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高域まで滑らかな音色

MSB Technology「Analog DAC」レビュー − 最新技術でアナログライクな音を実現

2013/08/27 山之内 正
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1986年にアメリカで創立したMSB Technology社の製品群が、アクシス(株)より本格的に日本に紹介されることになった(関連ニュース)。MSB Technologyは、デジタルオーディオ黎明期の90年代初頭から他と一線を画すマニアライクなCDプレーヤーやDACを手掛け、独自のデジタル技術を駆使し、多くの優れたモデルを世に送り出してきた。このたび、積み重ねてきた優れた技術を広く訴求し、ハイエンドデジタルオーディオをさらに進化させるべく、DSD5.6MHz、PCM384kHzといったフルスペックに対応する最新DAコンバーター「Analog DAC」(関連ニュース)を誕生させた。ここでは、このDAコンバーターを中心のそのパフォーマンスを検証してみたい(※本記事は「オーディオアクセサリー」150号 所収記事を転載したものです。なおMSB創始者・ガルマン氏へのインタビューはこちら)。

<左>MSB TECHNOLOGY「Analog DAC」DAコンバーター ¥903,000(ボリュームなし) ¥1,034,250(ボリュームつき) <右>MSB TECHNOLOGY「Universal Media Transport Plus」ユニバーサルトランスポート ¥787,500 

●ブランドのフィロソフィー
アップグレードによって進化していく製品を作る


MSBテクノロジーは、私が北米のオーディオショウを取材する時に、必ず立ち寄るブランドのひとつだ。製品自体の魅力もさることながら、常に新しい提案を投げかける同社の姿勢に共感する点が多いというのがその理由で、近年はDAコンバーター分野での動きを注目してきた。

「オーディオアクセサリー」誌150号 68ページのインタビューでも話題に上っているが、iPodを改造して高音質トランスポートとして活用する提案も、同社が先駆けを作った経緯がある。その後ファイル再生やハイレゾ音源に急速に移行するきっかけとなり、流れを決定づけた功績は極めて大きい。

今夏から日本に本格導入される同社の製品群は、DAコンバーター4機種とCDトランスポート2機種、さらに対応メディアの種類を拡張したユニバーサルトランスポート2機種で構成される。中心を占めるのはやはりDAコンバーターで、ベーシックなAnalog DACの上にプラチナム、シグネチャー、ダイヤモンドと階層的なラインアップを構成している。さらに各製品には専用ボリュームコントローラーや追加用のデジタル/アナログ入力ボードなど各種のオプションが用意され、電源を強化する選択肢を選ぶこともできる。同社の基本コンセプトのひとつとして、アップグレードによって進化していく製品を作るというものがあるが、豊富なオプション群の存在はまさにそのコンセプトを裏づけるものだ。

入力機能をモジュール構成化。最先端の仕様を実現している

今回、輸入元であるアクシスの試聴室に出掛け、「Analog DAC」「Universal Media Transport plus」の2機種を試聴した。ここではAnalog DACを中心にそのパフォーマンスを紹介することにしよう。

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