クラスAを超えるクラスDアンプを目指して設計

<HIGH END>MYTEK、初となるパワーアンプ「BROOKLYN AMP」を発表

2017/05/24 オーディオ編集部:浅田陽介
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MYTEK DIGITALは、現地時間の2017年5月18日(木)〜22日(日)にかけて独ミュンヘンにて開催されたHIGH END 2017の会場にて、同社の最新プロダクトにして初のパワーアンプ製品となる「BROOKLYN AMP」を発表した。

MYTEK DIGITAL初のパワーアンプ「BROOKLYN AMP」

MYTEK DIGITALは、コンシューマーオーディオとプロオーディオの両面で製品開発を行い、これまでその双方で培ったテクノロジーを採用した「STEREO 192 DSD DAC」や「MANHATTAN DAC」などDSD対応DACで大きな支持を獲得してきた。昨今では同社として初めてとなるXMOS採用機であり、いち早くMQAデコードに対応した「BROOKLYN DAC」で高い注目を集めたことも記憶に新しいが、今回発表されたBROOKLYN AMPはそのペアとなるパワーアンプとして開発されている。

BROOKLYN AMPは、同社初にしてレファレンスに位置するパワーアンプ。ポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「CLEF」の開発から得た小型のクラスDアンプの設計技術を、さらに上位のサウンドを実現した上でこのBROOKLYN AMPに搭載した。

米シカゴで開催されたAXPONAで発表されたポータブルDAC/ヘッドホンアンプの「CLEF」

そのサウンドのコンセプトは、「ベストなクラスAアンプのサウンドを実現するクラスDアンプ」というもので、デュアルモノラル構成の回路構成による250W/8Ωのパワフルな駆動力を、BROOKLYN DACと同じハーフラックサイズの筐体にまとめ上げた製品となる。

また同社はBROOKLYN DACをプロの現場でも活用できるDAコンバーターとしても位置付けており、BROOKLYN AMPはブリーフケースに入れて持ち運ぶことができるコンパクトなプレイバック・システムという側面も視野に入れて開発されたことも特徴というべきだろう。

BROOKLYN DACと全く同じサイズの筐体を採用し、デザインも共通のものとした

そもそも同社は、BROOKLYN DACで11.2MHz DSDやDXDへの対応に加え、フォノイコライザー機能も搭載するなど、同機を「次世代のプリアンプ」として位置づけて開発した経緯がある。そんな同社が考えるBROOKLYN DACを中心としたプレイバック・システムが、このBROOKLYN AMPの登場により完結するということも大きなポイントといえそうだ。

電源回路はスイッチング電源を採用するが、ユニークなのはφ3.5mmミニジャックによる12VDCの強化電源の入力端子を持っている点。この後のBROOKLYNの製品展開として明確な解答はなかったものの、今後同一の筐体を採用した電源ユニットの登場も期待できるとみてよさそうだ。

プロオーディオにルーツを持ち、また最先端のデジタル技術で製品を送り出すブランドはもちろん他にもある。しかし、フォノイコライザーからパワーアンプにいたるまで、一貫したポリシーで開発するプロオーディオ系ブランドとなると、現時点ではMYTEK DIGITALだけだ。

その意味でもBROOKLYN AMPは同社にとって、ターニングポイントとなる機器とみることができる。価格はBROOKLYN DACと同程度を見込んでおり、現在2017年夏頃の出荷を目指して開発を進めているとのことだ。

この他に同社ブースでは、米AXPONAで先行発表されたCLEFも登場(関連ニュース)。BROOKLYN DAC同様の対応サンプルレートやMQA対応に加え、Bluetoothなどさまざまなデジタル再生に対応した本機も、来場者から高い関心を集めていた。

現在の同社のフラグシップであるMANHATTAN DAC Uも展示

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