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公開日 2026/11/09 06:30
シンガーソングライター安月名莉子さんをアンバサダーに起用

【レビュー】Melody Wings新作イヤホン「Uranus」、ハイブリッド4種ドライバーで高域が刺さらない絶妙な音作り

高橋 敦


Melody Wingsの有線イヤホン「Uranus」。価格は29,990円(税込)


シンガーソングライター、安月名莉子さんが全面的に監修


Melody Wingsは、当初は日本限定で、その後EU圏や北米、それからアジア、最後に中国市場に向けての展開を行ってきた、挑戦的な新鋭ブランドだ。アンバサダーに国際的な発信力を持つ日本のアニソンシンガーや声優を起用してきたこともその一環だろう。



高域の刺さりに敏感だという安月名莉子さんが理想とする、滑らかでまろやかな、長時間聴いても耳が疲れない音を追求して、ダイナミック・BA・骨伝導・圧電ピエゾの4種類ドライバーによるハイブリッド構成を採用。ケーブルまで何種類も吟味して音決めしたそうだ


この「Uranus」においては、アンバサダーからさらに踏み込んだ「コラボレーション」パートナーとして、シンガーソングライター、アニソンシンガー、声優と幅広く活躍する安月名莉子さんを起用。デザインからチューニングまで全工程で安月名さんの要望やアイデアを反映しての開発が行われたという。



こちらが付属品一式。2種類のイヤーチップ、MW×AR専用ケースなどが付属。安月名さんがUranusのために録りおろした「Unheard Voice」弾き語り版の特典音源のダウンロードコードも付属されている


VGP2027ライフスタイル分科会では、審査員であるオーディオ評論家や販売店スタッフからもクオリティの高さが認められて、インナーイヤー型ヘッドホン(2万円以上3万円未満)部門において金賞を獲得。また特別賞として「シンガーソングライターの安月名莉子とのコラボで細部まで丁寧に作り込まれた、ハイブリッド型イヤホンの商品企画に対して」企画賞を獲得している。




VGP2027で部門賞「金賞」と、特別賞「企画賞」を獲得している


4種ハイブリッド構成、DD+BA+骨伝導+圧電ピエゾ


ドライバーはクアッド・ハイブリッド構成。超高域に圧電ピエゾ、中高域にBA、中低域に10?ベリリウムコート・ダイナミック、超低域に10?骨伝導ユニットを搭載。ドライバー数としては4ウェイの各帯域1基ずつ計4基。ミニマムな構成のおかげか、価格が手頃なのもうれしい。




シェルはレジン樹脂製でイヤーモニター形状。宇宙的なブルーにゴールドが浮かび上がるフェイスプレートの彩色は手作業によるもので、その様子は個体ごとに、そして個体内でも左右で異なる。付属ケーブルにはOCC(銀メッキ)導体を採用。音質への寄与は当然、シルバーの輝きでデザイン性にも貢献している。




 イヤホン左側のフェイスプレートには、名前のイニシャル「AR」が刻まれている。手描きのフェイスプレートはロイヤルブルーとシアンで彩られ、ゴールドの粉で星明かりを、白いテクスチャーで天王星に降るダイヤモンドの雨を表現している




チューニングにおいて目指されたのはブランド側曰く「呼吸するエネルギーのリズム」とのこと。「呼吸」が意味するのは人間にとって自然なリズム、聴き心地といったところか。具体的には、骨伝導やピエゾという特徴的なドライバーを使いつつ、その骨伝導らしさやピエゾらしさをアピールする音作りはしていない、鋭さや刺さりは出さないようにしたという点が特に挙げられている。


そしてその音作りこそ、安月名さんの要望を反映したものだという。聴き疲れない、それでいて歌の息遣いや楽器の細かな演奏表現、低音の響き、楽曲のさまざまな表情を楽しめる音。そのリクエストを受けてUranusのサウンドは仕上げられている。


 中高域の表現に個性あり! 高域の嫌な刺さりは控え目に


では実際のサウンドをチェックしていこう。


Uranusはケーブルのプラグ部分が3.5mmアンバランス/4.4mmバランス/USB Type-Cどれでも接続できる仕様になっている。イヤーチップもバランス型とボーカル型の2種類が同梱されている。




プラグ部分は交換式。スマホやPC、ポータブルオーディオプレーヤーやゲーム機など、さまざまなデバイスと有線で接続できる。ちなみにイヤホン側のコネクターは2pinタイプだ


今回は4.4?バランス駆動/バランス型イヤーチップの組み合わせを中心に試聴した。


まず大枠としての帯域バランスは素直に整っている。帯域ごとの音量音圧に目立つ癖はなく、楽曲ごとの得手不得手は出にくそうだ。


しかし、では無個性な音なのかというとそうではない。このイヤホンの個性は音の感触や音色の表現といった面にある。音色を強く決定付けるアタック部分の主成分である中高域の出し方が絶妙なのだろう。楽曲の中で特徴的な音色の、その特徴的な部分を特に際立たせるイヤホンだ。


たとえば安月名さんの最新アルバム収録『Unheard Voice』冒頭のアコギによるリフ。その音色は一昔前のスマホの内蔵マイクでの録音のようにペラッとして遠い音に加工されており、その音色自体が「届かない声」を表しているかのようだ。そのペラッとした、しかしエッジの立った、ささくれた呟きのような音色の独特さを、中高域の表現に優れるこのイヤホンはよりわかりやすく届けてくれる。



続く曲『Forever』ではベースの表現が印象的だ。サビまではピッキングでアタックと芯を押し出したゴリゴリの音色で不穏なドライブ感を強め、サビではスライドを多用した滑らかな音色とフレーズによって雰囲気を一転。このイヤホンは前者のゴリゴリとした感触の表現が特に気持ちよく、滑らかなサビとのコントラストをより明瞭にしてくれる。またボーカルにエフェクト処理がされる場面でも、そのエフェクトのジリジリとした感触を強調。場面の切迫感を高めてくれる。


音色の表情をわかりやすくすることで、楽曲の場面転換もよりわかりやすく、効果的になっているわけだ。安月名さんが求めた「楽曲のさまざまな表情を楽しめる音」がまさに実現されているといえるだろう。


なおアコギの音は、前述の箇所だけでなく、アルバムを通してどの楽曲のどのアコギにおいても好感触。シンガーソングライターとしてアコギを相棒とする安月名さんとのコラボモデルとして納得の仕上がりだ。音色表現のために中高域をしっかり出しながらも高域の嫌な刺さりは控えられている点も、安月名さんのリクエストに沿っている。


この「Uranus」には技術的な注目点もある。しかし、このモデルで特に注目すべきは、コラボ相手の要望を見事に具現化したチューニングのセンスだろう。これに続くアーティストとのコラボも楽しみにさせてくれる、そんな特別なイヤホンだ。


SPEC


カナル型イヤホン
Melody Wings
Uranus
29,990円(税込)



SPEC ●型式:ハイブリッド型(骨伝導型×1、ダイナミック型×1、BA型×1、圧電ピエゾ×1) ●ドライバー口径:10mm(骨伝導型)、10mm(ダイナミック型) ●再生周波数帯域:20Hz〜20kHz ●インピーダンス:32Ω ●ケーブルの長さ:1.2m


(提供:サウンドアース)

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