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大橋伸太郎の「Project EVEREST DD66000」ファーストインプレッション

2006年09月08日
JBLの新たなフラグシップスピーカー「Project EVEREST DD66000」(関連ニュース)。「数十年に一度のモデル」という超弩級スピーカーのファーストインプレッションをお届けする。

語ってもらったのは、弊社『ホームシアターファイル』誌の連載企画「伝統と確信のブランド、JBLヒストリー」を執筆中の評論家・大橋伸太郎氏。歴代の名機はもちろん、現行のJBL製品の多くを綿密に試聴しており、JBLサウンドには一家言を持つ。

−−−今回の新製品をどう捉えていますか?


大橋伸太郎氏とDD66000
大橋:K2の流れから決別した製品、というのが第一印象だ。K2 S9800は、当時としては非常にモダンかつチャレンジングな内容を持ち、新しいトレンドのエクスプローラーという印象を持っていたが、DD66000は、JBLの伝統的な構成を現代のテクノロジーで蘇らせたという点で、ハーツフィールドやパラゴンの列に連なるモデルだ。

JBLが新しいフラグシップスピーカーを開発中と聞いたとき、どういう方向性で行くのかと色々想像したが、“お山シリーズ”のEVERESTに回帰したということだ。

−−−新製品の音についてはどう感じましたか?

大橋:穏やかな音調、という印象を持った。「動」と「静」でスピーカーを2種類に分けるとしたら「静」の部類だろう。静と言っても、パンチ不足という意味ではない。スケールが格段に大きく、どれだけパワーをぶち込んでもスピーカーの存在感を感じさせない、という意味に捉えて欲しい。不要振動が完璧に抑え込まれており、底が見えない奥深さを感じる。どんなアンプも飲み込む器の大きさがある。

これに対してS9800は、入力に対する出力のリニアリティーに重点が置かれ、ハイバンドウィズ思想が貫かれている。動きの解像度が高く、静に対する「動」という印象で、好対照を為している。

ベルリンフィルからデレク&ドミノスまで様々なソースを試聴したが、ジャンルを選ばずに高いレベルの再生ができる。これは非常に意味のあることで、現在のオーディオファンは、多彩な音楽の遍歴を持ち、多用なジャンルのディスクを聴いている。

また、ソースの持つ表情をそのまま再生してくれる点も好ましい。たとえばローリング・ストーンズを聴いたとき、綺麗に再生するスピーカーがあるが、DD66000は、野卑なものは野卑に、そのまま表現する。

−−−DD66000をどのように使いたいですか?

大橋:DD55000を2本使って映画を見たときは、非常に好印象を持った。DD66000でも、センターレス、フロント2chだけのアメリカらしいシアターシステムを構築できるのではないか、と考えている。

カラーはエボニーに好印象を持った。1本300万円オーバーの製品だけに、おいそれと購入できるわけではないが、たとえばクルマにおけるフェラーリのように、その製品がある生活を夢想させるだけの魅力がある。これがハイエンド製品の証なのだろう。

(構成:Phile-web編集部)