第5世代に進化

MSB、旗艦D/Aコンバーター「Diamond DAC V」と姉妹機「Signature DAC V」

2015/09/02 編集部:小澤貴信
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アクシスは、MSB TECHNOLOGYのD/Aコンバーター「Diamond DAC V」「Signature DAC V」を9月より発売する。

・「Diamond DAC V」本体:¥4,100,000(税抜) 電源部:¥820,000(税抜)
・「Signature DAC V」本体:¥2,750,000(税抜) 電源部:¥680,000(税抜)

Diamond DAC V

Signature DAC V

2013年に発売された同社D/Aコンバーターの第四世代「DAC IV」シリーズが刷新。新たに第五世代の「DAC V」シリーズとして登場する。両モデル共にデジタル入力はUSB、同軸、光、AES/EBU、MSB独自のPRO I2Sを搭載。PCMは最大384kHz/32bit、DSDは5.8/2.8MHzに対応する。またオプションのUSB2モジュールにより11.2MHz DSDの再生も可能となる。

■27bit分解能を実現するフラグシップD/Aコンバーター

DAC Vシリーズのトップモデルとなる「Diamond DAC V」は、独自のディスクリート・サインマグニチュードDAC方式をIVシリーズから継承。ディスクリート・サインマグニチュード26bit DACモジュールを片チャンネル当たり2基、合計4個を搭載することで、27bitの分解能を実現している。マルチビットで発生しやすいゼロクロス歪みを根源的に回避すると同時に姉妹機「Signature DAC V」の倍に相当する分解能を実現している。

出力については、ディスクリート・ロジック/抵抗素子をDACモジュール内に搭載することで、補償回路なしにダイレクトに電圧出力。160dBのS/Nと1,000V/μsecを上回るハイ・スルーレートを実現している。

デジタル信号処理には、80bit演算能力のSHARC DSPを2基配備。このDSPによって入力デジタル信号は384kHz/32bitアップサンプリング処理と、MSB独自のシングルステージ構成による32倍アドバンスド・オーバーサンプリング・デジタルフィルタリングが行われる。なおアップサンプリング機能はオン/オフが可能。

「PRO I2S」端子を使用すれば、DACからトランスポートにマスタークロックを供給することができ、極めてジッターの低いD/A変換が可能。PRO I2S端子を使用しない場合も、入力信号にはリ・クロッキングをかけることが可能。入力データを一度バッファーして、データのみをDACのマスタークロックに同期処理するため、DACの低ジッター性能が最大限活かせるという。

これらを制御するマスタークロックには、極限の精度単位Femto sec(フェムト秒)までジッター値を極小化したMSB独自の「Femtoクロック」モジュール(Femto 140)を採用。一般的なDACクロックのジッター値がpico sec(ピコ秒)単位で語られるのに対し、本機ではその1,000分の1単位にまでジッターを減少させているという。

また、DACに最短距離となる位置に高精度・低ジッターのマスタークロックを配置することで、クロック性能そのものも十分に発揮させられるようにした。なおマスタークロックはモジュール化されており、さらに低ジッターとなる「Femtosecond Galaxy Clock」または「Femto 33 Clock」に交換することも可能だ(オプション)。

高信頼性基板を採用したことも特徴。本機に使用されている基板には、低誘電の特殊なコーティング処理が施されており、湿度や荷電、振動による回路への悪影響をシャットアウトする。回路全般には振動の影響を極めて受けにくい抗マイクロフォニック性の1%精度プレシジョン抵抗を使用。これは航空宇宙機器にも使用されるもので、安定性と高S/Nを可能とする。

DACモジュール4個のハウジング、クロックやパワーサプライには、スチールの100倍の防滋能力を持つニッケルアロイを採用。電磁ノイズの影響を10〜15dBも改善している。さらにDACモジュールにはヒートパイプによる温度対策も施されている。

XLRアナログ入力を搭載しており、オプションのボリューム機能を搭載すれば、プリアンプとして使用することもできる。

別筐体の電源部(別売)はDiamond DAC V本体と同サイズで、スタックして設置するができる。整流・定電圧回路はアナログ・リニア構成とし、整流素子には超高速シリコン・カーバイド・ショットキー・ダイオードを採用する。トランスは、+/−のアナログ回路、デジタル回路とクロック回路それぞれに専用となる、電磁シールドされたトロイダルトランス6個を搭載する。トランスポートに給電するための12DVC出力も備える。

上位モデルのコンセプトと機能を踏襲した姉妹機「Signature DACV」

Signature DAC VはVシリーズのトップモデル「Diamond DAC V」のコンセプトと機能を踏襲した強力な姉妹機となる。上位機とはDAC構成が異なり、ディスクリート・サインマグニチュード25bit DACモジュールを片チャンネル当たり2基、合計4個を搭載。26bitの分解能を実現する。デジタル信号処理には、上位モデルと同様に80bit演算能力のSHARC DSPを2基配備。またFemtoクロックも同じくFemto 140を搭載している。高信頼性基板の採用や高精度抵抗の採用もDiamond DAC Vを踏襲している。やはり電源部は別筐体(別売)となっている。

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