<ハイエンドショウ:イベント>斎藤宏嗣氏が話題の“ダイレクトカットSACD"の魅力を語る

公開日 2008/05/11 20:34
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「ハイエンドショウトウキョウスプリング2008」最終日となる11日。会場Bルームの音元出版ブースでは、1コマ目のイベントとして「エクストンのプレミアディスクの魅力」と題し、オクタヴィア・レコードからリリースされている高品位ソフトの試聴が開催された。

会場には多くのオーディオファンが駆けつけた

斎藤宏嗣氏

オクタヴィア・レコード 小野浩氏

講師は、優れた音のソフトを紹介するPhile-web人気有料コンテンツ「優秀録音盤」などの連載でお馴染みの斎藤宏嗣氏。プレゼンターとしてオクタヴィア・レコードの小野 浩氏もお迎えし、説明と試聴が行われた。

今回取り上げられたのは、今話題の“ダイレクトカットSACD”だ。通常のCD/SACDは、マスターをもとに「マスタースタンパー→マザースタンパー→スタンパー→SACD」といった多くのプレス工程を経て制作されるが、“ダイレクトカットSACD”は、マスターをもとに作られたマスタースタンパーから直接プレス。これにより、マスターに極めて近いクオリティの音を実現することができるという。

ダイレクトカットSACDの製造工程

小野氏は「オクタヴィア・レコードは録音や音質にこだわりのあるソフトを提供している。しかし製品盤では、マスターディスクでは聞こえていた、こだわりのある音が聞こえなくなってしまうなどの不満点があった。“少しでもいい音で届けたい”という思いから生まれたのが“ダイレクトカットSACD”だ」と説明した。

斎藤氏も「ダイレクトカットSACDはディスク製作者に検聴盤として提供されるもの。検聴盤は私も良く聴いているが、製品盤と比較して音に厚みがあり情報量が多いのが特長だ。録音現場の音と同じ、クオリティの高い音が楽しめる」と語った。

試聴には4月の新譜「ムソルグスキー:展覧会の絵」(ピアノ:清水和音)と「ストラヴィンスキー:春の祭典」(ズウェーデン指揮/オランダ放送フィル)が使用された。なお、こちらのディスクは現在Phile-webで特別に限定販売が行われている(詳しくはこちら)。

さらに今回、より高品位な音を楽しめる“マスタークオリティCD-R”の紹介も行われた。これはディスク製作に使用したマスターとほぼ同クオリティの音を楽しめる、オーディオマニア垂涎の品だ。「通常のCDよりも多くの情報量が残っており、より生々しい音を楽しむことができる」(小野氏)という。製品盤のCD層との比較試聴が行われたが、両者の音の違いに多くの来場者が耳を傾けていた。

“マスタークオリティCD-R”の説明をする小野氏

Phile-webでは、この“マスタークオリティCD-R”版「モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&第24番」(マーツァル指揮・チェコフィル/ピアノ・清水和音)を特別に入手。5月末より独占限定販売する。

斎藤氏は「マスタークオリティCD-Rは、いい意味でアナログ的な音がするディスク。この曲を録音したのはチェコのドヴォルザークホールだが、横に大きく広がるホールの空間の感じがよく再現できている。弦の音のふくらみや分離の良さ、空間の広がりも素晴らしい」と絶賛した。

(Phile-web編集部)

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