ケーブルブランド探訪記(MIT編 最終回 AVtシリーズ)

公開日 2003/03/24 09:07
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「AVt 1 s」 ともに2.4mペア\79,900(シングル)\95,900(バイワイヤ)
●MIT編の第15回目最終回はAVtシリーズのスピーカーインターフェイスのトップモデル「AVt 1 s」をご紹介する。同モデルは8本の特許ヴァリレイ構造導体線を採用することにより、ダイナミックコントラストの向上を実現させたスピーカーケーブルである。
また、P.E.絶縁体は非線形誘電性の歪みを抑え、優れたローレベルのディテイルを再現してくれる。端子交換が容易なアイコン端子を採用。タイトでありながら量感のある低域や高い透明度と精密な音像を生み出す高域のディテイル感を存分に味わっていただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

●「AVtシリーズ」の概要
同シリーズ開発の最大の意図は2chステレオフォニック再生の深い可能性を再認識させる点にある。その結果として、明確なフォーカスを伴った広い空間に浮かぶステレオイメージを生み出すことに成功した。また、エムアイティ専売特許のターミネーター・テクノロジーに低音の解像力と量感を増やし、中高域の透明度の改善も実現することができた。

●MIT社のプロフィール
1984年、ブルース・ブリッスン氏によりハイエンドオーディオ専用インターフェイスケーブルの研究開発から生産までを一貫して行う「Music-Interface-Technologies」社としてカリフォルニア州に設立。 ブリッスン氏は従来のオーディオケーブルが「コンポーネントからコンポーネントへ音楽の情報を伝える」ということに関して、以下のような問題を抱えている点を提示した。
(1)外部の高周波ノイズや不要輻射をアンテナとして拾ってしまう。
(2)信号が流れると外部振動を拾うマイクロフォンとしても働いてしまう。
(3)周波数により信号の通過スピードが変わってしまう。
(4)インダクタンスとキャパシタンスが信号の位相を狂わし、ノイズを増やしたり低音の同相信号成分を減少させたり、ダイナミックレンジを狭める。
これらの問題を解決するために、開発されたのが同社のラインナップである。
そしてついに同社の基礎となる「ヴァリレイ構造」によるオーディオ・インターフェイス「MI-330」を誕生させ、その高い再現性がセンセーションを巻き起こした。
以後は、第二世代とも呼べる「ショットガン・シリーズ」、第三世代では「CVTカプラー」を採用。第四世代は「ターミネーター・テクノロジー」を導入し大きな話題となった。
単に線材の純度や構造だけを論じることから、さらにもう一歩も二歩も踏み込んだ、科学的根拠に裏付けされたMIT社の技術と性能は、好みによる音作りではなく、普遍的価値の追求から誕生しているのである。

●MIT社の用語集

(1)ヴァリレイ構造
「ヴァリアブル・ツイステッド・ストランド・テクノロジー」の意。長さと太さと素材の異なる導線を組み合わせ、自己インダクタンス成分をコントロールし、広帯域に渡りインピーダンスを等しくするための構造。
(2)CVTカプラー
CVT(Constant-Velocity-Transmission)カプラーの主な目的はトランジェント・レスポンスの改善。CVTネットワークは高周波帯域に対し一定の遅延特性を持たせ、その位相を低周波帯域の位相に整合する。
(3)ターミネーター
ケーブルの出力側に取り付けられているモジュール。ケーブルを通過する低周波帯域の信号の時間的遅れをコントロールし、これを高周波帯域に整合させる。
(4)オーディオ・インターフェイス
技術用語では「リニア・エレクトリカル・カップリング・ネットワーク」の意。本来ならコンポーネントと呼ぶべきオーディオケーブルを「パッシブ・ネットワーク」を持つことから同社ではこのように命名した。

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