ケーブルブランド探訪記(SILTECH編 その1技術解説・前編)

公開日 2004/03/03 09:43
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左写真(右がMr.Edwin van der Kley、左がManaging DirectorのMrs.Gabi van der Kley)
●ケーブルブランド探訪記はこの度ハーマンインターナショナル(株)での輸入販売が開始された、オランダのハイエンドケーブルブランド、SILTECH(シルテック)社のラインナップをご紹介する。まず第1回目は同社ケーブルの最大の特徴である導体の仕組みとその歴史に関してレポートしていくこととする。

SILTECH(シルテック)社は1984年8月にオランダで設立された。現在のPresident and CEOはEdwin van der Kley(エドウィン・ファン・デル・クレイ)氏であり、1992年以降は同社の株主でもある。創業当社はケーブルだけではなく、アンプや、あるいは医療機器なども開発していたが、現在はケーブルの開発のみに絞り経営し、40カ国以上で販売実績を誇る世界有数のケーブルブランドとなっている。

同社のケーブルの最大の特徴は導体に純結晶化シルバー=ゴールド導体を採用している点にある。これは金の原子が銀結晶間の隙間を埋める充填材としての決定的な役割を果たすという冶金学的現象を発見したことから始まった。この銀結晶構造に24Kゴールドを追加した導体は信号の損失を一切排除し、世界最小レベルの超低歪(高調波歪み率:0.0000001%)を実現させたのである。

そうは言っても同社は始めから上記の導体を採用していたわけではない。最初はピュアシルバーのフラットケーブルから始まり、試行錯誤を繰り返すことで1997年には80%の金の補間率を持つGeneration3を誕生させ、ついに97%の補間率を持つGeneration5、99%の補間率を持つGeneration6を実現させ現在に至っている。

「合金ではなく、シルバーの構造上の欠点を埋めるために金を注入した」とクレイ氏が語るこの冶金技術は、自国の大学の協力を得て、さらなる進化を目指して日々研究が続けられているという。純度を上げることよりも 結晶構造にこだわった 同社の技術。
次回は構造に関するこだわりをレポートすることとする。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

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