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徹底したノイズ抑制を実現したマスタークロック

<HIGH END>MUTEC、最上位10MHzマスタークロック「REF 10」を正式発表

オーディオ編集部:浅田陽介
2017年05月20日
MUTECは、独ミュンヘンにて現在開催中のMunich HIGH END 2017の会場にて、10MHzに特化したマスタークロックジェネレーター「REF 10」を発表した。

MUTEC「REF10」。会場ではMC-3+USBと組み合わせてデモが行われている

MUTECはベルリンに本拠を置くデジタルシグナルプロセッサーの開発メーカーで、昨今デジタルオーディオの分野で急速に注目を集めているブランドだ。日本でもMC-3+ USBをはじめとした製品がコンシューマー市場でも高い評価を獲得している。

今回発表されたREF 10は、あくまでマスタークロックジェネレーターとしての機能に特化したことが特徴で、MC-3+ USBのクロックマスターとしてはもちろん、さまざまなクロック入力を持つ機器との接続を想定したモデルとなっている。

REF 10の解説をしてくれたMUTECのマーケティングを担当するJulian David氏

最大の特徴は、クロック発振器にルビジウムを採用したアトミック・クロックではなく、あくまでOCXOを採用したクロックであること。同社のマーケティングを担当するJulian David氏によると、「ルビジウムは確かに良い素子ですが、あくまでそれは10年くらい電源を入れっばなしにした場合など長いスパンでみた場合に、ようやく出てくるメリットであり、現実的なものではないと考えています。それよりも位相近傍ノイズなど、ある側面から見た時に、やはりノイズの面で不利な点がある点に着目しました。だからこそ、位相近傍ノイズの少ないOCXOを採用しています」とのこと。このあたりがREF 10の注目点となる。

REF 10に採用されたクロック発振器はドイツ製のOCXO

徹底したローノイズ設計の採用は他の回路にもおよび、大容量のトランスを搭載し、リニアに構成された電源回路や徹底したノイズフィルタリングを行っている点なども見逃せない特徴だ。その結果として実現した特性は優れたもので、−166dB以下というノイズフロアを実現し、1Hzでも位相近傍ノイズは−116dB以下という数値を実現した。

電源部もリニアで構成するなど、ノイズを徹底的に抑え込んだ設計にも注目だ

出力端子となるBNCは全部で8系統用意されており、そのうち2つが50Ω、残り6つが75Ωとしていることも注目すべきで、組み合わせるDAコンバーターに合わせた最適な数値で使用できる配慮がなされているのも、MUTECらしい設計といえるだろう。

いまデジタルオーディオの分野では、良質なマスタークロックが静かに注目を集めつつある。REF 10はなかでも現実的な価格と高いスペックを実現したモデルとして、注目すべき存在となりそうだ。

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