れていたこと」という2つの要因を挙げた。

薬品処理前/後のユーカリ材を比較紹介する渡辺氏。黒い木材が加工後となっている

内部の吸音材には、同社の吸音フェルト「ミスティックホワイト」とウールを組み合わせて用いており、独自の内部吸音法により吸音材チューニングを施すことで理想的な制動特性を追求している。渡辺氏は「従来の工具では対応できないほど吸音材の配置が複雑になり、組み立ての現場では吸音材固定にわざわざ新しい機材を導入してもらった」と開発時のエピソードも語っていた。

内部配線には、マグネシウム単線を芯線にPC-Triple Cの撚り線を巻き付けた、特殊なケーブルを採用する。マグネシウムを採用した理由は、その物性からPC-Triple C線の振動を吸収する介在としての役割を持たせることができ、音への色付けを抑制することができるためだという。このケーブルと歪の少ない高音質ネットワーク回路を組み合わせることにより、ナチュラルな高音域再生を追求した。

その他、端子はバイワイヤリング接続端子を備えるほか、透過度の高いサランネットを採用することにより、音抜けのよい明瞭な再生を実現したとしている。

再生周波数帯域は40Hz〜50kHz、クロスオーバー周波数は3.5kHz、インピーダンスは6Ω、出力音圧レベルは87dB/W・m。また定格入力は50W、最大入力は150W。外径寸法は224W×380H×319Dmmで、質量は10.8kg。

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