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公開日 2026/07/24 06:30
PSE認証を取得し音質を再設計

“音楽の魂”を注入するコード・カンパニーの電源ケーブル。「Vega Power Cable」2モデルの違いも検証

林 正儀

英国CHORD COMPANY(コード・カンパニー)の電源ケーブル「Vega Power Cable」が国内初登場した。PSE(電気用品安全法)と呼ばれる日本独自の安全基準によって、海外ブランドの電源ケーブルは輸入できないものも多い。そんな状況に一石を投じたのが今回のケーブルで、PSE認証を取得しながら、“コード・カンパニーの音”を実現する電源ケーブルが完成。林 正儀氏がその魅力を伝える。



CHORD COMPANY 電源ケーブル「Vega Power Cable」(価格は税込)
「Type G」=159,500円(1.5m)/延長0.1m=4,400円
「Type S」=220,000円(1.5m)/延長0.1m=4,400円


PVCを活用して新たな音質設計を追求


コード・カンパニーが日本専用設計の「Vega Power Cable」(ベガ・パワーケーブル)をリリースした。PSEの取得のため電源ケーブルの材質が大きく制限されるなか、同社にとって近年これ以上のエポックはないだろう。


コード・カンパニー社のケーブルのハイエンドモデルに採用されている絶縁材であるTaylonや、スタンダードモデルに使われているXLPEはいずれも同社独自の素材。当初はこれらコード・カンパニー社ならではの素材を使った上で、日本に導入というシナリオを描いていたが、PSEの取得にはこれらの素材のハードルが特に高かった。今まで認可したことがない素材はNG(前例がない)の一点張りだ。



電源ケーブルの「Vega Power Cable」はPSE認証製品のために絶縁材に独自のTaylonやXLPEではなくPVCとしたものの、導体と絶縁材のコンビネーションやシールド設計等、様々な工夫を重ねることで、音楽本来の姿へ色付けせずに、心に響くコード・カンパニーの音を実現


そこで一般的なPVCを絶縁材として開発を進めざるを得なかったわけだ。しかしながらコード・カンパニーがすごいのは、また別のノウハウがあって、例えば絶縁材と線材の組み合わせやシールド設計によって、ネガティブな部分を打ち消してプラスに転化できることだ。


「それならばPVCでやろう!」「素材だけで全てが決定するわけではない」このことをコード・カンパニーは実証してみせたのだ。その結果生まれたのが2種類のベガ・パワーケーブルだ。    


プラグの仕様に応じて2つのグレードが揃う


ベガ・パワーケーブルはコード・カンパニーが日本のファンに向けて専用開発したPSE認証モデルだ。線材は錫メッキ無酸素銅撚線に3層のシールド(ホイルシールド2層+網線シールド1層)を採用。シースは振動減衰に優れたPVC製だ。



アンダンテラルゴの試聴室でVega Power Cableの実力を体験する林 正儀氏


PSE認証のためにPVCでの絶縁としたものの、導体と絶縁材とのコンビネーションやシールド設計等、様々な工夫を重ねることで、他のコード・カンパニーの製品と同様に音楽本来の姿を色付けせずに、心に響く音を実現している。


ラインナップは2種類だ。違いはプラグで、Type Gはフルテックオーディオグレード金メッキタイプ。Type Sは同じくフルテック製の最高峰NCF銀メッキタイプを搭載している。さらにType Sでは、組み立て時にアンダンテラルゴの接点安定剤「SuperTMD」を2度塗り施工している。


同社はベガ・パワーケーブルを組み立てる事業所としても認可をとっている。「現地(イギリス)のコード・カンパニー社に赴いて、研修を受けた社員がケーブルを組んでいます」とのことだ。


Type G -揺らぎない中低音の厚みと響きの滑らかさ


Type GとType Sはそれぞれに持ち味や存在意義を有したケーブルたちだ。まずは標準のType Gから聴こう。


ノイズや雑味が減衰し、音全体がすっと静かになるような効果だ。エネルギーバランスとしてはジャズや管弦楽での中低音域の厚みが、オーディオ的な安定感につながっている。揺らぎのない、土台のしっかりした構築だ。


そのなかに金メッキプラグらしい質感や響きの滑らかさを実感させた。錫メッキ無酸素銅の撚り線らしい、流れのスムーズさが特徴もなるようだ。


これはType Sにも共通だが、北欧ジャズのリリカルな感覚、品のよいクールさがピアノの音色に現れていた。


またType Gは新しさを主張しないというか、ビンテージオーディオで使っても違和感なく馴染む印象だ。


「Type Gなら、ビンテージの楽しさを消さずにランクアップができますね」。古いLINNのユーザーから聞いた言葉である。


Type S -クールに磨かれた高級指向


一方Type Sは、ずしっとくる重量感とコンセント装着時の安定感が確かに違う。NCF銀メッキプラグのリジッドさと高級感が印象に残る。Super TMDはType Sのみの使用だが、全12カ所に2度塗りして仕上げている。


クールに磨かれた高級指向なサウンドに感じられる。よりハイエンドな、よりシャープかつパワフルなものを求めるのであればType Sというイメージだ。


コード・カンパニーの総力を上げたベガ・パワーケーブルには、底知れぬ破壊力があった。音楽ジャンルを問わず、情報量とエネルギーに満ち溢れた彫りの深い表現力に圧倒されっぱなしだ。


弱小音が瑞々しい。フォルテの強靱なダイナミズムは、天空まで駆け上がるようだ。ヴォーカルは血の通ったまさに生声。たった1本の電源ケーブルで音楽の魂が注入できる。あなたもベガ・パワーケーブルを聴くべきだ!


(提供:アンダンテラルゴ)




本記事は『季刊・Audio Accessory vol.201』からの転載です

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