『初めて恋をした日に読む話』
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10月から始まる秋ドラマを前に、TVerでは出演者たちの過去作を集めた「俳優特集」が展開されている。本稿では、その中でも必見の2作を紹介したい。
本作は、深田恭子演じる春見順子が、教え子の高校生・由利匡平(横浜流星)の東大受験をサポートしながら、3人の男性からアプローチを受けるラブコメディ。エリート官僚の父親への反発から勉強を放棄し、髪をピンク色に染めていた匡平だが、順子との出会いをきっかけに東大合格という目標に向かって真っ直ぐに突き進んでいく。
この作品を語る上で欠かせないのが、匡平こと“ゆりゆり”を演じ、本作で大ブレイクを果たした横浜流星の存在だ。不良っぽいピンク髪でありながら、一回りほど年上の順子に向けられる真っ直ぐでピュアな眼差しは、視聴者に強烈な印象を与え、多くの人を夢中にさせた。
空手で世界大会優勝の経験を持つ横浜だからこそ醸し出せる芯の強さと、当時22歳の彼が放つ絶妙な少年性が、見事に役柄とマッチしていたと言えるだろう。
また、単なる年下男子との恋愛ではなく、順子と匡平がベースとして「1対1の人間同士の対等な関係」を築きながら、お互いの人生を生き直していく姿も魅力的だった。
匡平はもちろん、永山絢斗演じるエリート従兄弟の雅志、中村倫也演じる元ヤン教師の山下といった個性豊かな男性たちとの四角関係の行方に、最後まで夢中になるはず。
現在は映画・ドラマと主演として作品を牽引している横浜とは一味違う、まさに成長途中の姿を知る上でも必見のドラマだ。
池井戸潤の同名小説を原作とする本作は、役所広司演じる老舗足袋業者「こはぜ屋」の4代目社長・宮沢紘一が、会社の存続をかけてランニングシューズ「陸王」の開発に挑む企業再生ストーリー。
資金繰りの悪化や、世界的スポーツブランドからの妨害など、幾度となく訪れるピンチを社員一丸となって乗り越えていく展開は、『半沢直樹』などの池井戸潤原作ドラマの中でも屈指の面白さを誇る。
特に、竹内涼真演じる怪我に苦しむ実業団ランナー・茂木裕人が、こはぜ屋の情熱に打たれ、彼らが開発した「陸王」を履いて再起をかける姿は涙なしには見られない。茂木が因縁の豊橋国際マラソンに出場し、ライバルの毛塚(佐野岳)と繰り広げる接戦は、胸が熱くなる名シーンのひとつだ。
また、宮沢の息子・大地を演じる山崎賢人が、父とともにシューズ開発に関わる中で「仕事の厳しさと逃げずに挑戦する楽しさ」を学び、成長していく姿も物語の魅力のひとつとなっている。
10月から始まる秋ドラマでは、同じく池井戸潤原作の『俺たちの箱根駅伝』の放送が控えている。ランナーとモノづくりにかける人々の情熱を描いた本作は、その前にもぜひ観ておきたい必見の一作だ。