ザ・キット屋東京試聴会、10周年記念演奏会を開催! 来年は東京に進出?!

2008/06/18
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店主・大橋氏による講演に集まった人は熱心に耳を傾けていた。使用していたスピーカーはTANNOYのスターリング、サンバレーオリジナルのWS-825
真空管アンプキット通販で知られるサンバレー「ザ・キット屋」の東京試聴会が6月14日(土)に行われた。

ソフト・ウォーム系のパワーアンプ5台(SV-91B、SV-501SE、SV-86B、VP-3000SE、SV-63ver.2)と、シャープ・クール系のパワーアンプ5台(SV-2(2007)、SV-38T、VP-3488SE、SV-18D/OTL、SV-19D)を使い、厳選した音楽ソフトを各モデル約2分ほどずつ再生し、そのサウンドの特徴を解説するという内容。300Bや845など真空管による音の特徴や、シングルかプッシュプルかの違い、また今回アウトプットトランスの搭載しないOTLアンプもあり、さまざまなアンプの、それぞれの魅力についての興味深い話を、店主の大橋氏が分かりやすく展開していた。

ソフト・ウォーム系アンプとシャープ・クール系アンプの再生の間には「ウインズタイム」というコーナーが設けられ、長野県のペンションウインズのオーナー兼スピーカー製作者である村瀬氏による講演も行われた。

村瀬氏によるウインズタイム。「樽の素材は『山崎』『白州』の混在から『山崎』のみとなりました」

OTL方式の真空管アンプSV-18D。高域の抜けの良い清潔感のある音が魅力

新製品のSV-19D。本邦初の6V6/6L6系オールコンパチブルアンプ。こちらも元気の良い抜けの良いサウンドが魅力的であった

ウッドコーンユニットを搭載しサントリーのウィスキー樽を素材としてエンクロージャーを作った樽スピーカー、樽バックロードホーンスピーカーの他、米松スピーカーなどの音を、リラックスした雰囲気で披露。

このザ・キット屋東京試聴会は今年で4回目だが、常に予約受付を開始したとたんに満席状態になってしまうという人気のイベントである。その理由は、大橋氏の講演が、自社製品のアピールにとどまらない、真空管アンプ、オーディオの醍醐味をおおいに語っているというところにあるだろう。

ザ・キット屋は真空管アンプキットを専門とするインターネット通販店であるが、リピーターも多く、ひとつのコミュニティを作っているようでもあり、こうした試聴会の盛り上がりは、他では見られないものである。

翌15日(日)には、東京・表参道にてザ・キット屋10周年記念演奏会として、バイオリニストの根津昭義さんとピアニストの根津理恵子さん親子によるコンサートが行われ、そこにもファンが大勢集まった。ザ・キット屋主催による10周年記念演奏会であり、顧客に対する豪華抽選会なども行われたが、この10周年を、店の側からも、ファンの側からも感謝し合っているような和気あいあいとした雰囲気が感じられた。

15日に行われた10周年記念演奏会では根津さん親子による演奏が楽しめた。超絶技巧を駆使しているのに、とても気持ちよさそうに演奏していた様子が印象的

店主大橋氏は「ザ・キット屋をスタートしてから気がついてみれば10年が過ぎ去っていました。創業時からずっと『お客様と一緒にこの素晴らしい趣味を楽しみたい』という気持ちを持ち続けることができましたのも、日頃から温かいご支援を下さいました皆様のお陰です。」「来年4月には待望の東京ショールーム開設に向け準備が始まりつつあるところです。今後のキット屋に引き続きご期待いただければ幸いです。」と語った。

(季刊analog編集部)

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